ライさん、久しぶりです!
実は……
白金貨2桁買い物をまたやり遂げたレイを馬車に乗せた俺達は、領地のアルファロードに向かっていた。
因みに、レイが買っている物の8割は、今後の目標にすべき宝飾品や工芸品やお持ち帰りした料理等だから、ただ浪費をしている訳じゃなく、領地に帰るとアルファロードの店を廻り王都で買った宝飾品等を安く売りアドバイス等をしている。
まあ、赤字だがそれ程、気にしていない。
さて、伯爵位になって、またもや挨拶廻りに王都を東奔西走し、それが終わり領地に帰る事になった俺達は、カッポカッポと移動している。
そして、恒例になりつつあるアークレイド公爵領で3泊した後、半日後にアルファロードの領主館に到着した。
「「「「「「「「「お帰りなさいませ!!!」」」」」」」」」
「何か変わりはないか?」
「以前、募集されていたドワーフの方々の移住が増えてきました」
「それは良かった。あのダンジョンには鋼石等も採れるからな」
まあ、ダンジョンマスターである俺が、そうダンジョンに設定したからな。
しかも、支配領域の人口がもうチョイ増加すると、オリハルコンを採掘出来る様になる。
この辺りの設定とかは支配領域に何人居るとかで出来る内容が変わる。
「お帰り~、ライ君~」
「ただいま、サラ」
俺は親孝行する事になり、自動的に今日は解散となるのだが、サラの来た方向からは、サラが面倒を見ている獣人族の子供達が付いて来ている。
因みに、既に力関係はハッキリさせているから、主人と奴隷の関係とは別に俺が上だと獣人族は認識している。
「おかえり、なさい、らい、さま」
「ただいま、リーチェ」
頭を撫で撫でしている、この兎人族のリーチェは、かなりの虐待を受けていて最初は俺やサラにも懐かなかったが、最近になってやっとぎこちないが、話し掛けてくれるようになった。
獣人族の子供達が、サラが移動した原因が俺だと分かると解散した。
まあ、今日はもう使いモノにならないからな。
「また、ね、らい、さま」
「ああ。またな、リーチェ」
翌日
俺達はトーヤのダンジョンに居る。
勿論、預かっている転移の指輪でトーヤ達の居住区に移動した。
「トーヤ、久しぶりだな」
「ライさん、久しぶりです!」
「2人増えた?」
「はい。羊人族の「アリエ」と鬼人族の「レーシャ」です」
「初めまして~。トーヤ様の配下でアリエと申します~」
「初めましてだ。トーヤ様の配下でレーシャと言うだ」
此方の自己紹介が終わるとお互いの近況報告を始めた。
「……という訳で、それなりの人数が来る様になったので、以前と変わらないBPを稼いでいます。しかも、ほぼ高ランクの冒険者が来る事は無いので、気楽ですね」
「だからといって、ダンジョンの防衛力とトーヤの強化は疎かにするなよ」
「分かっています」
因みに、アリエが魔法使い系の後衛で、レーシャが戦士系の前衛だ。
レーシャが壁役で、ウルカが攻撃役で、アリエが魔法攻撃役で、サキが補助役か。
バランスが取れているな。
それと、トーヤは後衛の魔法使い系を目指しているらしい。
後は、回復や結界系が1人加われば、一先ず揃うな。
「俺達の方は……」
話が終わるとトーヤは言った。
「王都の闇ギルドを壊滅して伯爵ですか……」
「まあな」
この後、トーヤ達と模擬戦を色々なパターンで3時間程して、トーヤのダンジョンを後にした。
翌日は、ダンジョンマスターとしてダンジョンに入ってみたが、勿論、ダンジョンモンスターとエンカウントする事は無い様に指示を出して、各階層を冒険者目線で点検して廻る。
「きゃあああーーー!」
3階層を移動中に女性の悲鳴が聞こえた。
駆け付ける途中に、3人の冒険者とぶつかりそうになったが、無視して現場に到着すると、既に良くて虫の息の女性冒険者と少女が居た。
とりあえず、俺は倒れている女性に回復魔法を掛ける。
周りには、女性を襲ったと思われるモンスターが居たが、ガイ達が倒した。
倒れていた女性も、俺の回復魔法で命の心配は無くなった。
残った少女に説明を求めたが、返って来た返答が「答える事が出来ません」だった。
気長に回復を待つ気が失せた俺は、まだ安静が必要な女性に完全回復を掛けた。
「……ん」
「フラン!」
「気が付いた様だな」
「貴方達は? それに私は不意打ちで……」
フランと呼ばれた女性が落ち着いた所で、何が有ったのか聞いた。
話の内容は、フランは、Cランク冒険者で2人パーティーのフランがリーダーで、少女は妹の「エレナ」だ。
しつこい勧誘に根負けして男3人組のパーティーとダンジョンに来たが、悪い予感通りに人気が無くなると襲い掛かって来て、抵抗したフランは逆上した男に致命傷を負わされ、その時の争いでモンスターが来て、男3人は逃げ出した所までは覚えている、との事だ。
「……ちょっと待て」
「どうした、ライ」
「ガイ、不思議に思わないか?」
「何が?」
「2人は姉妹なのに、何故、エレナは姉の事を名前で呼んだんだ? 別に珍しくないと言えば珍しくないがな」
「そういえば、そうだな」
「フラン……」
「他言無用でお願いしたいけど良いかしら?」
「他言無用と言われた事を、誰かに話す程、俺達は薄くもないし、安くもないぜ」
レイ達全員が頷く。
「ライ達を信じるわ。実は……」
厳しくも温かいメッセージを待っています!
そして、星の加点をお願いします。




