騙されたわ! 何処が楽しい場所よ!
アニメ的には、全13話の10話辺りかな。
全26話なら、20話辺りかな。
フランとエレナも加えての雑談をした後は、転移してフラン達を領主館に招待した。
「そういえば、伯爵位になったのよね」
「まあな」
翌日は、イシュトリア国の都市リザラルトに転移して、恒例の楽しいダンジョン周回をフラン達の為に始めた。
「騙されたわ! 何処が楽しい場所よ!」
「そうです!」
ジュセレが、妖精型や人型になった場合のメリットは「会話」が出来る事だ。
まあ、それなりに成長しないと無理だがな。
今回は、ある程度の下地と経験が有ったお陰で7日でダンジョン周回が終了した。
俺達は、アルファロードの領主館に転移で帰り、2日後に、イシュトリア国の八属性の精霊巡りを始めた。
先に、あの「果実」を食べさせたから効果覿面で、意欲的に廻る事が出来て転移を使い移動時間の時短が出来て6日で全て廻れた。
勿論、ダンジョンで手に入れた魔石は全てエレナに上げた。
フランは、ジュセレと魔石の関係が知らなかったみたいで驚いていたよ。
これで、基礎は出来たかな。
後、今回のダンジョン周回でフランに渡す武具も揃って、名前は「烈風」で色は「緑」系だ。
そして、覚醒魔王が来る可能性が有るから鍛錬を皆でしていると、リアンベルさんから手紙が届いたのだが、内容を簡単に分かり易く纏めると、「遊びに来なさい」という事だ。
まあ、断る理由が無いから行く事にした。
リアンベルさんの所に泊まり掛けで遊びに行って2日目に、来客が現れたみたいだ。
来客の応対をリアンベルさんがして、暫く経つと俺達は呼ばれた。
部屋の前に行き、ノックして許可を貰い入ると、ソファーには白基調の銀糸の飾り意匠が施された法衣を着た美少女と、その美少女の後ろに渋いオジサマ系騎士と若い騎士と神官系の若い女性が立っていた。
それと、そのソファーに座っている美少女が先程から顔色が悪くなっているけど大丈夫か?
「ライにレイに皆に紹介するわね。此方の方は当代の聖女様で、名前を『ルシア』と言うのよ」
「は、初めまして。と、当代の聖女の任に就いている聖女の『ルシア』です」
「初めまして。隣のアルファロードの領主の任に就いているライザック=フォン=アークレイド伯爵です。
此方は婚約者の『レイサリア=フォン=アークレイド』で、私、冒険者もしておりまして、冒険者仲間のキサラに、リンに、ガイに、ディアナに、フランに、エレナです」
「初めまして。レイサリア=フォン=アークレイドです」
「「「「「「初めまして」」」」」」
「聖女様。先程から顔色が悪くなっていますが、大丈夫ですか?」
「お気遣いありがとうございます。大丈夫ですのでご心配なく」
「そうですか」
「失礼します。どうやら、聖女様は旅の疲れが出たみたいですので、今日はお休みを頂きたいのですが、よろしいでしょうか?」
後ろに居た神官系の女性が言った。
「勿論です。お部屋を用意しておりますので、旅の疲れを癒やしてください」
「ありがとうございます」
そう言って、聖女様御一行は退室した。
それに合わせて俺達も少し時間を空けて退室したのだが、この時の出会いが、後の激動の日々の切っ掛けだったと後で知る事になる。
あれから2ヶ月が経ち、俺宛てに手紙が届いたのだが、送り主は2ヶ月前に会った聖女ルシアだった。
手紙の内容だが、改めてご挨拶したい、という事なのだが、何故か、場所がアルファロードに存在する大草原だった。
あまりにも、何も無いからモンスターさえも居ない場所だ。
しかも、歓迎会も不要だと書いていた。
とりあえず、2週間後の今日、指定された日に行き、待っていると、聖女御一行が来たのだが、御一行と言うよりも、聖女を旗頭にした聖騎士遠征軍だな。
……手紙には全く書いてないぞ、聖騎士遠征軍の事は一切書いて無いぞ!
そして、聖女を先頭にして、まるで進軍するかの様に聖騎士達が少しずつ横に広がっていく。
そして、大草原のアルファロードの都市寄りに居る俺達の前に、聖女ルシアに、あの時、聖女の後ろに居た渋いオジサマ系騎士と若い騎士と若い神官系の女性に、更に、その後ろに歴戦の猛者な聖騎士が20人と、その後ろに普通の聖騎士達が居る。
聖女ルシアが厳しい顔で言った。
「先ずは、奴隷紋を解除しますから、レイサリア様にリン様に、ディアナ様、前へ」
「聖女様、どういう事でしょうか?」
「大切で必要な事です」
「……分かりました」
そういえば、奴隷の解除は聖女か教皇しか出来なかったな。
しかし、何故、一地方の領主でしかも伯爵程度の俺の奴隷の解除が大切で必要な事になるんだ。
勿論、特にレイの奴隷解除は嬉しいが……
「聖女ルシアが願う。魂に刻まれし楔を解き放たれん事を……奴隷解除!」
バキン!
かなり激しい破壊音と共に、レイの奴隷紋が解除された。
同じ様に、リンとディアナの奴隷紋も解除されると、聖女の後ろに控えていた聖騎士達がレイ達を俺から引き離し、俺とキサラの周りを囲んだ。
そして、聖女は高らかに言った。
「さあ、これで忌まわしき奴隷という鎖は引き千切られました! 勇者レイサリア様に、英雄ガイ様に、その仲間達よ!
卑劣な魔王を討つのです!」
「「「「「「「「は!?」」」」」」」」
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