リン、どうして居る?
お風呂は良いものですね。
俺達は案内され、村長宅に到着すると中に招かれ、村長から説明を受けた。
何でも、3週間前からオークが現れ、畑は荒らし、家畜は食われているみたいだ。
今の所は、オークに因る女性の被害は無いらしい。
しかし、それが何時まで続くか分からない為に、冒険者ギルドに依頼を出したみたいだ。
早速、俺達はオーク討伐に乗り出した。
なあに、雑魚なオークだ。
久しぶりに「豚肉」を食べたくなったな。
俺達は村の囲みを出て、畑から延びるオークの足跡を追う。
流石に森に入ると足跡は見難くなるが、気配察知で既に捉えてある。
発見するのも時間の問題だ。
1時間後に、オークを発見した。
しかも、集落を形成していた。
数は20匹ぐらいか?
「リン」
「はい、ライ様」
「大物は任せる」
「承知しました」
「キサラは待機な」
「分かったのじゃ」
「さて、行くか」
「はい、ライ様」
そうリンが返事をすると、隣に居た筈のリンの気配が消えた。
そして、5分後ぐらいに集落の奥からオークの悲鳴が木霊した。
「ブギー……」
「プギャー……」
「プグゥ……」
リンには、「大物」と言ってあるから、最低でも「ハイ・オーク」以上を相手にしている筈なんだが、オークからの悲鳴しか聞こえないな。
勿論、俺もオークを雷撃弾を連射し、オーク共の眉間を撃ち抜いている。
8分後には、オークを「箱」に回収する俺とキサラが居た。
その間は、リンは周辺の警戒だ。
「回収が終わったから、囚われた人が居ないか調べるぞ」
「はい、ライ様」
因みに、オーク討伐した直後のリンは目が暗く座っててマジで怖かった。
集落を隈無く調べたが、犠牲者は居なかった。
後は、集落を燃やし尽くして終わりだ。
村に戻り村長にオークの集落の壊滅の報告をした。
証拠として、全てのオークをマジックバッグに見せ掛けた鞄(箱)から出した。
4匹からは追加料金が発生するから、村長からオーク13匹とハイ・オーク3匹だから、銀貨48枚を貰い、全てのオークをマジックバッグに見せ掛けた鞄(箱)に仕舞った。
実際のオーク討伐の相場よりも安いが、食用肉としての需要が高い。
それも含めてになるから問題無い。
村長に依頼書に完了のサインを貰うと、村を出る事にした。
残ると、キサラとリンに村の男に嫁いでくれと、押し掛けて来るからだ。
因みに、リンのジュセレの「クロ」は、闇魔法を使ってリンを補助している。
都市リゼラルトに到着して、我が家に帰ったのだが、裏に廻らず、たまには客として行こうと思って店の玄関から入った。
「「「「「いらっしゃいませ」」」」」
「何になさいますか?」
「ランチを3つと果実水も3つ」
商品は先払いだから、ランチ3つと果実水3つ分の料金を払うと笑顔でウェイトレスが言った。
「畏まりました、ランチ3つと果実水3つ」
ウェイトレスが若干親愛寄りの笑顔を俺に向けた為、頑張って居る野郎共の視線が痛いな。
「お待たせしました、ランチ3つです」
……いやな、挨拶、席への誘導、サービスの水出し、注文取り、注文した品出し、全て入れ替わってやるの止めてくれないか?
益々、野郎共の視線が突き刺さり痛いわ。
……食べ終わると、少しキサラとリンと談笑した後、店を出て、冒険者ギルドに向かった。
冒険者ギルドに入ると、いつも魔石の処理をしている受付嬢が居たから彼女に向かった。
「依頼完了の手続きを頼む」
「……魔石の処理じゃ、無いの?」
「ああ」
「……畏まりました!」
受付嬢は、無表情から通常の営業スマイルを超えてプライベートの笑顔で対応を始めた。
「依頼は、オーク3匹以上の討伐ですね?」
「ああ。合計でオーク16匹と、ハイ・オーク3匹だ」
「畏まりました!」
「その内、オーク8匹をギルドに売却する」
「ありがとうございます! では、解体場に移動をお願いします」
「分かった」
俺は、解体場に移動して売却する分のオークを置いて戻ると、俺が居なかったのが数分間の筈が、その数分間で3人の野郎がキサラとリンに因って剥ぎ取りを受けていた。
どうせ、ナンパして、バッサリと断れて、逆上したんだろう。
……まあ、自業自得だな。
待つ事、10分程で査定が終わり、依頼達成の報酬と、オーク8匹分の売却金が俺に支払われた。
……この世界のモンスターには食えるモンスターが居るのだが、そのモンスターの系統は、討伐難易度が高い程、食用として美味い。
だから、ハイ・オークは売らないし、俺達で食べる事にしている。
我が家に裏口から入ると、解散にした。
俺の偏見と独断で閉店時間は、他の店よりも早くしている。
酒を出さないんだから、夜の時間の営業は必要無いだろう?
だから、閉店時間は早い。
そして、プライベートの厨房では、オーク1匹を捌いてステーキを準備をしている。
他にも豚汁ならぬオーク汁……何か嫌だな。
うん。
今後は、「トンジル」に固定しよう。
「わあ、美味しそうな匂い」
「夕食の準備が出来ているぞ」
「わーい!」
全員の準備が済み、全員で唱和した。
「頂きます!」×23人
「お、美味しー!」
「柔らかーい!」
「美味いー!」
「皆、お願いがある。今後は、オークを使った汁物の基本的な呼称を『トンジル』にしたいが良いか?」
「はい!」×21人
トンジルに決まって良かったわ。
「ご馳走さまでした!」×23人
この後は、風呂なんだが、何故か皆が俺と入りたがるんだよな、毎回。
あんまりしつこいから、最近は結界を張っている。
「ふー」
「良い湯ですね、ライ様」
「ああ……!?」
「どうしました、ライ様」
「リン、どうして居る?」
「普通に、共に脱衣所に入りましたが?」
「……」
ああ!
ユニークシリーズ「忍装束」の効果か。
夕食の時、脱いで無かったな、リンは。
……俺は、思考放棄した。
結果、リンが一緒に入った事がバレて、俺と一緒に入る時は、専用の衣を着る事を条件に皆と入る事を認めさせられた。
これ以降、何故かリンは固定で、それ以外はローテーションを組んで、俺と一緒に風呂に入る事になった。
因みに、あの日、リンは身体にタオルとかを巻いていなかった。
キサラは、一緒に入る事は無い、相棒だからな。
厳しくも温かいメッセージを待っています!
そして、星の加点をお願いします。
オークがドラム缶で入浴している姿をイメージしてください。
入浴後のリンからの御言葉
「やりました! 計画通りです!」




