……話にもなりませんね。
仕事内容の確認は、きちんとしよう。
オークを倒して、移動を再開して、俺達は目的地に到着した。
後は、目標の薬草「ギトートア草」を探すだけなのだが、あっさり見つかった。
……と、いうか、大量発生していた!
「これだけ有れば、お母様の分は充分に揃いますわ!」
「それじゃあ、俺達は周りを警戒しているから、ニルス達の方からどうぞ」
「良いのか?」
「ああ」
「そうか。良し! 必要な分と、ギルドに売る分を取るぞ!」
ロブ達が、強く返事をした。
ニルス達は、必要量と冒険者ギルドに売る為に取れるだけ取ると、俺達はその残りから8割を採取した。
「手に入れた量は兎も角だが、後は無事に帰るだけだな」
「ああ」
この後、軽い食事を済ませると、街に帰る為に移動して、先頭を歩く俺は面倒臭くなって、威圧を放ちながら移動したから、帰りではモンスターに遭遇しなかった。
森を抜け、西門まで後10分の所で、レータビオ嬢がレイに聞いて来た。
「レイサリア様、少しよろしいでしょうか?」
「何でしょうか」
「他のメンバーも、もしかして……」
「ご想像にお任せするわ」
「……畏まりました」
「そういえば、ライ」
「何だ?」
今度は、ニルスが俺に聞いて来た。
「メンバーのアレ、テイムしたのか?」
「ああ、それは……」
「あ!」
「どうした、ジェシカ!」
「も、もしかして……」
「もしかして?」
「ジェシカ。ニルスにも言ったが、偶然に知ったのなら仕方ないが、知らないのなら知らない方が幸せだと思うぞ」
「わ、分かったわ」
「ジェシカ?」
「ニルス」
「何だ、ライ」
「冒険者の手の内は……」
「……そうだったな」
「分かってくれればそれで良い」
「済まなかったな」
「気にするな」
そんな会話をしていると西門に到着して、領主の娘レータビオ嬢が居るから、貴族用の門から入ったのだが、順番待ちが居ないから直ぐに街に入れた。
そして、西門から入ると馬車が1台停まっていたのだが、紋章入りだからレータビオ嬢の迎えだろう。
馬車の中からメイドが現れた。
「レータビオお嬢様、お待ちしておりました」
「それでは皆さん、此処で失礼させて頂きますわ。それにお父様に報告しなければならない事がございますから。レイサリア様」
「分かっています。冒険者ギルドで待っていますわ」
「畏まりました」
「ん?」
レータビオ嬢が、馬車に乗る為に俺達に背を向けたんだけど、歩き方が少し不自然だった。
「フラン」
「何、ライ」
俺は、フランに声を掛けて、来たフランに耳打ちすると、フランはレータビオ嬢に近付いて話し掛けた。
「レータビオ様、失礼します。回復魔法」
「……!? ありがとうございます!」
「早く帰って、ご報告してあげてください」
「はい!」
レータビオ嬢は、軽い足取りで馬車に乗り、侍女のリーセビアは、俺達に深く頭を下げた後、同じく乗って馬車は行った。
「やっぱり、回復魔法が有ると便利だよな」
「まあな」
「それじゃあ、冒険者ギルドに行くか」
「ああ」
俺達は、冒険者ギルドに行き、依頼成功の報告をして報酬を貰い、俺達の分である金貨4枚を頂いて、隣接する解体場に行き、フォレストウルフやフォレストモンキーの解体をお願いした。
因みに、薬草は、依頼完了の手続きが終わり次第、薬師ギルドに運ばれ、待機していた薬師に渡され調合され、完成次第、領主館に運ばれる手筈になっている。
ギルド内にある酒場で果実水で喉を潤わせながら待っていると、10分後に受付嬢から呼ばれて、それぞれのモンスターの素材代金を貰う。
当然、俺達側はオークを売っていない。
何故なら、家には腹を空かせた子猫達が待っているからな。
???side
「「!?」」
「どうしたの、ローラに、リリーシュ」
「いえ。何故か、凄い冤罪を受けた様な感覚が走ったわ」
「私もです」
ライside
モンスターの換金も終わり、レータビオ嬢の迎えが来るのをギルドの酒場で果実水を飲みながら待っていると、「時間潰しにどうぞ」と言わんばかりにテンプレが発生した。
「巫山戯んな!」
声の主は、受付嬢が対応した冒険者のようだ。
「こっちは、命懸けで狩ってきたんだぞ!」
「ではもう一度申し上げます。依頼はフォレストフォックス5匹の毛皮です」
「だから、持ってきただろうが、5匹分!」
「違います。依頼にはきちんと明記されていますが確認したのですか? 依頼書には外傷は1匹につき1ヶ所で10cm以内です」
「相手はモンスターだ! そんなの気にしていられるかよ!」
「……話にもなりませんね。今後、当ギルドでは、貴方達には、この類いの依頼を受理しない様に通知します。お疲れ様でした。この5匹も、まだ素材の換金には出来ますよ。まあ、これ程に傷めていましたら、払う代金はしれていますけどね」
「このアマぁ!」
「あ!」
「が!」
「な……ぐ!」
「ちょっと行ってくる」
馬鹿冒険者2人の内1人が、キレて受付嬢を殴ろうとした時、俺はニルスを抑え2枚の銅貨を指で弾いく。
弾いた2枚の銅貨は、見事に馬鹿冒険者2人の蟀谷にヒットした。
俺は銅貨2枚を洗浄してから拾い、馬鹿冒険者2人を冷めた目で見る受付嬢に話し掛けた。
「大丈夫か?」
「大丈夫です。ありがとうございます」
「それなら良いが。それで、どうする?」
そう言って、俺は馬鹿冒険者2人を指す。
「ギルドの方で教育します」
「それで良いのか?」
「知っていますか? 受付嬢への暴力は、結構厳しい罰則なんですよ」
「分かった」
「危ない所を、ありがとうございました」
「ああ」
俺は、レイ達の所に戻ると、キサラが言った。
「依頼書に書かれている事を理解していない阿呆がいるとは驚きなのじゃ」
「確かにな」
先程の馬鹿冒険者2人をネタにして、ニルス達と雑談していると、レータビオ嬢からの使いが来た。
馬車2台を使って俺達とニルス達は、領主館に到着して、大きめの応接室に通され待っていると、領主だろう男性と執事らしき男性とレータビオ嬢と侍女のリーセビアが入って来た。
厳しくも温かいメッセージを待っています!
そして、星の加点をお願いします。




