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行こう!

態々、向こうの物量に正面から行く理由は無いよね。

「……」

「パパ?」

「……ナーコッブから貴族の籍を外して、ど、奴隷に堕とし、鉱山労働に送る」

「パ、パパ! ……ウソ、だ、よね?」

「貴族だからといって、好き勝手にしても……いや、好き勝手にしても良いと言える権力を持っているが、同時に重い責任を背負っている」

「操られていたとは、ナーコッブがこんなになるなんて……」

「マ、マ……」

「ラベク」

「……はい」

「辛い事をさせるが頼む」

「畏まりました……」


 騒ぎ泣き散らすナーコッブを執事のラベクが、無理矢理に連れていった。


「誰かに操られていた、と言っても基本的には誰もそんな事は信じない。

 それなら、起きた事実だけを見て誠実に対処しなければ、周りは納得しない」

「……はい」

「クランフィリア伯爵。私達に、最後の判断を与えてくださりありがとうございます」


 その後は、2人を励ますつもりで雑談していると、執事のラベクがルーシアさんが来たと報告した。


「クランフィリア伯爵、申し訳ないが……」

「分かっている。少し席を外そう」

「感謝する」


 直ぐ隣の部屋に移動して、数分後にルーシアさんが俺達が居た部屋に入って数分も経たない内に、ルーシアさんの怒鳴り声と、弱々しい声で謝る2人の声が俺達の部屋にまで聞こえてきた。

 どうやら、ルーシアさんは、どうにかしようと、走り廻り、今日も話し合いに来たのに、全てが終わった後で、安心したのと同時に、不甲斐無い2人に怒り説教が始まったみたいだ。

 そして、領主であるビストイラ伯爵はルーシアさんの弟だったみたいで、途中から、貴族の説教から姉弟の説教に変わっていた。


「昔から、フマーグラは……」

「姉さん、もう勘弁してよ~」


 耐えきれなくなったビストイラ伯爵は、俺達を呼び出して盾にしようとしたが、俺は「他家の事に口出しするべきでは無い」と言って逃げた。


 その後は、何とか怒りが収まったルーシアさんは、俺達を呼び、感謝の言葉を述べた。

 どうやら、あの時に席を外したのは、知識人に助言を貰う為だったみたいだ。


 その日は夕食をご馳走になり、領主館で一泊して翌日、冒険者ギルドに行き、死魂デス魔王マスターカリグラー」の情報を入手した。


 ある一定以上の魔王は、必ずと言っていい程、何らかの形で人族に関わっている為に、情報が手に入れ易い。

 逆に言えば、冒険者ギルドに情報が無い魔王は「雑魚」だと言える。


 さて、死魂デス魔王マスターカリグラーの情報だが、どうやら、約100年前に生まれた魔王で、エルフやドワーフ等や、吸血鬼や獣人族等が形成する「国」を建て、その国の王をやっているみたいだが、しかし、奴は「恐怖政治」で支配しているみたいだ。


 そこで、俺は部屋を借りて手紙を書き、その手紙を千獣の魔王ライゴスに送った。

 内容は、死魂デス魔王マスターカリグラー」と、敵対したから倒した後の統治をよろしく、だ。

 ついでに、あの時に偶然だが、入手したライゴスの黒歴史をほのめかした言葉を書いてある。

 人情溢れるライゴスなら、引き受けてくれるだろうと俺は信じている。

 まあ、引き受けなかったら、ライゴスの黒歴史を公表するだけだ。


 早速、俺達は消耗品を補充して、奴の国へと出発した。



 普通の馬車で、2週間掛かる距離を昼夜問わず時速40Kmで移動していると、たまに、ゴブリンとかを轢き殺している。

 因みに、馬車には荷物等を30cm浮遊させる魔法を掛けているから、地面からの振動はこないし、馬車を引く馬も召喚したモンスターだから、疲れ知らずだ。

 一応は、交代制でやっているから「ブラック」じゃないからな。 


 まあ、向こうに有利な状況を作らせない為の強行軍だが、お陰で3日で到着した。


 そして、適当な近くの森の中で結界を張り寝る事にした。

 いやな、俺達は正義のヒーローでも無いし、時代劇の無念の死を迎えた主君の敵討ちとかじゃないから、昼間に、先触れを出してから正々堂々と正面から行く必要は無いだろ?


 だから、疲れを癒やす意味でも寝て、夜間に襲撃を掛ける予定だ。

 勿論、道中で全員に第2位階魔法の「暗視」を覚えて貰った。

 そして、俺は転移扉ゲートを使ってガイを迎えに行った。

 いやな、名前が死魂デス魔王マスターだから、即死系とか、魂系の「力」を持っている可能性があるから、ガイには最初に「暗視」を覚えて貰って、マイダンジョンの工房で即死系の耐性を持つアイテムを作って貰う事にした。

 運良く、必要な材料は全てダンジョンから出せたのは良かった。


「ガイ、どうだ?」

「ああ、出来ているぞ」

「それは良かった。じゃあ、戻ろうか」

「ああ」


 俺達にジュセレ達にもガイが作ったアイテムを身に付けて貰い寝た。


「……良く寝た。……うん。真夜中だな」

「ライ、皆の準備は出来ているわよ」

「分かった、レイ。それじゃあ、行こうか」


 皆が頷いた所で、馬車等を片付けて、全員に「飛翔フライ」を掛けて翔び、城の最上階の窓から侵入した途端に、魔法的な「何か」が、発動した。


「……バレた、かな?」

「だろうな」

「それなら、仕方ないか。一応、後始末をしてくれるライゴスの為に、極力・・建物は壊さない様にしような」

「一番壊す可能性の高いライに言われてもね」

「そうだぞ、ライ」

「次に壊しそうなディアナが言ってもなぁ」

「何か、言ったかしら、ガイ」

「いえ、何も」

「なら、良いのよ」


 ……怖ぇ〜。


「そ、それじゃあ、バレている前提で行くぞ」

「分かったわ、ライ」

「ワン!」

「分かったのじゃ」

「分かりました、ライ様」

「ニャー!」

「おう!」

「ピィー!(私も頑張るー!)」

「アタイもやるぞ」

「コン!」

「分かりましたわ」

「フラン、頑張りましょう!」

「私も頑張る!」

「キュー!」

「行こう!」


厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点をお願いします。

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