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何、このお店は!

現代の車を知ると、馬車は、ねえ。

「目的地?」

「ああ。ジュセレの強化の旅をしたいと思っている」

「良いわね!」

「レイの賛同を得た所で、一旦だが、都市リザラルトに帰りたいと思う」

「帰る?」

「ああ。都市リザラルトに俺の家が在る」

「分かったわ」


 ……忘れる所だった。


「はい、レイにあげる」


 俺は、都市リザラルトのオークションで落札した「赤鱗竜レッドドラゴンの魔石」をペンダントにしたヤツと、氷神狼フェンリルの水晶像を渡した。


「……良いの?」

「当たり前だろ。レイの為に落札した」

「ライ、ありがとう!」

「どういたしまして」

「でも、この水晶像は壊れるかもしれないから、ライが持っていて」

「分かった」


 俺は、氷神狼フェンリルの水晶像を「箱」に仕舞った。


 翌日には、王都を出発した。

 ……と、言いたい所だが、何処から情報が漏れたのか、王都の冒険者ギルドに呼び出しを受けた。


「呼び出して済まない」


 このマフィアのボスみたいな大人な女性は、この王都の冒険者ギルドのギルドマスターだ。


「つい昨日、ギルド公認の2つ名『盗賊殺ロバーズキラーし』の君が、王都に居るという情報が入ってね。是非、お願いしたい事がある」

「つまり、王都の周辺の盗賊狩りだろ?」

「その通りだ」

「……分かった。その代わりに頼みたい事がある」

「何だ、その頼みとは?」

「フルオーダーメイドの馬車が欲しいのだが、良い店を知らないか?」

「何だ、そんな事か。お安い御用だ」


 王都のギルドマスターの話によると、少なくとも王都周辺には、3つの盗賊団が存在するみたいで、最低でもその3つは潰して欲しいみたいだ。

 話を聞いた後は、馬車屋の紹介状と場所を聞いて、1階の受付で説明を聞き正式に依頼を受けた。


 紹介を受けた馬車屋に行き、馬車用に残していた素材を渡して、前世チートを使い、フルチートな馬車製作を依頼したが、白金貨100枚渡すと、やる気が出たみたいだ。


 一応は、前世知識が含まれている為に馬車屋全員に魔法誓約書に記入して貰った。

 この「魔法誓約書」とは、誰でも出来る「絶対厳守」の誓約書で、誓約を破れば死ね。


 さて、預けていた金銀財宝ちょきんばこを回収しに行くか。


 レイの体力を考慮して一日に1つの盗賊団を潰して行き、馬車が完成する8日までに、気が付けば王都周辺の盗賊団全てを潰していた。

 お陰で、回収した金銀財宝ちょきんばこは、馬車製作費用の倍になった。

 収支でいえば、プラス白金貨100枚に。


「ありがとう! 流石は、ギルド公認の盗賊殺ロバーズキラーしだ!」


 気分が盛り上がったギルドマスターが、俺の腕を掴みギルドマスター用の仮眠室に連れて行かれそうになった時は焦った。

 レイが、真っ赤になって止めてくれなかったら、危うくギルドマスターに食べられる所だった。


 さて、サブギルドマスターに正座説教を受けているギルドマスターを置いて、最後の盗賊討伐の報酬を貰い、俺達は、馬車屋に向かった。


「よう、あんたらか。出来ているぜ」

「注文内容は?」

「勿論だ! 難しかったが完璧だ」

「しかし、良くあれだけのアイデアを持っていたな?」

「悪いが教えられないな」

「分かっている。後、誓約書の通りにして良いだな?」

「ああ。指定したアイデアに関しては自由にしてくれ」

「はは。腕が鳴るぜ」

「それで、馬車は?」

「アレだ」

「良し。きちんと外装は地味だな」

「変なこだわりだよな」

「それが楽しいんだよ」

「まあ、客の要望を叶えるのが仕事だ」

「それじゃあ、頂く」

「それと、本当に『馬』は良いのか?」

「問題無い」

「分かった。また馬車関係なら来てくれ」

「ああ」


 こうして、フルチューンした馬車をマジックバッグに仕舞う振りをして「箱」に仕舞うと、今度こそ、王都を後にした。


 都市リザラルトに向かう途中で、周りに行き交う人や馬車が居なくなるとレイが聞いた。


「それで、馬車が有るのに、馬車を引く馬はどうするの?」

「ああ、それはな……」


 俺は、周りに誰も居ない事を確認してから、第5位階魔法の「幻獣召喚」を使い、外見が馬そっくりの、討伐ランク「A」のモンスター「黒帝馬ブラックスター」を召喚した。


「ライ?」

「何、レイ」


 俺は召喚した黒帝馬ブラックスターを馬車に繋げていると、レイが話し掛けた。


「今の第5位階魔法よね?」

「そうだ。……出来た。さあ、皆、馬車に乗ろうか」


 とりあえず、皆が馬車に乗った。


 御者は、既に色々と悟りを開いたリンがやってくれている。

 居なくても大丈夫だけどな。


「ライは、第5位階魔法が使えるの?」

「今、目の前で見ただろ?」

「第4位階魔法が使えるだけでも凄いのに……」


 此処で、第10位階魔法までも、使える事は話さない方が良いだろうな。

 まあ、更に、その上も使えるけど……


 こうして、都市リザラルトに向かった俺達だが、台所の「G」に、森のゴブリンに、そして街道の「盗賊」という訳で、都市リザラルトまで残り半日の所で、盗賊共に阻まれたが、流れ作業で処理した。

 残念ながらアジトには大した金銀財宝ちょきんばこは無かった。


 都市リザラルトに到着した俺達は、家に向かったが、着くとレイが吠えた。


「何よ、このお店は!」


 俺は、家の3階の自室にレイ達を入れて説明したら、レイにこう返された。


「ライが、お人好しなのは知っていたけど、此処までしていたなんて……」


 この後、復活したレイとリン達を連れて、店の玄関から入り、客として入った。


 ローラ達も呼んで、レイ達を紹介した。

 何か、ローラ達も含めて絶望した顔をされたのは何故だ?


 とりあえず、軽く食べて、家の3階に戻りレイの部屋を用意した。

 俺の部屋の左隣がレイの部屋になった。

 因みに右隣はリンの部屋で、ラピスはリンの部屋の右側だ。

 改めて仕切り直した。



厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点をお願いします。

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