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先程の者は?

便乗は良くないと思う。

 行きは兎に角、急ぐ必要が有ったからかなり飛ばしたが、帰りは急ぐ必要が無いから移動速度はゆっくりになった。


 ……そしてイベントが発生した。


「きゃあああーーー!」


 しかも、手垢テンプレだらけの女性の悲鳴だ。

 まあ、だからと言って無視する気は無いから、行くけどな。


 到着すると、フォレストウルフ8匹に囲まれた馬車の構図で、悲鳴を上げたのはメイドだろうし、倒れている男性が左手で首を押さえているが周りが血に染まっている。

 悲鳴の原因はコレだな。

 何とか意識を保ち、右手に持つ剣で牽制しているが、長くは保たないだろう。


「助けは要るか?」

「頼む」

「キサラ」

「のじゃ」


 10秒も掛からずにフォレストウルフ8匹は、全てキサラに首を斬り落とされた。

 俺は、キサラに洗浄クリーンを掛けて綺麗にした後、フォレストウルフ8匹をマジックバッグに仕舞うと、俺達は馬車に近付く。


「待て。それ以上は近付くな」


 ああ。そういう事か。

 助けられたが、向こうにとっては、味方である保障は全く無いからな。


「分かった」


 俺達は、馬車との距離が10mの所で止まって自己紹介をした。


 すると、馬車から貴族のドレスを来た美少女が降りてきた。


「申し訳ありませんが少し待って頂けますか?」

「どうぞ」

「ありがとうございます。先ずは、フィガラの治療をします。回復魔法ヒール。どうですか?」

「……ありがとうございます。マイアセルお嬢様」

「良かった。……お待たせしました。」 

「構わない」

「ありがとうございます。私は命の恩人である貴方達を信じます。

 ですから近くに来て頂けますか?」

「分かった」


 俺達は馬車に近付くと、向こうの1番良い武装の男性が咳をした。

 つまり「止まれ」だな。

 俺達が止まると、馬車から出た美少女が貴族式の挨拶カーテシーをして自己紹介を始めた。


「初めまして。私はシバァザード王国のブラガンサル伯爵が三女のマイアセル=ファロ=ブラガンサルです」

「今回のマイアセルお嬢様の護衛隊長に任命されたグアルだ」

「マイアセルお嬢様の専属侍女のアモラです」

「マイアセルお嬢様の護衛副隊長のフィラよ」


 後は、平護衛の「ドイス」、「セアナ」だ。

 しかし、ブラガンサルという家名は何処かで聞いた事があるんだが、何処で聞いたかなぁ?

 悩んでいると、俺の背後から何かが飛んで来た。

 俺への殺気ではないが、俺はその殺気に触れている事から、その「何か」を魔力を覆わせ手で掴むと、茶色の液体が滴り落ちる短剣だった。

 どうせ、この茶色の液体は毒だろう。

 つまり、突発的な殺意ではなく、仕事プロとしての殺気だという事だ。

 だから、掴むのと同時に雷撃弾ライトニングバレットを両肩と両膝に放った。

 まあ、把握出来る範囲内だったから、見ずに正確に雷撃弾ライトニングバレットを放てたんだけどな。


「がっ……」

「ちょっと失礼します」

「は、はい」


 断りを入れてから後ろの殺気を放った者の所に行くと、黒ずくめの野郎が激痛に悶えていた。


「ぐぅ……」

「誰だ?」

「……」

「闇ギルドか」


 あ、僅かに眉が動いた。


「もういい、死ね」

「が……」


 俺は、居合で襲撃者の首を斬った後、首は残して身体は焼却した。


「待たせた」

「先程の者は?」

「闇ギルドの者だ」

「!?」

「証拠としてのコレは、そちらに任せる」


 そう言って首をグアルの方に置く。


「頂こう」


 グアルは、証拠くびを平護衛に渡す。


「……さて、話を進めたいと思うのですが、お礼の言葉を言って終わりにする訳にはいきません。

 是非、私の屋敷で改めてお礼をしたいと思いますが、お時間や予定等は大丈夫でしょうか?」

「レイはどう思う?」

「行くしかないよ」

「そうだよな」

「それでは?」

「ああ、一緒に行こう」

「ありがとうございます」


 ガラガラと、俺達は馬車で王都に向かい到着すると、彼女の関係者扱いで、俺達と馬車は「視認」だけで終わり入れた。

 彼女の馬車に付いて行くと、到着したのは貴族街でも立派な部類に入る屋敷だった。


 応接室に通されると、20分程で、入って来た当主……違った。

 多分、夫人だ。

 その夫人とマリアセルと護衛隊長グアルと副隊長フィラが入って来た。


「当主は仕事の為に、こちらに来る事が難しい為、私が対応する事になりました。

 名前は『プリシア=ファロ=ブラガンサル』で、第2夫人です」

「Cランク冒険者の星屑スターダストアイズのリーダーのライだ。メンバーのキサラ、レイ、リン、ガイ、ディアナだ」


 因みに、俺とレイがソファーに座り、キサラ達はサリア達と一緒にソファーの後ろに居る。


「先ずはお礼を言わせて頂くわ。娘の命の恩人に感謝するわ」

「偶然だよ」

「偶然でも、娘の命の恩人には変わりないわ。

 だから、母親として、またブラガンサルの者としてきちんとお礼をしないといけないわ」

「分かった」


 俺が答えると、グアルが小袋を俺の前に置く。


「白金貨6枚入っているわ」

「ありがたく頂戴する……どうした?」

「貴方の名前を何処かで聞いた事がある気がするのよ。しかも最近で」


 只の冒険者で終わって欲しいけど無理かな?


「……思い出したわ!」

「お母様、何を思い出したのですか?」

「ライザック=フォン=アークレイド子爵」

「子爵……」

「そうよ! 数日前にお披露目会をした新しく子爵に叙爵なされた!」

「え!? つまり……」

「はい。私はライザック=フォン=アークレイド子爵です」

「これは失礼しました!」

「気にする事はないよ。今は、冒険者ライで行動している」

「は、はい」



厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点をお願いします。

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