アタイが一番乗りだ!
裏方は裏方で大変なのです。
ガイside
オレ、ディアナ、フラン、エレナの4人で湖畔周辺の犯罪者を拘束する為に動いているのだが、一言で言えば、地道な作業で、「1人見付けては縄で拘束して、決めた場所に運ぶ」を繰り返している。
「分かっているけど、地味よね」
「まあ、必要な事だからね」
「ピィー(お兄ちゃん、頑張って)」
「アタイだって、そんな事は分かっている」
「そうですよね」
「まあ今回は、被害者の名誉も守らないといけないしね」
「フランは、きちんと分かってて偉いです」
「もう、子供扱いは止めてといつも言っているでしょう、エレナ!」
「分かっています」
「分かってない!」
「……ん?」
「今の破壊音は?」
「屋敷の方から聞こえたわ」
「アタイも聞こえた」
「大丈夫でしょうか?」
「ライ、……いや、リンが居るから大丈夫だ」
「ピィー(お兄ちゃんの言う通りよ)」
「そうですね」
「そうだな。リンが居ればアタイも大丈夫だと思う」
20分後には粗方片付いたと思う。
まあ、途中で屋敷の方から破壊音が聞こえたりしているが、まあ大丈夫だろう。
「屋敷から見える内側の犯罪者への拘束は粗方済んだな」
「ピィー(お兄ちゃんは、頑張ったよ)」
「そうだな。アタイもそう思う」
「そうね。眠っているから探り難いけど、見える所や、点在する小屋の中にも居ないと思うわ」
「次は、外周部分ですね?」
「そうだな。それじゃ、外周部分に行こう」
内側は終わったから、次は外周部分になるのだが、犯人はオレか?
それとも、ディアナかフランか?
所謂、テンプレが発生した。
「外周部分には、一応はモンスターの侵入防止用に壁を設置していたんだな」
「そうみたいね」
「そうだな」
「それでは、扉の方に行きましょう」
「……ちょっと待て」
「モンスターの吠え声が聞こえる」
「ガイ、何か嫌な予感がするわ」
「急ぎましょう」
「ああ」
急いで行ってみると、外周の1番外側でちょっとしたモンスターに因るパーティーが始まっていた。
剣が散らばっている所を見て判断すると、フォレストウルフ5匹と戦闘中の犯罪者4名が睡眠魔法で寝てしまい、フォレストウルフ5匹は食事を始めたみたいだが、そのフォレストウルフ5匹を食べようと来たレッドベアーがフォレストウルフ5匹と戦闘をしていた。
「こういう事ってあるのね」
「アタイは、昔、一度だけ経験した」
友釣りみたいにレッドベアーが吸い寄せられたのだろうか?
屋敷に音とか声が届くのかは分からないし、屋敷の犯罪者側に起きている奴が居るかも分からないが、静かにさせた方が良いだろう。
そういう訳で……
「今日は熊鍋だな」
「アタイ、熊鍋好き」
「美味しいけど、匂いが強いのよね」
「好き嫌いはダメですよ」
「だから~」
「そんな会話をしている間に、フォレストウルフ5匹が全滅して、オレ達に向かって来ているから、迎撃するぞ」
「アタイが一番乗りだ!」
「フラン、行きますよ」
「分かっているわ、エレナ」
ディアナが、先ずは先制して魔法攻撃を放ち、レッドベアーに見事被弾した。
レッドベアーがダメージを受けている間にディアナが接近し、右膝に集中攻撃をする。
流石の熊系モンスターと言えども、一点集中攻撃は堪えたみたいで、右膝が地に突いた。
それに、ライやオレが、バット折りのローキックとかをディアナに教えているしな。
……まあ、そうしないと、ディアナはジャンプしないと頭に攻撃出来ないんだけどな。
レッドベアーが右膝が地に突いた事で、ディアナの蹴りが頭に届く様になると、更にディアナの攻撃は熾烈を極めたのだが、端から見ると、図体がデカいだけの文系の弟に対して、身長低めの武闘系姉貴がシバいている様にしか見えない。
……そして、オレ達の出番は無いまま、レッドベアーが泣いているかの様な叫び声を最後に倒れた。
「終わった」
「ピィー(ディアナお姉ちゃん凄いー)」
「お疲れ様、ディアナ」
「お疲れ様ね、ディアナ」
「お疲れ様です、ディアナ。ただ、もう少し慈悲を与えても良いかと……」
「あ?」
「……と、フランが言っていました」
「ちょ、エレナ!」
「フラン。ちょっとアッチでオハナシをしようと思うが良いよな?」
「私、そんな事、言って無いわよ!」
「はいはい。そこまで」
この後、適当に穴を用意して、フォレストウルフの残骸を穴に入れ、その上に逆さにしたレッドベアーを吊るして血抜きをし、血抜きが終わるとマジックバッグに仕舞う。
「外周部分も終わったな」
「そうだな」
「そうですね。見落としは無いと思うわ」
「次はどうしますか、ガイ」
「屋敷の所に行って、街から帰ってきた共犯者や逃げ出す共犯者の対処をしよう」
「ピィー(お兄ちゃん、働き者)」
「分かった」
「分かったわ」
「分かりました」
こうして、外周部分も見て、情報漏洩は無いと判断したオレ達は、屋敷の方に行って屋敷からの脱走者等の対処する為に屋敷に向かった。
「ミア、大丈夫か!?」
厳しくも温かいメッセージを待っています!
そして、星の加点をお願いします。




