今の俺の名前はライだ。ライザック=フォン=クランフィリアだ!
貴女は誰?な、ネタバレ有り。
封印とは、どういう事だ!
「序でに言っちゃうと、私とライ君は実の親子なの」
「は?」
「実の親子なの」
「それは聞いた。だから、実の親子とはどういう事なんだよ!」
「実はね、ライ君が私のお腹の中に居る時にね、パパ……ライ君のお父さんが、ライ君がまだお腹の中に居る時に出ていったきり帰ってこなかったのよ。あんなに帰ってきてねって、言ったのに!」
「それで」
「あんまり腹が立ったから、ライ君を産んで3年後にライ君の時間を止めて封印して、200年ぐらい1人で色々廻って旅をしていたんだけど、何時も守る側ばかりだから、今度は守られる側になろうと思って、外見を幼くしたの」
「まさか、その後、出会ったのが……」
「そうよ。後のパーティーメンバーの『天空の翼』よ」
そういう事か。
出生の話はデマだという事は、当時、何処にもサラの出自が分かる痕跡が見つからなかったのは、そういう事か。
「それなら、俺の父親は誰だ?」
「む~」
「サラ」
「絶対に教えない!」
「……分かったよ。それなら、本題だ。俺の力が封印されているのなら、どうやったら封印が解けるんだ?」
「ライ君の相棒の本当の名前を呼んであげる事よ。それで、封印が解ける様にしてあるから」
「女神が祝福を与えたジュセレに、そんな事をするなんて、サラは何者だ?」
「その女神がわ・た・し」
「はい!?」
「私の本当の名前は……
『サラディーナ・クランフィリア』で、シバァザード王国の初代国王に、ジュセレと出逢う魔法陣を与えた偉い女神様よ。えっへん」
「マジかよ……」
「それにね、死産で生まれる筈だったお腹の子がライ君、貴方のお陰で助かったの。ありがとうね、ライ君」
「ちょっと待て。それはどういう事だ?」
「実はね、もう直ぐ産まれるって時に、お腹の子の魔力が消えたの」
「つまり……」
「こればかりは、女神である私も原因が分からなくて絶望していたら、1つの魂が次元の壁を越えて私のお腹の子に入ったの! そしたらね、お腹の子の魔力が再び宿ったのよ! しかも、信じられないくらいに強大に」
「それでか……」
自分の子の恩人で、その恩人が実の子なら、あの溺愛は当たり前だよな。
「だからね、ライ君の力を封印していたの」
「分かったよ、サラ。……それにしても、何で、こんなタイミングなんだ?」
「ライ君、忘れたの?」
「何が?」
「明後日は、ライ君の誕生日だよ!」
「あ!」
「やっぱり忘れている~」
「ごめん、サラ」
「毎年、どんな事があっても、誕生日は一緒に祝おうと約束したじゃない~」
「本当にごめん、サラ」
「ライ君が誕生日を忘れていると思って覗いてみたら、ライ君のピンチだったから、思わず呼んじゃたの!」
「そうか……」
「もうそろそろなのじゃ」
「キサラ! 何故、此処に居るんだ?」
「当然なのじゃ。ジュセレは召喚者の魂と結ばれているのじゃからな」
「……そうだったな」
「ライよ、いや、名も無き次元を越えた異邦の者よ。今こそ、妾の本当の名前を喚ぶ刻なのじゃ!」
「ああ! キサラ、俺の以前の名前は……だ」
「……」
「だが、その名前は昔の名前で今じゃない!
今の俺の名前はライだ。ライザック=フォン=クランフィリアだ!」
「うむ。ならば、早く妾の本当の名前を喚ぶが良いのじゃ。そして、あの雑魚をさっさと片付けるのじゃ」
「ああ。行ってきます、サラ」
「行ってらっしゃい、ライ君」
……ああ。だから、あの儀式の時、名前が思い浮かんだのか。
待たせたな!
「来い! 輝紗羅!」
「なのじゃー!」
輝紗羅の刀身は、赤く、朱く、紅く、燃え上がり、魔王カリグラーの魔力砲を一刀両断した。
そして、俺はレイ達に完全回復を掛ける。
「何ぃ!?」
……力が身体の奥からどんどん溢れてくる。
「もう、終わりにしよう魔王カリグラー!」
「貴様、何があった!?」
「教える必要は無い」
「それならば、今度は全力で放ってやる!」
「どうぞ」
「死ねぇ!」
暗い紫色の魔力砲を放たれたが、これも俺は輝紗羅で一刀両断した。
「ば、馬鹿な!? わ、私は覚醒魔王に至れたのだぞ。それを、劣等種たる鬼人族如きに……」
「終わりだ、魔王カリグラー」
「ぐわぁあああ……」
「……何!?」
「ふははは! 残念だったな!」
「どういう事だ!」
「私は『死魂の魔王カリグラー』だ。我が内に駒たる魂が在る限りは不死なり!」
「ならば、呪縛魂解放」
「くははは! 無駄だ。私は死魂の魔王カリグラーだぞ! そんな低位階な魔法では内の魂は解放されないのだ!」
「……ぎゃあああ!」
とりあえず、魔王カリグラーの手足の修復が終わりそうだからまた斬った。
しかし、どうするか。
俺も、呪縛魂解放以上の魂を解放する魔法を知らないしなぁ。
「ライ、烈火の姫だ!」
ダメージが思った以上に深かったガイ達はまだ立ち上がれず座っていた。
そんなガイから、アドバイスが出た。
そうか!
俺は紅蓮不死鳥と完全回復と呪縛魂解放を合成する。
カチリ!
新魔法に登録された!
「第7位階魔法『再誕の慈炎』!」
「あーーー!」
魔法を放つと、良く知っている顔の可愛い系の慈愛に満ちた6枚の炎の翼を持つ天使が現れた。
そして、炎の天使は6枚の翼を羽撃かせ炎の羽根を一面に散らす。
この炎の羽根に触れた存在は、全て癒やされる。
怪我から、病気から、呪いから、全て。
「ば、馬鹿な!?」
「この炎の羽根に触れた存在は、全ての傷を癒やされ解放される。
魔王カリグラー! 貴様が内に抱える囚えられた魂さえもな!」
「信じられない! 我が内の駒である魂が次々に解放されていく!?」
そして、死魂の魔王カリグラーが内に抱える魂は、本人だけになった。
厳しくも温かいメッセージを待っています!
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