……ガイ、ありがとうな。
途中から、文字通り脱線します。
「ライザック殿」
「バーレン伯爵」
俺はドラード公爵家の前で、バーレン伯爵に報告した。
勿論、真実と嘘を混ぜてな。
その後は、バーレン伯爵の部下達が後片付けする為に残り、俺達やバーレン伯爵やドラード公爵家は、バーレン伯爵の屋敷で1泊し、ドラード公爵家はその翌日には帰るらしい。
俺達は、バーレン伯爵から事後依頼完了書を貰い、バーレン伯爵に別れの挨拶をした後、冒険者ギルドに行き、依頼の報酬を貰い、この先の情報を受付嬢から教えて貰った。
「じゃあ、次の目的地に行こうか」
「行きましょう、ライ」
ある程度離れると、馬車を出して黒帝馬を召喚して西への移動を再開した。
すると、ガイが「西への旅」の歌を2種類歌ったのだが、ガイは歌が上手かったんだな。
因みに、ガイが歌ったのは、名女優の「夏○○子」が主演をしたアレだ。
もう1つは、煙草を吸い拳銃を使う偉いお坊さんや、お母さんな猪八戒や、相手が居る女性には手を出さない沙悟浄が出るアレだな。
因みに、2番目のOPとEDだった。
「ピィー!(お兄ちゃん、素敵ー!)」
「ガイ、上手いな」
「まあな。自慢になるが、採点で85点以下を出した事が無いからな」
「そりゃあ、凄い」
「ライも何か歌えよ」
「……分かった」
ガイから言われて俺は、尊敬して、ある意味で目標にしている男が主役の「首無しの炎」や管理局の白い悪魔と呼ばれた魔法少女が主役の「永遠の炎」等を歌った。
「綺麗な歌声なのじゃ」
「凄かったよ、ライ」
「素晴らしいです、ライ様」
「アタイ、感動した」
「惚れ直したわ」
「素晴らしい歌声です」
「凄かったー!」
「ライもヤルな」
「まあな」
暫く、俺とガイの歌声が馬車から溢れていた。
……ガイ、ありがとうな。
さて、復活した俺とガイ達は、途中の野営場所で面白い話を聞いた。
「……と、いう訳で、その村で美しい娘達が居たのです」
何でも、その村の村長はまだ若い少女で、村の娘達の健康や教育に力を入れているらしい。
後、若い男性もそれなりらしいな。
「ちょっと寄って行くか?」
「賛成なのじゃ」
「私も」
そんな感じで、皆の了承得て、ちょっと寄り道をする事にした。
メインの街道から外れて、枝道に入り進む事翌日の午前9時頃に、目的地の村「ビィネツア」に到着したのだが、受ける印象が矛盾するが、表現すると「現代建築中世ヨーロッパver」だ。
簡単に言うと、前世のスマホ世代の建築家が、この村に来て、全てを作り直したみたいな感じだ。
もしかして、村長が転生者か?
しかも、若い世代が聞いた通りに大抵綺麗なんだよな。
エルフ的な美男美女という訳じゃないぞ。
清潔感がある、というか……
「ようこそ、ビィネツアへ」
村に入ってから動かなかったから村人に話し掛けられた。
「大丈夫ですよ。大抵の人は、最初は動かないのです」
「そうですか。王都でも見ない様な綺麗な村ですね」
「それは良かった。先代の村長や、その奥様が亡くなられて1人娘のティクーナ様が村長になられてどうなるかと思ったが、僅か3年でこんなに綺麗な村になるとは思わなかったからな」
「そうだよな。しかも、若い者達を集めて教育をされる様になってから、この村の若い者達はこんなにも綺麗になった」
「そんな素晴らしい村長なら、会ってみたいなと思うな」
「ん? ああ、会えるぞ」
「本当ですか?」
「ああ」
「村長宅に行き、都合を聞けば会える日とかを教えて貰えるぞ」
「そうか。ありがとうな。行ってみる」
「おお、そうかい」
そんな訳で、興味が湧いた、その村長に会いに行く事にした。
因みに、レイ達も同じだ。
泊まる為の宿屋を取り、早速、村長宅に行って面会する為の都合を聞いたら、今なら会えると言う。
……実際に会ってみたら、確かに聞いた年齢よりも聡明だと思うが、隣に居る彼女の補佐らしき2人の方がヤバかった。
「初めまして。冒険者パーティーの星屑の眼のリーダーをしているライといいます」
「初めまして。ビィネツアの村長をしているティクーナです」
それで、話を始めたら、両親が亡くなった日に、途方に暮れていると、この補佐らしき2人が来て、昔、世話になった恩があるから、手伝いをさせと欲しいという事で、それ以来との事だ。
特に、男性の方が「お前、オカンか!」と言いたくなるぐらいに「オハヨウからオヤスミ」まで、全てに対して介入して世話や手伝いをしているみたいだ。
そして、私生活が安定すると、村の発展に力を入れる様になり、彼女自身も両親を喪った悲しみを誤魔化す為に頑張った結果が、この不自然に綺麗な村と若い連中だ。
因みに、どうヤバいかと言うと、2人は人外な美男美女なのだ。
だから、村の若い連中は、「鼻先にぶら下げた人参を狙う馬」状態になり、2人の指示に従い綺麗になり、清潔感がある外見になった。
「ティクーナ、そろそろ時間だよ」
「分かったわ」
「僕はまだ、この人達と話があるから先に行っててくれ」
「うん。早く来てね」
「勿論だよ」
「私も行くわ」
そう言って村長の彼女と、2人の内の女性が出ていった。
「先にちょっと質問したいが良いかな?」
「どうぞ」
「では、質問だ。『知らない天井だ』の、意味が分かるかい?」
厳しくも温かいメッセージを待っています!
そして、星の加点をお願いします。




