オレはナルの事を……はっ!
必ずしも、転生者や転移者が主役を張るとは限りませんから。
「知らない天井だわ、な~んてね。
……まさか、3周目かしら?」
皆が同じ部屋の方が良いだろうと思って5人を同じ部屋にしたし、直ぐに助けに行かなかったから、次は直ぐに動ける様にと待機していたら、レナから楽しい台詞が聞けた。
とりあえず、レナは○ジ派か○ヲル派のどちらだろうか?
まさか、ト○ジ派で無い事を祈る。
「気が付いたか」
「ライ!」
「身体の具合はどうだ?」
「身体って言われても何処も怪我を……!?
ウソでしょう! 全部治っているわ!」
「……五月蝿い! 馬鹿レナ」
レナの声で目が覚めたナルは、枕をレナに向って投げたが、レナは枕を躱した。
すると……
「オレはナルの事を……はっ!」
「ラナイ、台詞の続きを要求する」
ラナイの台詞に即座に反応して、ラナイのベッドに馬乗りして、詰め寄るナル。
「皆、済まない!……ってアレ?」
「イレス、気が付いたか!」
ナルに左肩と右腕を両足で抑えられて、ラナイは唇の貞操をナルに奪われそうになっていたのだが、イレスが気が付いた事で、ラナイはイレスに助けて欲しそうに声を掛けた、が……
「イレス。私達に謝罪する気があるのなら、今の私と私のラナイに近付かないで」
「分かった」
「ちょっと待てー!」
「……近所迷惑だよ、皆」
「「「「ロナ!」」」」
この後は、お互いの謝罪と、生きている事への歓喜で全員が涙で凄い事になっていた。
ロナ達には、色々なお話し合いは明日にしようと、伝えて俺達は退室した。
後、ミカルに簡単なお使いをお願いした。
……その夜
俺達が居る部屋にノックの音が響く。
「どうぞ」
「……」
「ソファーに座って、レナ」
ロナ達に内緒でミカルに呼び出されたレナは警戒心MAXで俺を睨んだ。
「ええ……」
「何故、ロナ達全員ではなく、レナだけが呼び出されたか、分かるか?」
「……いいえ」
「なあ、とりあえず一発入れて良いか、ライ」
「……!」
ガイの発言した「一発」にレナは、部屋の陰から姿を現したガイを警戒する。
「良いよ、ガイ」
「なあ、レナ」
「何?」
「カツ丼、食うか?」
「アレ、現実だと違法よ! あ!」
「ライ警部補、被疑者は自白しました」
「良くやった、ガイ巡査部長」
「ガイ、ハメたわね!」
「今のは何?」
「単なる誘導尋問だよ、リン」
リンが部屋の影から姿を現した。
「結局、何がしたいの、ライ」
「どうやら、レナは俺やガイと同じ前世の国の生まれみたいだ」
「何処で分かったの?」
「転生者や転移者の前で『知らない天井』とか『3周目』とか言われたら、バレバレだよ」
「……それもそうね。それで私をどうするつもりなのかしら?」
「はい。この魔法誓約書を最初から最後まできちんと読んだら、サインな」
「……分かったわ」
「本当にきちんと最後まで読めよ」
「2回言わなくても分かっているわよ!」
「分かっているなら構わない」
「……って、何を項目に入れているのよ!」
「何が?」
「この『私レナを良く知る同性の友人や知人の前で、私レナが普段は言わない熱情を込めた言葉を使い、期間を定めて、ロナに愛の告白をする。期間内に愛の告白をしなかった場合は、ロナに夜這いをする。但し、夜這いする日を同性の友人や知人に報せる事』って、何? この怪文は!」
「あ、きちんと読んだんだ。この魔法誓約書は偽物だよ。本物はこっち」
俺は、偽の魔法誓約書をレナから取り上げると、一瞬で灰すら残さず燃やし尽くすと、本物の魔法誓約書をレナの前に出す。
本物の魔法誓約書には、普通に「俺達の許可無く、情報漏洩を禁止する」という内容だ。
「普通だわ」
「最後まで読んだらサインな」
「分かったわ」
そう言って、レナはきちんと最後まで読んで、納得したのか、自身の名前をサインした。
「それで、次は何?」
「あのダンジョンで絶望の中で何があったか知りたいか?」
「勿論よ。とりあえず私達を助けてくれてありがとう」
「まあ、簡単に言えば、あの後、気になって追い掛けたら、あの状況だったから助けた。
身体の損傷とかは第6位階魔法の完全回復で治した」
「……やっぱりね」
「それじゃあ、次はレナの番な」
「何を話せば良いかしら?」
「レナの前世と黒歴史」
「分かっ……危なかったわ!」
「惜しい」
「ライ様、時間が時間なので……」
「分かったよ、リン」
「はぁ。私の前世は神○川県出身で、両親は普通のサラリーマンで、私もOLをしていたわ。趣味は漫画、アニメ、ラノベよ。まあ、廻りには隠していたけどね」
「黒歴史は?」
「言わないわよ!」
「最後の方の記憶は、会社の新年会で周りにお酒を飲まされて、マンションに帰った所までは覚えているわ。
後、前世を完全に思い出したのは、10歳の時に大怪我した時よ」
「それで、弱かったのか」
「まあね。流石に農家生まれだから、昼間は畑仕事に、しかも女だから、夜は針仕事等をしていたから、自分の時間が無かったわ」
「農家も大変ね」
ガイやリンと同じ様に部屋の陰から出たレイは、真剣に気持ちを込めた同情する台詞を言った。
「それと、先程から、部屋の陰から出る演出を考えたのは誰かしら?」
「オレ。コ○ンや金○一とかで、あるだろ?」
「特に、金田○に多いよな。謎は全て解けた後の解答編で、台詞があるまで、正体不明のままのアレな」
「部屋に戻っても良いかしら?」
「ああ、いいよ」
「お休みなさい」
翌日、ロナ達にはレナと同じ魔法誓約書に名前を記入して貰い、第6位階魔法の完全回復で治した事を伝えた。
後、ロナ達は、あの「絶望」を乗り越え、冒険者を続ける事を決めた。
それなら……
「覚悟を決めたのなら、この書類に名前を記入して貰おうか」
厳しくも温かいメッセージを待っています!
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