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構わん。緊急の話だからな。

悪党は何処にでも居る。

 クリヴィアに品を渡した後は、今後の流れを話し合った。

 途中で、クリヴィアの父親である領主のアリングサス伯爵が乱入した時は驚いたが、そのままアリングサス伯爵も話し合いに参加した。

 どうやら、伯爵も機を狙っていた様だ。


 話し合いの結果、グエルブ男爵邸に夜中に侵入して証拠となる物品を押収して、適当な理由で押し込み、そのまま断罪する事になった。


 因みに、グエルブ男爵が何をしたかというと、盗賊を使い金品を強奪したり捕らえた女性をオモチャにしたり、押収した書類を悪用したりしていた。


 そして、その犠牲者の中に、三女のクリヴィアの婚約者だった男がいた。

 婚約者の男は貴族ではなく、幾つかのお抱え商人の1つにしか過ぎない商家の長男だった。

 クリヴィアとは幼馴染みの関係で、お互いに惹かれ合っていたが、ただ、幾つもあるお抱え商人の1つに過ぎない商家の長男では、三女とはいえ、伯爵家の令嬢とは結婚出来ない。

 そこで、実績を作る事にした。

 その努力は実り、後は婚約発表の時期を考えるだけという時に、長男の訃報が届いた。

 最後の手紙には、グエルブ男爵の不正の証拠を手に入れたと書かれていた。

 しかも、その直後にグエルブ男爵からのクリヴィアへのグエルブ男爵の次男との婚約の打診が来た。

 こんな事が続けば不審に思うのは当然だが、長男からの手紙以外に証拠が無い為に、対策が出来ない時に俺が来た、という訳だ。


 その夜、リンはあっさりグエルブ男爵の不正の証拠を手に入れた。


 その後、アリングサス伯爵は根回しをして、3日後にグエルブ男爵邸に押し入った。


「これはこれはアリングサス伯爵様。

 今日はどうされたのでしょうか? グエルブ男爵様から通知は来ていないのですが?」

「グエルブ男爵に緊急の話がある」

「わ、分かりました。直ちにグエルブ男爵様にお伝えいたします」


 因みに、アリングサス伯爵の後ろには俺達が控えている。


 俺達はアリングサス伯爵の護衛みたいに感じで応接室でソファーに座ったアリングサス伯爵の後ろに立っている。


「アリングサス伯爵様。今日はどうされたのでしょうか? 特に先触れ等も無く、こちらとしても充分な御用意が出来ず申し訳ないのですが」

「構わん。緊急の話だからな」

「畏まりました。それで、その緊急の話とは?

 まさか、クリヴィアお嬢様との婚約の話でしょうか?」

「それに近いな」

「左様でございますか!」


 グエルブは、見事にぬか喜びをしていた。


「見事な演技だな」

「はっ?」

「貴様には失望した。いや、それ以上だ」

「アリングサス伯爵様?」

「貴様の今までの不正の証拠を押さえた」

「何を、言っ……」

「貴様は、我が名の下で極刑に処してやる!」

「お、お待ちください! 不正の証拠と申されましても、身に覚えはございません! 何かの間違いでございます!」

「証拠を押さえたと言った筈だ。貴様が今更、何を言おうが貴様の未来は変わらん。覚悟するのだな!」

「……こ、これはきっと罠です! 何者かが私を陥れようとしているのです!」

「無駄な言い訳だな、グエルブ」


 アリングサス伯爵が、そう言うと見事にグエルブ男爵は、似非笑顔から醜い歪んだ顔になった。


「……くなる上は! 出合え! アリングサス伯爵の偽者だ!」

「化けの皮か剥がれたなグエルブ」

「ふん! こんな話をしに来たのに、そんなガキを護衛を連れて来た己の愚かさを呪うのだな」

「馬鹿が! 只のガキかどうか、自身の目で確かめるのだな」


 俺がそう言った瞬間に、グエルブの私兵が雪崩れ込んで来たが、軽く捻り向こうも無傷で掌握した。


「何ぃ!」

「さて、最後に私の暗殺実行で確定だな」

「まさか、今までの話は……」

「残念だが、証拠の話は本当だ」

「そんな……」

「クリヴィアの幸せな未来を奪った事を死ぬまで後悔するが良い!」


 さて、アリングサスの街から癌を取り除けた訳だが、アリングサス伯爵からどんな罰が良いかと、聞かれたから提案した。

 殺したらそこで終わりだから、先ずは奴隷に堕として、自殺や自傷や自閉を禁じて、毎日不味い飯を食わして、午前中は穴を掘って埋めるだけの無駄な作業等をさせて、午後は拷問をする。

 最後に、回復魔法を使い傷を癒やして死なない様にする。

 それを、婚約する筈だった長男が生きた時間だけ続けるのはどうかと提案したら、アリングサス伯爵から感謝されたよ。


 まあ、どっかの若い組長が言っていたけど、謝罪とは、被害者やその家族が、もうしなくて良いと言うまで後悔しながら無様な姿を晒そうとも罪を償うのが謝罪だ、と言っていたからな。


 追伸としては、アリングサス伯爵からは三女のクリヴィアとの婚約を打診された。

 幾ら無法者の冒険者でも、Aランク冒険者以上になれば、貴族の伯爵位であっても三女ならギリ釣り合うらしい。

 レイに、俺の服の端を摘まれ、哀しげな顔で睨まれるまでもなく断った。

 勿論、グエルブ元男爵から慰謝料と追加の宿屋の料金を徴収した。


 その後、3日間お世話になり、アリングサスの街を出発した。

 ついでに、ユニコーンの情報はないかと聞いたら、馬車で2日の場所にある森で見たという情報を貰った。

 最初に仕入れた情報だと、此方方面としか聞いてないから朗報だな。


 2日後に、その森の入口みたいな所に到着したが、ユニコーン狙いの冒険者達が何組か居た。


「その女を寄越せ!」


厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点をお願いします。

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