メイド長の「アンリ」だ。
独立したしねぇ。
そんな訳で、我が領地に帰った俺達は先ずはトーヤにマサルの事等を教えてから、領主館に行き、問題が無いかを確認した。
次に、王宮から手紙が届いていて内容を確かめると「王宮に来い」と書かれていたからアデリナ達に王都に行くと伝えた後、領主でなければ決裁が出来ない書類を処理すると、ローラ達が居る屋敷に向かった。
「お帰りなさいませ、ライ様に皆様」
「ただいま。何か、問題が有った?」
「いいえ。特に問題はありませんでした」
「分かった」
この後、夕食を取り、ローラ達に5日後に王都に向かう事を話して風呂に入るのだが、湯衣着用の禁止を認めさせられた。
そして、雑誌の表紙を飾れる程の美少女達の饗宴は凄かったとだけ言っておこう。
なまじ、回復魔法なんて手段が有るだけに、彼女達の要求は激しかった。
因みに、アークレイド公爵家は、一夫一妻だったけど、この世界は一夫多妻制が普通な為に、夫人達との約束を守れば、男は比較的に女性関係は自由だったりする。
つまり、レイ公認の一夫多妻な訳だ。
レイも他の貴族家が一夫多妻が多いし、それが常識なので、ローラ達との関係は認めていたりする。
当然、約束を破れば……ブルッ!
昼間は、我がダンジョンの司令室に籠もりダンジョンのアレ専用階層の追加と、ボスモンスターとかの調整に精を出した。
この5日間で、レイ達やローラ達はお肌がツヤツヤになった。
ガイは、「ちっきしょー!」とか言いながら我がダンジョンで、破壊された俺の防具を作り直しに行った。
「ピィー!(お兄ちゃんのお嫁さんは、私が認めないとダメだからね!)」
5日後、ローラ達に見送られながら俺達は王都に向かったのだが、道中で邪魔が入った。
残念ながら臨時収入をくれる盗賊ではなく、ゴブリン8匹とオーガ3匹だった。
勿論、瞬殺してゴブリンは焼却処分して、オーガ3匹だけをマジックバッグに仕舞う。
……王都に到着して、冒険者ギルドでオーガ3匹の討伐報酬と素材買取金を受け取ると、我が屋敷に向かう。
我が屋敷の玄関に到着すると、執事のミカルが出迎えた。
「お帰りなさいませ、ライ様に皆様」
「ただいま。何か問題は?」
「特に問題はありません」
「分かった。王宮からの手紙が来ていた。
いつが良いかの手紙を書くから持って行って欲しい」
「畏まりました」
「ライ様、ミカル。引継ぎは全て完了しました」
「ああ」
「分かりました」
実は、今日までリアンベルさんから借りた執事達が補助と監修で陰ながら支えてくれていたけど、レンタル期間が終わって引継ぎが終了した。
因みに、ミカル達が優秀だったから、レンタル期間は短縮された。
今まで、陰ながら支えてくれたお礼にあの「果実」を1人1個あげた。
かなり、驚いていたな。
ちょっと、此処で紹介しておこう。
メイド長の「アンリ」だ。
勿論、人化スキル持ちのダンジョンモンスターで、戦闘力はBランクのアラクネだ。
「アンリ。これからは、彼らの補助は無い。学んだ事を活かして欲しい」
「イエス。マイロード」
あれから3日後に、王宮からの手紙が届いて、内容は「3日後に来る様に」だった。
この3日間は大人しくしていた。
まあ、夜は結界を張り、遮音の魔法を掛けて、レイ達と大運動会をしていた。
ガイは、転移で我がダンジョンの錬金鍛冶工房に行きマサルから貰った素材等を使って何か作るみたいだ。
後、マサルから聞いて実践したら、不壊魔鋼石も緋緋色金も、30kg全てを食べさせると我がダンジョンでも出せる様になった。
どうやら、マサルは最初から、そのつもりで出したみたいだ。
……もう3日も夜以外は大人しくして、翌日は、レイ達は留守番で俺とキサラだけで、王城に行くと文官の案内で、とある部署に近い応接室に通された。
待っていると、国王と宰相と文官か入ってきた。
ひと通りの挨拶が終わると本題になった。
「実はな、貴族共から苦情が来てな」
「正直に言えば、難癖の類いですね」
「どんな内容でしょうか?」
「既に、ライザック殿は正式な独立した貴族なのだから、何時までもアークレイド女公爵の家名を借りず、自身の家名を使うべきだと言ってくるのだ」
「確かに、難癖ですね」
「残念ながら無視する訳にもいかないのです」
「勿論、それ相応の代償を用意しよう」
「分かりました」
「済まない、ライザック殿」
「それで、どんな家名で、どんな貴族紋章にするのだ?」
「家名なら『クランフィリア』にします」
「クランフィリアか」
「はい。家名でアークレイドがダメなら、この家名しかありませんから」
「確かにそうですね」
「決まったな」
「はい。ではライザック殿の家名は……
『クランフィリア』としましょう」
まあ、これしかないよな!
「それでは、貴族紋章はどうしますか?」
これも、子爵になった時から考えていた。
「中央に落雷で、下半分の左側には刀を、右側には薙刀でお願いします」
紙と羽根ペンを出されたから描いてみた。
この刀も薙刀も、この国を建国した初代国王が遺したモノだ。
……やっぱり、建国した初代国王は、転生者か転移者だよな。
因みに、男爵家だろうが公爵家だろうが、貴族紋章は全て法律で決まっていて、王族御用達の商会が取り扱う色糸を使う事になっている。
男爵と公爵では、資金力に落差が出てしまい見苦しいからだ。
これで今日の呼び出しの用事は終わった事で、呼ばれた文官に案内されて王城を後にした。
馬車の中で、素材はシルクスパイダーで作った平民服に着替えると、俺は御者に先に帰る様に言った。
「さて、久しぶりの王都を満喫しますか」
「楽しみなのじゃ」
厳しくも温かいメッセージを待っています!
そして、星の加点をお願いします。




