白金貨900枚
久しぶりの親子の再会は?
「本当に、貴様がライザック様で、そこの小娘がレイサリアお嬢様なのか?」
一応、馬車とかは王都に入る前に仕舞ったし、レイの奴隷紋はスカーフで隠している。
「信じないのなら、それでも構わないが、俺達がこの屋敷に入る頃、お前の首が胴体と繋がっていると良いがな」
「貴様ぁ~」
「何を騒いでいるのですか?」
「ナハラさん」
「あら、久しぶりね、ナハラ」
「レイサリアお嬢様!」
「え!?」
「何時、此方へ?」
「今さっきよ」
「それで、どうしたのですか?」
「この門番が、私達をお母様に取り次いでくれないのよ」
「ほう」
「!?」
「とりあえず、上に判断を聞きに行かないのは駄目だよな」
「貴方様は?」
「俺は、ライザック=フォン=アークレイドだ」
「貴方様がライザック様ですか」
「そうだ」
「畏まりました。リアンベル様の所にご案内いたします」
「分かった」
「ありがとう、ナハラ」
「……」
「あ、そうそう。こんな無能な門番はアークレイド公爵家には必要無いわ」
「なっ!」
「畏まりました」
「ま、待ってくれ!」
「黙りなさい! 貴方の事はリアンベル様にご報告します」
「そんな……」
こうして、俺達は、リアンベルさんの所に案内されているのだが……
「レイサリアお嬢様も変われましたな」
「まあ、色々と経験したから」
「そうでございますか。今のレイサリアお嬢様からは、甘さが無くなり良い事です」
「ありがとう、ナハラ」
そして、到着したのか、とある扉の前で止まった。
「リアンベル様、レイサリアお嬢様とライザック様と同行者が来られました」
「え!? もう?」
「はい」
「通して」
「畏まりました。 さあ、レイサリアお嬢様」
「ありがとう、ナハラ。 レイサリアです、お母様」
「入りなさい」
「失礼します」
……貴族は、やっぱり面倒臭いよな。
面倒臭いやり取りの後、やっと扉を開け、母娘の対面を果たす。
「ただいま帰りました、お母様」
「お帰りなさい、レイ。勿論、ライも」
「ただいまです、リアンベルさん」
「お帰りなさい、ライ君!」
「サラ!」
「手紙を送ったからライ君も一緒だと思ったから私も来ちゃった」
俺は、サラにキス以下の愛情表現を全て受けていると、リンが恐る恐る聞いて来た。
「ライ様、その方は?」
「俺の養母のサラ=クランフィリアだ」
「初めまして。私、ライ様の奴隷のリンと申します。そして……」
「私、ラピスだよ」
「初めまして。私はライ君のお母さんのサラよ」
「それにしても、かなり早く着いたわね?」
「あ~」
「分かったわ」
そう言うと、リアンベルさんは、軽く手を叩いた。
部屋に居たメイド達が会釈をした後に全員が退室した。
「それで、どうやったの?」
「第5位階魔法の『転移扉』を使った」
「……え!? 第5位階魔法?」
「ああ」
「ライ君が話したから、もう言って良いのよね?」
「いいよ」
「あのね、ベル姉さん。ライ君は凄いのよ! 第5位階魔法も使えるのよ」
「……も?」
「あ!」
「サラ~。」
「ごめんなさい、ライ君」
「……まあ、良いわ。冒険者の内情の詮索は御法度ですし……」
「助かるよ、リアンベルさん」
「それと、レイ。もう部屋の中なのだから、スカーフは外せば良いのよ」
「お母様、気をしっかり持ってね」
「え、ええ」
レイはスカーフを取ると、首の奴隷紋が……
「どういう事なの!」
「お母様、きちんと説明します」
レイの説明が始まった。
リアンベルさんは、レイの説明が終わると、力尽きたのか、ソファーに荒く座った。
「レイにそんな目に遭っていたたなんて……」
「ごめんなさい、お母様」
「いえ、仕方無いわ。それより、レイを良く守ってくれたわ!」
「まあ、レイは大切な幼馴染みだしな」
「……レイ?」
「まだ、進展無しよ」
「……はぁ」
「進展?」
「こっちの事だから」
「そうか」
どういう事だ?
それと、俺達も座ったのだが、サラにヌイグルミみたいに抱き着かれている。
それを目を見開いて見るリンと、お菓子を頬張るラピスとなる。
「それにしても、良く買えたわね。他国のオークションなら、私達、シバァザードの貴族は高く売れた筈よ。更に、レイは公爵令嬢だし」
「そうだな」
「ライ、落札価格は?」
「白金貨900枚」
「白金貨きゅ、900枚!?」
「本当なの、レイ」
「本当よ。疑うなら、ライが私に命令すれば分かるわ」
「……信じるわ。でも、どうやって?」
「それは……」
俺は説明すると、リアンベルさんが言った。
「……血が繋がってなくても、親子ね」
「えへへへ。ライ君、凄い~」
「もう疲れたわ。部屋を用意してあるから、今日はゆっくりしなさい」
「はい、お母様」
「ありがとう、リアンベルさん」
「ご配慮、ありがとうございます、アークレイド公爵様」
「ありがとうであります」
レイside
「レイ、今後はどうするの?」
「とりあえず、ライとは離れる事は無くなったからじっくり行くつもり」
「奴隷になったんだから、何か変化は無いの?」
「……無かったの、裸も見せたのに!」
「はだか!」
「うん。でも、ライの真剣な気持ちが分かったから良いの」
「……それとレイ、分かっているわよね?」
「はい。アークレイド公爵様。私はもう2度と公共の場や公式の場所では、お母様をお母様とは呼びません」
「……分かっているのなら良いわ。これからは、奴隷としての立場を利用して攻めるのよ」
「はい、お母様!」
「まぁどうせ、平民のライに嫁ぐ予定だったから大した違いは無いわね」
厳しくも温かいメッセージを待っています!
そして、星の加点をお願いします。
キス以下の愛情表現
頭撫で撫で、ほっぺたモニモニやツンツン、ハグ等です。




