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こちらは殺されそうになったが?

未成年の責任は、親が取らないといけません。

 領主館に到着した俺達は、門番に軽く説明をすると、2人居た内の1人が血相変えて館の中に入っていった。


 10分程待っていると、執事らしき男性が来たが、衛兵に背負わされている坊っちゃんを見て、怒気が漏れているが、口調は丁寧だった。


「大変お待たせしました。私は執事の『ラベク』と申します」

「Cランク冒険者パーティー星屑スターダストアイズのリーダーのライだ」

「門番からご用向きを聞きましたが、大変申し訳ありませんが、もう一度お話して頂けますでしょうか?」

「分かった。俺達が、そこの馬鹿と連れに因って殺されそうになった。そこで、責任を取って貰う為に来た」


 此処で、首の切り傷を見せた。


「……分かりました。領主様や奥様がお待ちしておりますので、ご案内いたします」


 案内された部屋に入ると、外見は普通の貴族の男女が居たのだが、俺達が入った後に衛兵が背負った坊っちゃんを見て叫んだ。


「ナーコッブ!」

「なんて酷い事をするんだ!」

「こちらは殺されそうになったが?」

「何処が!」


 俺は、首の切り傷を見せた。


「コレが証拠だ」

「そんなのは、証拠にもならないわ!」

「それに、証人は居るのだろうな?」

「証人なら、都市の……」

「都市の平民なら意味は無いぞ。金で幾らでも用意出来るからな」

「平民以外なら良いのか?」

「用意出来るならな。まあ、意地汚い冒険者如きが用意出来るとは思えんがな」

「貴族の証人なら居るぞ」

「言っておくが、男爵や子爵程度なら握り潰してやる!」

「こちらが用意した貴族の証人は、伯爵家当主と公爵家令嬢だ」

「まあ! 無駄で見え透いた嘘ですこと。

 それに、そんな嘘は偽証罪ですわよ」

「ふん!『狩人、罠にかかる』だな」

「ふふ、無様ね」

「どう、責任を取るつもりだ?」


 すると、隣に座っていたレイが話し掛けて来たから耳を傾ける。


「何か、3人から嫌な感じがするんだけど……」

「何か?」

「うん。上手く表現出来ないんだけど」

「……分かった」


 確か……


「……神聖浄化ホーリーピュファイ

「ぐ、あああーーー……」

「き、ぎゃあああーーー……」

「ぐ、うぅうう……」

「ライ!?」

「大丈夫。浄化の魔法だから」

「浄化?」

「ああ」


 この魔法は、対人専用の第4位階魔法で、対象者に対して、魔法やスキルに因る洗脳や魅了に、幽霊とかの憑依等や、薬剤に因る洗脳に、ジョ○ョの「肉の芽」の様な物理的な洗脳道具等、全てを消去する魔法だ。


 因みに、対象に選んだのは4人で、領主に夫人に坊っちゃんに執事のラベクだ。


「あ!」


 俺の魔法を受けて、耐えられなくなったのか、領主と夫人と執事のラベクから、コ○ンの犯人役みたいな外見の黒い人型が現れた。


 とりあえず……


精崩烈光アストラルブレイク

「「ギィアアアーーー……」」


 この魔法は、第6位階魔法で、対象者の精神を破壊する魔法で、主にレイスの様な幽霊系の実体を持たないモンスター用の魔法だ。

 また、アンデット系や死霊騎士デュラハン系等にも効果がある。


「な!?」


 3体の内2体を処理する。


「先程の声で会話が可能みたいだし、お前らは何者だ?」

「……ふ、くく、あーははは! いいだろう。

 教えてやる! 

 我らは、偉大なりし死魂デス魔王マスター『カリグラー』様の配下だ! 既に、我らの目を通して視ておられる。死の恐怖に怯えながらカリグラー様の粛正を待っているがいい!」


【お喋りは良くないですね。とりあえず、1人ぐらいは削っておきましょう】


 残した黒い人型から、本人とは違う声が出たと思ったら、手のひらをレイに向かって構え……


【消えなさい】


 魔力弾らしき黒い球を放った。


「ちぃ!」

「ライ!」


 咄嗟に、右側に居たレイの前に、俺は右手に魔力をまとわしてレイの前に出して、黒い魔力弾を受け止め握り潰した。


【ほう、受け止めましたか】


 俺の中で、ある事が決定した。


「今ので決まった。貴様は俺の『敵』だ!」


【そうですか。まあ、心半こころざしなかばで終わらない事を祈っていますよ】


 そう言うと、繋がりを断ったのか、黒い人型はいきなり倒れた。

 そして、領主達が目を覚ました。


「あれ? 私は、何故、此処に居るのだ?」

「私もです。確か……」

「はい。確かに、最後の記憶と今の状況が一致していません」

「おい、下民! 貴族への偽証罪は重い。覚悟は出来ているのだろうなぁ?」

「ナーコッブ、何を言っているのだ?」

「そうよ。そもそも、貴族への偽証罪とは、どういう事なの?」

「パパもママも何を言ってんだよ? コイツがボクが付けた切り傷の責任を取れと言って此処に来たんじゃないか。そして、証人に伯爵と公爵家令嬢が居るなんて大嘘を言ったんだ」

「本当か!?」

「本当だよ、パパ」

「と、息子が言っていますが、そちらは何か反論がありますか?」

「当然だ。これから話す事は、全て事実だ」


 3人に、俺達と馬鹿の間に何が起きたかを話し、俺達の公式の身分と立場を話した。

 それと、3人に何があったのか話した。


「……なんという事だ」

「……そんな事に」

「……自身の不甲斐無さに怒りを覚えます」

「……パパ? ……ママ?」


 まあ、軽く絶望するよな。


「さて、ビストイラ伯爵。貴方の息子は、伯爵である俺の首に切り傷を付け、アークレイド女公爵の娘で俺の婚約者であるレイサリアや、大切な仲間を奪う行為に対して、どう責任を取るつもりだ?」


厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点をお願いします。

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