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魔王ライザック様

昔のアニメでは、よく有った展開です。

 聖女side(回想)


 私達は、ようやく新しく出現した魔王が現れる場所の大まかな目星が付いたわ。

 そして、その場所は、あのアークレイド領だった為に、先々の事まで考えてアークレイド女公爵様に面会する事にしたわ。


 ……でも、まさか、その面会で、「勇者様」や「英雄様」に、そして、「魔王」にまで出会う事になるなんて!

 私の聖女としての「何か」が教えてくれて歓喜したけど、同時に、魔王から感じる重圧に押し潰されそうになったわ!

 あの後は、信頼するカロリーヌが誤魔化して何とかしてくれた。

 私は神殿に帰ると聖女権限で、徹底的な調査を命じたわ。

 そして、調査結果を纏めたカロリーヌからの報告で、私は絶望したわ!

 あの魔王は、上手く人族の社会に潜り込み、あの「雷翔姫サラ」の養子になり、今代の勇者様であるレイサリア様の幼馴染みを演じ、薄暗い連中を使い勇者レイサリア様を奴隷に堕とし、オークションで見事に自分の奴隷にし、アークレイド女公爵様を始め、周りを騙し婚約者にまでなった!


 更にあの魔王は、どうやって見付けたのか今代の「英雄」であるガイ様まで、手中に収めていたわ。

 もう慎重に行くなんて無理だわ!

 私の聖女としての権限を全て使い、私があの魔王を倒して、人族の希望である勇者レイサリア様と英雄ガイ様を助け出してみせるわ!


 そして、神殿が持つ戦力の7割を「討伐隊」として編成して、手紙で見事、魔王を討伐の場に誘き寄せる事に成功したわ。

 そして、あの邪悪な魔王は、勇者レイサリア様を奴隷にする事で慢心しているでしょうけど、残念だったわね。

 私には「切り札」があるわ!

 聖女と教皇しか使えない奴隷解除スレイブブレイクで、勇者レイサリア様に掛けられた「奴隷」という縛鎖から解放すれば……


 そして、きっと英雄ガイ様は、気付いているからこそ、魔王の仮初めの仲間になり、勇者レイサリア様を救出する機会を狙っている筈だわ。

 それなら、勇者レイサリア様を奴隷から解放すれぱ、英雄ガイ様も魔王との仮初めの仲間を演じる必要が無くなるから、そのまま魔王討伐に加わってくれる事でしょう。


 魔王も迂闊うかつでしたわね。

 周りを騙す為に、勇者レイサリア様や英雄ガイ様と仲間達を鍛えた事が仇になるなんてね。

 私の「奴隷解除スレイブブレイク」が、魔王の切り札である「奴隷」を打ち崩すわ!

 そして、英雄ガイ様に対しての人質となった勇者レイサリア様を救い出して、聖女である私も加わり邪悪な魔王を討つ!



 ……え、聖騎士達が全滅!?


 信頼するカロリーヌが、実はモンスターで私を騙していた!


 ……待って!

 魔王って、そうやって誕生するの!

 だから、神話や伝承には勇者や英雄が出て魔王を討伐して、物語には国の騎士等が魔王を討伐していたのね。

 ある意味、自然発生するのが魔王で、その魔王の限界を超えた存在が「覚醒魔王」と言うのね。


 ……はぁ、やっちゃったわ。


 神殿に帰ったら、各方面への謝罪行脚かぁ。



 ライside


 いや~。

 説得は無事に終わったよ。

 とりあえず、聖騎士遠征軍の表向きの理由を、俺の昇爵と婚約成立祝いと、聖騎士遠征軍の集団行軍等の場所を提供した事にした。

 かなり無理が有るが、これで押し通すしかないから仕方無い。


「魔王ライザック様」

「普通にライザックで良いよ」

「では、ライザック様。もう一度確認しますが、世界の破壊とかを考えてはいませんね?」

「全く考えてないな」

「分かりました。後、今回の事は、ライザック様、及び関係者の方々にご迷惑が掛からない様にいたします」

「当然ですね」

「リン!」

「聖女ルシア様」

「勇者レイサリア様。私の事はルシアで」

「私の事もレイサリアで」

「はい、レイサリア様」

「では、ルシア様。私は本当に『勇者』なのでしょうか?」

「はい。今代の聖女として申します。レイサリア様は今代の『勇者』です」

「それなら、オレも?」

「はい。ガイ様も今代の『英雄』です」

「ピィー!(お兄ちゃん、凄ーい!)」


 ……マジか!


 聖女が認定した以上は、レイが今代の勇者で、ガイが今代の英雄なんだな。

 そんな訳で、聖女ルシアの勘違いからの騒動の謝罪を受け、聖女との政治的な口裏合わせを終わらせ、レイとガイの「勇者」と「英雄」である事を判明した。

 後は、普通に聖女ルシアと聖騎士遠征軍を領主館で、もてなせば終了となる。


「「え!?」」


 ……ってちょっと待て!


 俺と聖女ルシアが同時に気付いた、この近付いて来るデカくて濃い魔力は何だ!?

 あの「悪夢ロード・オブ・魔皇ナイトメア」並みの魔力だぞ!

 大草原の地平から歩いているが、瞬間移動でもしているかの様に、どんどん近付いて来る上に重圧がどんどん重くなっていきやがる。


「邪魔するぞ」

「誰だ?」

「そうだな。先ずは自己紹介をしよう」


 し、シャレにならねぇ……

 今の俺じゃあ、奇跡10連発ぐらい起きないと勝てそうに無い。


「オレの名は『ディーン=イムベレジア』だ」

「……何しに来た?」

「ん? 挨拶だが?」

「そうか、分かった。俺はライで、キサラ、レイ、サリア、リン、クロ、ガイ、サナ、ディアナ、セレス、フラン、エレナに、聖女ルシアだ。後、アイツからは『シャナ』と呼んでも良いと言われた」


 穏便に済ませられる可能性に賭けて、彼女の名前を出して見た。

 まあ、「僕のパパは偉いんだぞ!」みたいで格好悪いけどな。


「そうか! アイツが、か! それなら、オレも許可しよう。オレをディーンと呼べ」

「分かった、ディーン」

「因みに、オレの昔の名前はイムベレジアだけだったが、数百年前に面白い奴に出会ってな、その時に言われたのが、この『ディーン』って名前だ。なんでも、そっくりだとよ」


 ……確かに、あの「ディーン」に異世界風民族衣装を来たらこんな感じだろうな。

 そして、ディーンも俺の顔を間近で見る。


「なる程な。アイツの……」

「……?」

「さて。知りたい事は知った。後は帰りの駄賃代わりに、少し遊んでいくか。ライ」

「何だ?」

「稽古を付けてやる」



厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点をお願いします。


イメージの参考にしたのは、「ディーン=リ○ガル」です。

作者の中で、最高の暗殺者と言えば彼ですね。

勿論、純粋な人間の中では、ですよ。


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