「「え!?」」
台詞、多いです。
「実は、私はシバァザードの貴族の出身で、このエレナは『ジュセレ』なのよ」
「え!?」
「驚くのは無理ないわよね。私自身も驚いているわ。最初は『妖精型』だったのよ」
「フラン、彼らに言っても分からないわよ」
「それもそうだったわね」
「いや、分かるわよ」
「「え!?」」
「だって、俺達全員がジュセレが居るし」
「「はい!?」」
「私のジュセレはサリアよ」
「ワン!」
「私のジュセレはクロと言います」
「ニャー!」
「オレのジュセレはサナだ」
「ピィー!(よろしくー!)」
「アタイのジュセレはセレス」
「コン!」
「「えーーー!!」」
「……ちょっと待って。俺達全員と言っていたけど、貴方のジュセレは?」
「眼の前に居るだろう?」
「眼の前……ま、まさか!?」
「俺のジュセレでキサラだ」
「よろしくなのじゃ」
「……う」
「フラン……フラーーーン!」
まあ普通は、貴族の子息令嬢は、家が没落等しない限りは冒険者はしないからなぁ。
「……は!」
気絶から復活したフランと色々と話したが、俺とレイがアークレイド公爵の者だと話したらまた気絶した。
一応、完全回復で失った血液も補完されている筈なんだが……
因みに、フランの本名は、フランリア=リータ=マリューラで伯爵令嬢で三女(16歳)だ。
召喚の儀の時は、手の平サイズの妖精型だったのだが、学園を卒業した後に、エレナが人型になり、シバァザードでは人型のジュセレは「ハズレ」扱いな為、周りから「騙したな!」で、婚約は破棄され、家からも勘当されたらしい。
それまでは、天才とか神童と言われていたらしいが、勘当されてからは、周りの豹変ぶりに絶望し冒険者になって生活をしていた。
更に言うと、エレナは妖精型から人型になったが、本気を出す時は、今の身長から少し縮んだ妖精になるらしくて、謂わば、今の姿は、キサラと同じで擬態と言える。
そして、フランもエレナも後衛型で、フランは全属性の魔法が使えるが、風魔法が得意な魔法使い系で、エレナはそれを補助するサポート型らしい。
だから、ダンジョンに行くときは、女性だけの冒険者パーティーに混ぜて貰っていた。
……と、いう訳だ。
「なる程な。それなら、俺達のパーティーに入らないか?」
「良いの? 勘当されたけど、伯爵家よ」
「いつから、伯爵は公爵よりも偉くなった?」
「それもそうね。申し出嬉しいわ。是非、仲間に入れて欲しい」
「ようこそ。星屑の眼へ」
「所で、私もライの奴隷にならないといけないのかしら?」
フランが、リンとディアナを見る。
「そんな必要は無いぞ。ただ、俺は、フランが思っている以上に秘密を抱えているから、この魔法誓約書に記入してくれ」
俺は、用意している魔法誓約書を渡すと、フランは上から下まできちんと確かめた上で自身の名前を記入して、俺に渡した。
俺は魔法誓約書をマジックバッグに仕舞う。
「中身が、普通の真面目な内容だったから、逆に驚いたわ」
中身は、普通に俺達の情報を無意味に流さない事等を書いてある。
早速、フランに幾つかの秘密をバラした。
レイが騙されて奴隷になり、俺が白金貨900枚でオークションで買った事、キサラのアダルトバージョンに、リン、ガイ、ディアナは、俺が完コピした召喚魔法陣で、ジュセレと出逢えた事を話した。
そして……
「さ、流石に、も、もう無いわよね?」
「フラン……」
「まだまだあるけど、今日の最後は……」
「今日!?」
「ちょっと目を閉じて」
「何をする気?」
「いいから、いいから」
「……分かったわ」
フランが目を閉じた瞬間に、ダンジョンでの俺達の居住区に転移した。
「ふ、フラン……」
「大丈夫、エレナ!」
「目を開けて良いぞ」
エレナの狼狽した声を聞いたフランが目を開けて周りを見ると、ダンジョンに居る筈が、何処かの屋敷に居た。
「此処は何処?」
「ダンジョン最下層の俺達の屋敷だ」
「「へ!?」」
「俺は、このダンジョンのダンジョンマスターだ」
「う~ん……」
「フラン!」
本日、何度目かの気絶をしたフランをレイとエレナで屋敷に運んだ。
フランside
「は! 此処は? 私はダンジョンに……」
「気が付いたのね、フラン」
「大丈夫よ、エレナ」
「お目覚めですか、フラン様」
「貴女は?」
「ライ様よりフラン様を見ている様にと指示を受けたメイドのゼラと申します」
「聞きたいのだけど良いかしら?」
「答えられる事でしたら」
「本当に、此処はダンジョンの最下層で、ライがダンジョンマスターなの?」
「はい。どちらの質問も肯定です」
「信じられないわ」
「事実です。では、フラン様が気が付かれたので、ライ様や他の皆様がお待ちしている部屋にご案内いたします」
「お願いするわ。それにしても作法や仕草は本物のメイドね」
「はい。私達は、アークレイド公爵家で研修を受けたので」
「つまり、最低限、アークレイド女公爵様も知っているという事になるのね」
「肯定です」
「……はあ。案内して」
「畏まりました」
ライside
お!
フランが来たみたいで、ノックが鳴り、入室の許可を出すと、ちょっと顔色が悪いフランと、澄まし顔のゼラが入って来た。
???side
「どうだった?」
「はい、イムベレジア様。どうやら擬態しておりますが、鬼人族みたいです」
「そうか!」
「どうされますか?」
「暫くは、監視だけに留めておけ」
「畏まりました」
メイドが退室すると、男は笑い出した。
「くははは! まさか、鬼人族だとはな!」
???side
「……見付けました、聖女様」
「大丈夫?」
「はい。魔王は、アークレイド公爵領かアルファロード領に、よく出現します」
「良く此処まで頑張りましたね」
「ありがとうございます、聖女様」
「後は、私に任せてお休みなさい」
「はい……」
ほとんど不眠不休で、良く頑張ってくれたお陰で、場所を特定する事が出来ました。
後は、聖女である私の出番です!
厳しくも温かいメッセージを待っています!
そして、星の加点をお願いします。




