そういう事か
異世界ファンタジーなので、正しい発音ではなくても似た言葉(発音)と言う事で……
俺達は、受付嬢が見える所で待っていると、若い声で話し掛けて来た。
「君達は、2人だけのパーティーかい?」
「ああ」
「もし、良かったら僕達のパーティーに入らないか?」
見ると、俺と同年代ぐらいに見える外見の男3人と女1人のパーティーだ。
内訳は、前衛系1人に後衛系2人に、斥候系1人みたいだな。
……なる程。
キサラの外見は派手だが、一応は前衛系と思える外見だから、前衛系が足りないこのパーティーには前衛系が欲しい所だろう。
「悪いが、俺達は誰かのパーティーに入るつもりは無い」
「そうか。残念だよ」
「悪いな」
「別に謝らなくて良いよ」
「そうか。俺は支援術師ライで、相棒の拳法使いのキサラだ」
「キサラなのじゃ」
「僕は剣士のロナ」
「魔法使いのナル」
「私は僧侶のレナよ」
「オレは狩人のラナイだ」
若い冒険者同士の爽やかな自己紹介をしていると、邪魔する奴らが出た。
「はん! 支援術師~」
「胡散臭えな」
「なあ、そんな使えないガキを見限ってオレ達のパーティーに入らねえか?」
「歓迎するぜ」
「断る」
キサラなら、そう答えるよな。
「あん?」
「何だと?」
「貴様らの様な愚者にライの強さを計れないのは仕方無い。だからと言って、妾がライを見限る事は未来永劫無いのじゃ」
「……良いだろう。練武場に来い!」
「その強さやらを見せて貰おうじゃないか」
「ライよ、良いな?」
「ああ」
「受付嬢、1人来い!」
こうして、俺達は練武場に行く事になった。
「ライ、大丈夫かい?」
「ああ。心配は要らない」
「それなら良いんだけど」
「もし、怪我をしたら私が格安で治してあげるから」
へぇ~。回復魔法が使えるのか、優秀だな。
「大丈夫だ」
「分かったよ」
「だが、結構強いぜ、あいつら」
「勝てるさ」
「大した自信だな」
「事実だからな」
「まあ、向こうに攻撃魔法を使う奴は居ないのがせめてもの救いだね」
良い奴らだな。
「情報、ありがとうな」
「どういたしまして」
ロナ達は、俺達が心配みたいで付いて来た。
そして、駆り出された受付嬢が模擬戦のルール説明をして、お互いの準備が終わる。
「お互いに準備は良いですね? ……始め!」
「おらぁ!」
「速度上昇!」
「何!?」
「筋力上昇!」
「がぁ!」
「このぅ……」
「反応速度上昇!」
「何ぃ!?」
「これならどうだ!」
「耐久力上昇!」
「オレの一撃を片手で受けただとぅ!」
「キサラ、腹パン」
「分かったのじゃ」
「がっ……」
「げぇ……」
「ぎぃ……」
「ぐぅ……」
はい、終わり。
「勝者ライとキサラ!」
「「「「やったー!」」」」
ロナ達は、素直に喜んでいた。
「凄いよ!」
「圧勝ね」
「楽勝だったね」
「心配するまでも無かったな」
一方、邪魔した奴らは……
「「「「……」」」」
練武場に蹲りながら俺を睨んでいた。
「ライ様、査定が終了しました」
「分かった」
受付嬢が練武場に教えに来た。
俺達は、受付嬢が待つカウンターに行く。
「ライ様、査定が終了しました。素材は全て売却でよろしいですか?」
「ああ」
「その場合ですと、合計で大銀貨9枚です」
「分かった」
「では、代金の大銀貨9枚です」
俺は、マジックバッグに見せ掛けた鞄に入れる振りをして「箱」に仕舞った。
その日の宿屋で夕食を終わらすと、昼間に邪魔した奴らの1人が俺達の前に現れると、俺達が居るテーブルに見覚えのある剣が置かれた。
「……これは!」
「ああ、あのガキの剣だ」
「そういう事か」
「分かったなら、付いて来い」
「ああ」
奴らの1人に付いて行くと裏路地に入り暫く移動すると、開けた場所に出た。
そこには、それなりの暴力を受けたロナ達が居て、奴らがニヤニヤと笑っていた。
それに、外野も居た。
そいつ等もニヤニヤと笑っている。
「キサラ」
「分かったのじゃ」
一瞬で移動したキサラは、ロナ達を拘束していた奴らの首を刈った後、ロナ達を拘束していた縄を切った。
そして、俺はロナ達に回復魔法を掛ける。
「それは第2位階魔法の『回復』!」
僧侶のレナが驚いていた。
「第1位階魔法の支援魔法だけでも凄いのに第2位階魔法の回復まで使うなんて……」
さて、心理的な「枷」は消えた。
次は……
「雷矢!」
「「「「え!?」」」」
俺は残った「その他大勢」に対して、全員の身体に数カ所ずつ雷矢を放つ。
「「「「なっ!?」」」」
そして、俺は語る。
「眩し過ぎる『光』は、それ以外を覆い見えなくする」
次に、キサラが語る。
「妾は、ライを見えなくする為の虚光でしかないのじゃ」
「聞いたな? じゃあ、死ね」
1分後には、風魔法を使いゴミと化した邪魔した奴らと、その他大勢を集めると、剥ぎ取りが終わった後、俺は放った。
「青炎葬!」
小さな青い炎が、集めたゴミに当たると一瞬で燃え広がり数10秒でチリと化した。
因みに、コレも俺のオリジナルで、第5位階魔法になる。
因みに、死体等の元生物専用だったりする。
「ライ……」
「迷惑掛けて済まない。出来れば、この事は黙っていて欲しい。代わりと言ってはなんだが、ロナ達に新しい武器を提供するよ」
「ライ! 別に僕は……」
「受け取れ、ロナ」
「ラナイ!」
「これは口止め料でもあるんだ」
分かっている奴も居るんだな。
「……分かったよ」
「ナルもレナも良いな?」
「ええ」
「分かったわ」
「ありがとう。早速、明日の9時で冒険者ギルド前で良いか?」
「「「「ああ」」」」
翌日
俺達は、ロナ達が利用している武器屋に行き、新しい武器を買った。
ロナ達は、最後まで何も聞いて来なかった。
まあ、ロナ達は良い奴らだ。
だから、死んで欲しくない気持ちもあった。
良い武器は、それだけで生存率を上げる。
ロナ達と別れた後、この街を出る事にした。
どうせ、王都に行くぐらいしか今は目的が無いんだから、別に問題無いだろう。
キサラに聞けば「妾の行き先は、ライの進む道なのじゃ」と答えた。
「相棒、これからもよろしくな」
「当たり前なのじゃ!」
厳しくも温かいメッセージを待っています!
そして、星の加点をお願いします。




