情けない連中ね
プロローグ(学園編)はダイジェスト版みたいにサクサク行く予定です。
アークレイド公爵家の家族構成だ。
当主はアークレイド女公爵こと「リアンベル=フォン=アークレイド」で息子1人と3人の娘の4児の母親だ。
アークレイド公爵に婿入りしたレイ達の父親で名前は「ラーハルト=フォン=アークレイド」だ。
長女の「ルーシュリア」に、次女でレイの双子の姉の「レインシア」に、双子の妹のレイこと「レイサリア」に、長男で末っ子の「ロイボルト」だ。
因みに、レイの外見は黒眼黒髪のストレートポニーテールだ。
序でに言うと、ラーハルトさん以外は、つまりリアンベルさんの血統は、黒眼黒髪なんだよな。
ラーハルトさんは、金髪碧眼だ。
因みに、この世界での黒眼黒髪は珍しい方だが、魔王や呪いの証みたいな扱いでは無い。
「ようこそ、公爵邸へ。サラ様にライ様」
「「今年もよろしくお願いします」」
「ライ、我が家と思って寛いでね」
「はい、リアンベルさん」
「サラ、元気?」
「勿論よ、ベル姉さん」
「ラーハルトさん、今年もよろしくお願いします」
「ああ、よろしくね」
「ラーハルト、お世話になります」
「ああ。よろしく、サラ」
「久しぶりです、ライ兄様」
「久しぶりだな、ロイ」
「サラさんも、久しぶりです」
「久しぶりね、ロイボルト」
こうして、俺とサラの越冬が始まる。
因みに、長女のルーシュは王都の王立学園に通っていて居ない上に、全寮制だ。
そして、双子の姉のレインは、前国王の三男の嫡男と婚約している為に、リアンベルさんの叔母が管理する王都にあるアークレイド邸に居候して王族教育を受けている。
そんなある日に、皆が集まるリビングに何かのパンフレットが置いてあった。
このリビングに置いてあるのは、俺やサラが見ても問題無いヤツだから、中身を確認すると、王立学園の入学案内だった。
最初から読んでいくと、面白い項目があった。
それは、召喚魔法の授業だった。
この国の王立学園の出身者は、ほぼ例外なく幻獣系か精霊系の相棒的な存在「ジュセレ」が居る。
勿論、リアンベルさんには美しい朱い翼を持つ鳥型召喚獣が居るし、ラーハルトさん達も居る。
序でに言うと、リアンベルさんの召喚獣「ルビー」のあの姿は省エネ状態だ。
以前、本来の姿を見せて貰ったが、綺麗で美しい朱い大鳳だった。
当然、火属性で、攻撃は勿論、支援系も熟すとの事らしい。
所で、何故、この国の王立学園の出身者は全員が召喚獣を持っているかと言うと、初代国王が女神様の祝福で召喚獣と召喚魔法陣を授かり、召喚獣と共に建国を為したからだ。
だから、周りの国は、侵略しようとしない。
単純計算で、召喚獣込みで2倍になるからだ。
「行きたい?」
「行きたい!……あ!?」
「言質は取ったわ」
「リアンベルさん~」
「心配しないで、きちんとするから」
「……分かったよ」
こうして、俺はレイと一緒に王立学園に行く事になったのだが、何故だ!
何故、継承権が無いとはいえ、アークレイド家の養子縁組をする必要が有るんだ?
「王立学園は、基本的には貴族しか居ないから、平民のままじゃ、滞在する事も難しくなるからよ」
「それに、貴方が義理とはいえレイサリアと兄妹になれば悪い虫の防波堤になるしね」
「……分かったよ」
「決まりね」
こうして、春になっても公爵家に残り、貴族としての必須項目の修得を頑張った。
後、貴族としての勉強は午前中だけで、午後からは自由時間で、レイとはよく模擬戦をしている。
実は、レイには婚約者が居ない。
それは、レイと釣り合う相手が居ないからだ。
だから、公爵令嬢だけど、自由時間が多い。
その時間を鍛錬に使っている。
しかも、かなり真剣にしている。
……レイの婚約者とか俺には関係無いしな。
???side
お母様から許可を頂いたわ。
勿論、お父様からも。
そして、サラさんからも。
これで外堀は埋めたわ。
後は攻めるだけよ!
まあ、それが一番難しいけど、ね。
でも、頑張るのよ、私!
全く脈が無い訳じゃないわ。
いつか……
ライside
あれから約2年が経ち、俺とレイは王立学園に入学する事に。
この2年間の間に、長女のルーシュが、卒業と同時に公爵家に嫁いで、結婚式には俺やサラも式に参加した。
公爵家同士の結婚式だった為に、かなり盛大な式で国王と王妃が参加する程となった。
レイも長女ルーシュの花嫁姿に頬を紅潮してうっとりした顔で言った。
「いつか、私も……」
俺もレイが結婚した時は、盛大にお祝いをしてやらないとな。
それが、幼馴染みの俺の役目だ。
入学式が始まったのだが……
……異世界でも学園長(校長)の話は長いな。
1年生のクラスに行くのだが、教室は大学の講堂みたいな形になっていた。
だから、俺とレイは隣同士で座る。
すると、ニヤニヤと薄気味悪い笑顔で3人の生徒が寄って来た。
「お前が平民か?」
「違う」
「嘘つけ!」
「嘘じゃない。私の名前は『ライザック=フォン=アークレイド』だ」
学園側の誰かが漏らしたんだろうから、リアンベルさんに密告しておこう。
「「「え!?」」」
「だから、私の実家の当主はアークレイド女公爵だ。君達の実家の爵位は? それと、私の発した言葉は、君達の実家に届く様に、君達の発した言葉もまたアークレイド女公爵に届く事を忘れないで欲しい」
「「「……う、あぁ……」」」
「もう一度聞く。君達の実家の名前と爵位を教えて欲しい」
「き、急用を思い出した。失礼する!」
全く……
「情けない連中ね」
「そうだなよな」
「……クス」
「誰だ?」
「失礼。楽しかったものだから、つい。自己紹介するわね。
私の名前は『ダリア=シエル=レカンドラ』で実家は伯爵よ」
「私はレイサリア=フォン=アークレイドよ」
「ライザック=フォン=アークレイドだ」
「「「よろしく」」」
この後、担当の教師が入って来て、ホームルームか始まりクラスメート達の自己紹介が終わった後、簡単な明日からの説明が終わると解散となったのだが、待っているとレインが入って来た。
「レイ、待たせちゃった?」
「大丈夫よ、レイン」
双子なのに、若干レインが遠慮がちなのは、レイの婚約者を自分が横取りしたと罪悪感を持っているからだ。
双子なんだから、どちらを選んでも同じなら、姉が選ばれるのは普通なんだけどな。
そんな訳で、俺達3人は仲良く寮に向かった。
厳しくも温かいメッセージを待っています!
そして、星の加点をお願いします。
相棒的な存在「ジュセレ」のジュセレは造語です。