貴方が私の主か?
さて、主人公の相棒は?
さて、王立学園の敷地内に存在する寮に到着したのだが、何故か男女混合なんだよな。
勿論、「そっち」系にならない様に常駐している監視員(王族所有の奴隷)が居るけどな。
因みに、学園生は「この、奴隷の分際で!」が使えない。理由は、この奴隷(監視員)は、「国王」の所有物だからだ。
そんで、建物は左右対称で漢字の「口」の形になっていて、玄関から入って右側が女子で、左側が男子となる。
そして3階建てで、1階が1年生で2階が2年生で3階が3年生となる。
男子が女子に、女子が男子に公私関係無く会いたい場合は、監視員に言わないと会えない規則となっている。
後、玄関の反対側に食堂等があり、部屋割りは玄関か、もしくは正面玄関側の階段に近い程、爵位が高い。
つまり、玄関から一番近い1階の左右の部屋が俺とレイの部屋となり、部屋の大きさは爵位に合わせられている。
因みに、侍女1人までなら付き添いは許されているが、俺には居ない予定だったのだ。
しかし、仮にも書類上だけとはいえ公爵家の者になった以上は就く事になるのだが、その侍女にサラが立候補した時は全力で拒否した。
何処の誰が、寮に義理とはいえ母親を侍女にする奴が居るっ!
だから、アークレイド公爵家から派遣された侍女が事務的に働いている。
さて、入園式から約1か月が過ぎ、いよいよ、この学園最大のイベント「召喚の儀」が始まる。
学園内に専用の建物があり、そこで自分の相棒である「ジュセレ」と出会う事になる。
順番は、男爵からで爵位が複数だと女子は女子だけで男子は男子だけでくじ引きして決めて、女子から始まる。
最後を飾るのは公爵家のレイと双子の姉のレインだが、レインは特別席を設けられて、そこに居て俺達は話し掛けられない状態だ。
それで、レイの前が俺で、その前が友人のダリアや辺境伯の令嬢のマルティナ達だ。
「やっぱり緊張するわね、レイ」
「私もよ、ダリア」
「緊張しない方が可笑しいわよ!」
「そうね、ルティ」
「僕もだよ」
「私もよ、ラディ」
「アタイもだ、パティ」
「実は俺もだ、リラ」
ルティこと、辺境伯の令嬢の長女マルティナ
ラディこと、子爵家三男のサラディオ
パティこと、伯爵家令嬢の次女パトリシア
リラこと、侯爵家令嬢の長女リーリラ
因みに、派閥は、ルティとパティとリラがアークレイド女公爵派で、ダリアとラディが中立派だ。
そして、順番に召喚の儀が行われていくが、まさに魔女の使い魔の見本市みたいになっている。
外見が「猫」や「蝙蝠」や「鳥」や「蜥蜴」等で、中には、リザードマン系やウルフ系の奴がいた。
精霊系なら「妖精」や、「光玉」とかで、そして、どちらも「子供」や「幼生」だった。
因みに、光玉とは、光や闇に、火・水・風・土等の属性系の精霊の「卵」の事だ。
成長すると、属性がはっきりするし、外見も様々に変化する。
それとは別に、ジュセレには性質的に2種類に分ける事が出来る。
それが、「調和」と「混沌」だ。
この、2つは、ジュセレの外見や属性等からは判断が出来ない。
また、この2種類は、成長する方向性が違う為、注意する必要がある。
簡単に言えば「調和」は、防御系寄りになり、「混沌」は、攻撃系寄りになる。
そして、召喚の授業で習ったが、最初は「子供」や「幼生」からになる。
これは、成長するには召喚主である貴族側の魔力が必要で、相棒たる「ジュセレ」に毎日注がなければならない。
さて、我れが友人達だが、ダリアは「猿型」で、ルティは「鳥型」で、ラディは「妖精型」で、パティは「猫型」で、リラは「蜥蜴型」だ。
残りは、俺とレイとレインだけとなった。
まあ、俺としては成功すれば満足かな。
TVシリーズの○ックマンやデジ○ンに憧れていたからなぁ。
……それと、ある理由から最初から真剣に召喚の儀を見ていた。
良くも悪くも満を持して俺は召喚の儀の魔法陣の中央に立ち、召喚の詠唱を唱える。
「我は請う。新生の恐怖の鎖を絶ち切り、悲嘆の殻を破り、再生の痛みを受け入れ、差し伸べられた手を取る勇気を汝に願う。信念を胸に、我は汝に誓う。召喚! 我が同胞よ!」
詠唱が終了した途端に、召喚の魔法陣が光り輝き出して、更に、その魔法陣が立体型多重構造となった後、全てが重なり1つになると、再び光り輝き出した。
……ただ、その光りは、青と黒と金だった。
そして、俺の前には1人の少女が居た。
外見は、俺より頭1つ分高い身長に、控えめな体型に、紅髪で金眼の顔が可愛いよりは綺麗が似合う風貌だな。
着ている服は、イメージ的には「傾奇者」で、「花の○次」の女性版の慶○を想像して欲しい。
「貴方が私の主か?」
「……あ、ああ」
「ならば、契約の証に名を付けて欲しい」
そう言われて、何故か頭に浮かぶ名があった。
「……キサラ」
「良い名なのじゃ。主の名前は?」
「俺はライだ。」
「……ライか。これより妾は『キサラ』であり、ライの命がある限り裏切らず付き従い、相棒としてこの身が朽ち果てる、その瞬間まで共に居る事を誓うのじゃ。」
なんか、「貴方が、私のマスターか?」的なやり取りをしたなぁ。
「……」
「……なんだ。あんなに派手だったのに、召喚されたのは『ハズレ』かよ」
「ああ。笑えるよな」
「所詮は、平民って事だな」
「幾ら誤魔化そうとも、貴族ではないアイツには、これが精一杯だという事だ」
まあ、言いたい放題だな。
でもなあ……
「黙りなさい!」
「しかし、アークレイドさん」
「貴方達は、初代国王を侮辱している事に気付いているのですか?」
「まさか!」
「そうです。私達は、別に初代様を……」
「黙りなさいと言いました。忘れたのですか? 建国された初代国王は、生まれが『平民』だという事を!」
「「「「「「「「「「「「「「「……!」」」」」」」」」」」」」」」
「思い出したようね」
でもな、レイ。
その言い方だと、誇大解釈すれば、俺が初代国王の生まれ代わりみたいに聞こえるぞ。
後、キサラの誓いから、なんらかの繋がりみたいなのを感じているのだが、この感じだと……
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