儂を誰だと思っておる!
ボーイ・ミーツ・ガール的に新キャラが登場!
倒れたチンピラ共3人を魔法で身動き出来ない様にして、序でに声を出せない様にしてから、俺達は夕食の続きを始めた。
夕食が済んでも雨が止まなかったから、全員を洗浄で綺麗にした後、結界を張り馬車の中で就寝した。
翌日、一晩中雨に打たれて肺炎を拗らせていたが、サクっと処理して現金と換金可能な物を剥ぎ取った後に穴を掘り、チンピラ共3人を放り込み焼却処分し埋めた。
……今回、周りに見物人が居たからゴーレムが使えなかった。
勿論、その見物人は俺達に対してドン引かれていたがどうでも良い事だ。
「クチュン……」
「誰だ?」
誰何すると、ちょっと大きい木の根元に不自然にカバーみたいに土が被っている所が崩れて、そこからボロボロの黒い外套を被っている子供が出て来た。
「ご、ごめんなさい」
「謝らなくて良いのよ。それより何故、あんな所に居たの?」
「逃げていたの」
「何から?」
「怖い人から」
「……そうか。とりあえず洗浄な。次にリン」
「はい、ライ様」
「リンの服を貸してやれないか?」
「分かりました」
「頼む。(序でに身体の何処かに奴隷紋が無いか見てくれ)」
「さあ、馬車の中に入りましょうね」
「う、うん」
着替えが終わって、朝食の準備をしている間に、リンからの報告は聞いたが、何処にも奴隷紋が無かったみたいだが、身体中に暴力に因る痣や怪我の痕が、かなり残っていたみたいだ。
その後は、その少女(リンから女の子だと報告を受けた)を交えて朝食を取り、出発の準備に取り掛かった。
そして、そんな様子を見ていた周りの連中は、集まって話し合いをしていた。
予定より少し遅れて出発したのだが、周りに居た奴らが俺達の後を付いて来た。
早めれば同じく早め、ゆっくり行けばゆっくりと付いて来る。
……寄生か!
しかも、レイ達に軽く後ろを見て貰ったら、後ろの奴らはニヤニヤしていたらしい。
ムカつく!
だから、聖人君子でもない俺は、一時停止して半径100m範囲内のモンスターを呼び寄せる魔法を放った。
魔力探知や気配察知を広げると、モンスターが結構集まって来ているな。
そして……
「モンスターだー!」
「儂達を守れー!」
因みに、俺達の馬車には結界を張ってあるから安全だ。
「何をしておる! さっさと儂を守らんか!」
俺達の馬車の直ぐ後ろに居た馬車から爺が、小窓から顔を出して言ってきた。
「何故、守らないといけないんだ?」
「巫山戯るな! 仕事をしろ!」
「巫山戯ていない。そもそも、何時、お前らを守る仕事の契約をしたんだ?」
「儂が認めてやったんだ! それで契約等、充分じゃ!」
「そんな契約が有る訳無いだろ、バーカ」
「貴様! 儂を誰だと思っておる!」
「知らねぇよ」
そんな事を言っている間に、残ったのは爺の馬車だけになり、それも時間の問題だった。
途中までは悪態を吐き、最後は「金を出すから助けてくれー!」と、命乞いをしながらモンスターの腹へと消えた。
当然、俺達の馬車にも向って来たが、全て瞬殺してゴーレム製造で出来た穴にゴーレムが全てのモンスターを放り込み、俺が焼却処分すると、ゴーレムを穴に戻して解除すれば穴は塞がれゴミ掃除が簡単に終わる。
奴らの馬車を洗浄で綺麗にした後に「箱」に仕舞い、リストを見ると違法薬物とかが混じっていた。
まあ、本人だと証明する書類も有るし、何とかなるだろう。
さて、今朝方に拾った少女は、馬車の中で色々と聞いたが、名前が「ミア」で物心付いた頃には大きな家で働いていたらしい。
そして、虐待や暴行が日常的に毎日有り、我慢出来なくて無我夢中で逃げて、町の門は適当な馬車に潜り込み、気付いたら寝ている間に門は突破していた。
森の中の街道に入ると馬車から飛び降りて彷徨って森のモンスターに気付かれてまた逃げたが追い詰められて、最後の時間稼ぎに両手を前に出したら、土の壁が発生して、木と土壁に挟まれて身動き出来なかったが、モンスターにも襲われなくなって、そのまま気が付けば寝ていたらしい。
話し終わると、疲れたのか再び寝た。
起こすのも悪いと思って、フランの膝枕で寝かす事にした。
マーザイクの町に午後3時頃に到着すると、門番に俺達が不利にならない事だけを報告して、後は門番達に丸投げした。
勿論、馬車とかの荷物も丸投げにしたが、流石に違法薬物が有った為に、取り調べを受けたが、俺とレイの公式の身分を明かすと釈放された。
まあ、芋づる式に町の領主との面会が付いていたけどな。
それなりの量だった為に、現金とか欲しい物とかは、明日の受け取りとなった。
俺達は衛兵に先導されて領主館に到着する。
馬車を預けて応接室で待っていると、中肉中背のオッサンと年配の執事と若い男性が入って来た。
因みに、まだ身体の大きさを変えられないサリアは馬車の横で不貞寝しているか、リン達に慰められているだろう。
リン、きちんとディアナ達を見ていてくれ。
「初めまして。この町の領主をしているマーザイク子爵だ」
「執事のマザンです」
「文官のロベールです」
「初めまして。星屑の眼のリーダーでCランク冒険者のライだ」
「キサラなのじゃ」
「同じく、レイよ。それと馬車に居るリンやガイに、ディアナやフランにエレナです」
お互いの自己紹介が終わると、執事のマザンが持っていた書類をマーザイク子爵に渡した。
「……なる程。確かに、あのクソ爺の筆記だな」
「確かに」
「それで、俺達の潔白は晴れたのか?」
「勿論だ」
「それじゃあ……とはいかないよな」
「うむ。出来れば歓迎させて欲しい」
「分かった」
「それでは、部屋を用意させてあるから、メイドに案内させる」
厳しくも温かいメッセージを待っています!
そして、星の加点をお願いします。
主人公は、前世でそれなりの苦渋な経験をしているから、ヤる時はヤります。




