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確かに不要だわ。

やっちゃいました!

 勝手に自滅した馬鹿を無視して、俺達は受付嬢のカウンターに辿り着いた。


「昨日、この都市に到着したのだが、何か注意事項等は有るか?」

「はい。大きな声では言えませんが、領主様のお孫様が元気過ぎる事でしょうか」

「……そうか」


 どっちにしろ、不可避だったかぁ。


「他には?」

「そうですね……」


 受付嬢の話では2つ有って1つ目の内容だが、3ヶ月後に、この都市でオークションが開かれる事で、その前後に沢山の人が来る。

 その為、争い事が増えるらしいから、3ヶ月後まで居るつもりなら注意が必要との事だ。


 ……古代の秘宝や、歴史の闇に埋もれた一品とか出るのだろうか?


「ライ?」

「キサラ、ちょっとだけオークションの為に、この都市に長居しよう」

「分かったのじゃ」

「良し! オークションなら、かなりのお金が必要だろうから、ガンガン稼ぐぞ!」

「おー、なのじゃ」


 ……と、盛り上がっていると、冒険者ギルドの奥から「平職員ひら」とは思えないオーラを出す大人な女性が現れた。

 彼女の名誉の為に言っておくが、ハリ○ッドとかの赤いカーペットが似合う美人だからな。


「何か、失礼な事を考えませんでしたか?」

「いいえ」


 何故、分かったー!?


「そうですか。それで確認なのですが、貴方は『ライ』様ですか?」

「はい。」

「ギルドカードをお願いします」

「ああ、分かった」


 俺は、ギルドカードを出すと、確認が終わると返された。


「確かにライ様ですね。実は、今後の期待を込めてギルド公認の最初の『二つ名』が決まりました」

「公認の二つ名?」

「はい」

「普通は、そういうのは自然と決まるものかと思うが? それに『最初』のとは?」

「はい。先ず、ギルド公認とは……」


 要するに、ギルド公認の二つ名に繋がる依頼は、優先的に廻すと言う事らしい。

 そして、この歳でギルド公認の二つ名が付くのなら、今後も二つ名が付くだろうと判断して「最初の」が言葉として出たみたいだ。


「そして、ギルド公認の二つ名ですが……」


 引っ張るなぁ。


「最初の二つ名は『盗賊殺ロバーズキラーし』です!」

「……ゴフっ!」

「大丈夫ですか、ライ様?」

「だ、大丈夫だ」


 まさか、本当に付くとはな。

 まあ、二重の意味で名誉だし、良いか!

 つまり、俺にとっては「盗賊」討伐に関しては優遇される訳か。

 それに、この都市に不利益を与え続けたガレフ大盗賊団を壊滅したしな。

 だから、「期待を込めて」なんだろう。


「それでは、ギルドカードをお願いします。

 今回までの功績で、ライ様は『Cランク』に昇級しましたから」

「Cランクには試験が有ると聞いたが?」

「はい。ライ様には不要ですね。なんせ、試験内容が盗賊の討伐が出来るか、なので」

「ああ……」


 確かに不要だわ。


「それとライ様、盗賊の討伐報酬の準備が整いましたのでお渡しします」


 そう言うと、彼女の後ろから袋を載せたトレイを持った受付嬢が現れた。

 少しトレイを持つ腕が震えているから、多分、ずっと待たされたのだろう。


「討伐報酬の白金貨43枚と大金貨3枚に金貨8枚です」

「凄い額だな」

「それだけ、あのガレフ大盗賊団には煮え湯を飲まされたという事です」


 俺は、討伐報酬の袋の中身を確認した後、マジックバッグに見せ掛けた鞄(箱)に仕舞う。


 因みに、どうやってガレフ大盗賊団を壊滅させたかというとだな、見せ場とか身も蓋もなく、雷撃弾ライトニングバレットを無詠唱で放ち、すれ違い様に即「箱」に入れるを繰り返し、大勢居ても雷撃弾ライトニングバレットの一斉掃射で、向こうの台詞せりふを無視して放った。

 アジトの古城でも同じ事を繰り返して終了。


 受付嬢の話に出た2つ目だが、この都市の近くにダンジョンが在るみたいで、このダンジョンで手に入る「魔石」は、それなりの額で売却出来るみたいだ。

 勿論、強いモンスターや希少なモンスターから手に入る「魔石」は、より高く買い取るとの事だ。

 それと、ダンジョンのモンスターは倒しても死骸しがいは残らず、魔石だけが残るらしい。


 サラから聞いてはいたけど、不思議だよな。


 そんな訳で、ダンジョン攻略に必要な物資を聞いて冒険者ギルドを後にした俺達は、必要な物資を買った後、宿屋に帰り明日からのダンジョン攻略に備えた。


 翌日、宿屋の精算を済ませ、早速、ダンジョンに向かった。

 ダンジョンへの道は整備されていて、分かり易い上に、ダンジョンの入口付近ではポーション等を売っていたり、仲間を募集している者達が居た。

 だから……


「君達!」

「俺達の事か?」

「ああ。流石に2人は危険だ。オレ達のパーティーに入らないか?」

「断る」

「……え!?」

「悪いが、俺は誰かの下に入る気は無い」

「そうか」

「済まないな」

「だが、ダンジョンは危ない所だ。助けが欲しい時は、いつでも声を掛けてくれ」

「ああ、分かった」


 こうして、ダンジョンに入るのだが、サラの言う通りで、中は不自然な程に明るかった。

 コレって、マジで居るかもな「ダンジョンマスター」が、な。

 しかも、日本人の転生者だったら笑えるな。


 そんな事を考えながら、1階層、2階層、3階層、4階層と次々と下に降りていった。

 異世界ラノベよろしく、最初は「ホーンラビット」とかだから、無視して進めた。

 そして、5階層の最奥に到着すると、派手な大きな扉があり、順番待ちしている冒険者達が居た。

 話を聞くとやはり順番待ちで、行こうと思えば全員でも行けるが、入る人数に反比例して、中のボスモンスターを倒した時の討伐報酬がショボくなるみたいだ。

 だから、パーティー単位での攻略が常識らしい。

 中には、経験を積ませる等の理由で大人数で入る事もあるらしい。


 話している間に、順番が2番目になり、教えてくれたパーティーが入って行った。

 これで、どちらかが勝つまで、大扉はどんな事をしても開かないとの事だ。


 10分後に、大扉が開いたから、次は俺達の番で、入ると、勝手に大扉は閉まり、閉まると、灯りか勝手に点き、そこそこ広い場所みたいだ。

 そして、奥にはボブゴブリン1匹とゴブリンが8匹居た。

 俺が無造作に10m先に進むと、戦闘開始を決めるラインを越えたみたいで、ボブゴブリンが奇声を上げると、8匹のゴブリンが襲って来た。


「はい、雷撃弾ライトニングバレット九連!」

「「「「「「「「「ギッ……」」」」」」」」」


厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点をお願いします。

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