……マジ!?
オークションが終了しました。
今年はありがとうございました!
来年もよろしくお願いいたします。
「さあ、いよいよオークション最終日です! 皆様、準備はよろしいでしょうか?
……それでは、開催します!」
「「「「「「「「「「「おおー!!!」」」」」」」」」」」
そんなに盛り上がる事か?
……まあ、確かに、ほんの数ヶ月前までは、高位の貴族の令嬢だとか王女とかが、自分の「物」になる可能性が有るもんな。
因みに、奴隷は「国際奴隷法」ってのが有って、その法律により奴隷は法律上「物」扱いとなる。
それと、この「国際奴隷法」は、例え国王といえども処罰を受ける対象になる。
「最初は、とある国の男爵の当主です。金貨1枚からです」
「金貨……」
俺達が居た国だけでも、男爵は40家有るし、購買用に5枠有るから、他国も合わせれば、毎回、特殊奴隷に貴族が出品されているのは当たり前か。
序でに言えば、出品される順番は男爵位からで、男→令息→女→令嬢となる。
ドンドン進み、遂に最大の盛り上がりを見せる特殊奴隷の女性の出品が始まる。
「最初は、とある国の男爵夫人です。金貨10枚からです!」
「金貨11枚」
「金貨……」
既に最初の段階で、野郎とは10倍の差が付いているのは笑えるな。
そして、競売が進み、残すは伯爵以上となった。
「次なるは、とある国の伯爵令嬢で、父親は病死となり、母親は心の病に罹り、娘は母親の余生のお金を稼ぐ為に自ら奴隷になりました。そんな母親想いの伯爵令嬢(13歳)を金貨30枚からです!」
……ん?
俺は、専属侍女に聞いた。
「今、出品された奴隷の家名は?」
「アリサールです」
……おぅ!?
……ちょっとやり過ぎたかな?
でも、此方も命狙われたしなぁ……
まあ、侯爵にお願いして良いし、最悪はリアンベルさんにお願いしよう。
「金貨50枚」
「金貨60枚だ!」
「金貨65枚」
「金貨80枚だ!」
「金貨……」
競売は続き……
「金貨200枚」
「金貨300枚だ!」
どうだっ!
「金貨300枚が出ました! 他に居られませんか? ……では、11番の金貨300枚で落札です!」
「「「「「「「「「「パチパチパチパチ」」」」」」」」」」
2分後に「81」と書いた木札を貰った。
どうやら、この木札が引換券の代わりだろう。
「良いのか?」
「まあ、知った以上は……な。それにまだ子供みたいだしな」
「まあ、ライが決めたのなら妾に異論は無いのじゃ」
オークションは続き、次は公爵令嬢みたいだけど、何が起きたら、公爵令嬢が奴隷になって出品されるんだ?
「さあ、オークションも大詰めとなります。
とある国の公爵令嬢で、皇太子の想い人に毒殺を謀った罪で奴隷に堕ちました。そんな公爵令嬢(15歳)を金貨70枚からです!」
「金貨71枚」
「金貨72枚」
「金貨75枚」
「金貨77枚」
あれ?
盛り上がって無いな。
オークションに出す以上は、発表された身分は正式な筈だ。
「毒殺が、原因かと」
専属侍女が、ボソッと教えてくれた。
なる程な。
確かに、ベッドの上で舞っている最中に、キスしたら、何か飲まされ、中身は毒薬でした、なんて嫌だよな。
奴隷本人が知らなければ「主を害してはならない」という奴隷に科す誓約をスルー出来るもんな。
「金貨100枚」
この声は、アリサールの令嬢を俺と最後まで競っていた奴だ!
見事な腹とニヤけた面だな。
……仮面越しでも、伝わってくる愉悦に歪んだ顔は不愉快だな。
「キサラ」
「構わないのじゃ」
「ありがとう、キサラ」
「良いのじゃ」
「他に居られませんか?」
「金貨200枚だ!」
「金貨200枚が出ました! 他に居られませんか?」
「金貨250枚」
「金貨300枚だ!」
「金貨310枚」
「金貨400枚だ!」
「……」
「「金貨400枚が出ました! 他に居られませんか? ……では、11番の金貨400枚で落札です!」
「「「「「「「「「「パチパチパチパチ」」」」」」」」」」
2分後に「98」と書いた木札を貰った。
「さあ、次が最後です! なんと! とある滅びた国の第3王女(14歳)です!」
……マジ!?
「最も高貴な生まれを持つ王女を、金貨100枚からです!」
「金貨200枚」
「金貨300枚」
「金貨350枚」
「金貨400枚」
「金貨480枚」
「金貨500枚」
「金貨……」
うわぁ~。
ドンドン上がっているわ。
「金貨1000枚」
「金貨2000枚」
「金貨……」
4桁だよ……
「金貨3000枚」
「金貨3500枚」
「金貨……」
……見るんじゃなかった。
王女の頬に一粒の涙が……
「金貨5000枚だ!」
「金貨5800枚」
「金貨7000枚だ!」
「……」
「金貨7000枚が出ました! 他に居られませんか? ……では、11番の金貨7000枚で落札です!」
「「「「「「「「「「パチパチパチパチ」」」」」」」」」」
2分後に「99」と書いた木札を貰った。
「ライよ……」
「仕方無いだろ」
「……まあ良いのじゃ」
「これにて、オークションは終了とします。また次回に来られる事を、心からお待ちしております」
俺は、専属侍女に、俺が買った奴隷には、奴隷環から奴隷紋の変更と、身嗜みを調え、奴隷には見えない綺麗な古着と靴をお願いした。
……待っていると、1時間後に「ご用意が出来きました」と言われたから専用の部屋に移動する。
厳しくも温かいメッセージを待っています!
そして、星の加点をお願いします。




