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眩い光の先に見えたのは高い天井とゴージャスなシャンデリアと、そのゴージャスさに不似合いなオルゴールメリー。



「ばぶ……。」



転生したの?っと声を出そうとしたが、何故かうまく声が出ない。



「ふぇ?」



口の中にあるはずの歯が……ない?舌触り。


手足がバタバタするだけで頭すら上げられない身体。


この頭上のオルゴールメリーは赤ん坊に使われる物。



「ばぶばぶばぶー!!!(赤ちゃんからなの?!)」



新しい世界に転生すると言われ、ゲームの設定と同じ年齢に転生するかと思いきや…、まさか赤ん坊からだったとは。

詩織改めクリスタ=ラフォレーゼは思わず愕然としてしまった。



「お母様!クリスタが起きました!!」



真横から急に大きな声が聞こえ、驚いたクリスタの身体がビクッと震える。そして、目から涙が溢れた。



「ふぇ…ん。ふぇぇえん!」


「あ、ごめん!びっくりさせるつもりはなくて…。」



何故か突き上げてくる泣きたい衝動のまま声を上げて泣き出すと、先程の大きな声の持ち主は困ったようにクリスタの頭に手を伸ばす…、がその手は届かない。クリスタは柵で囲まれたベビーベッドに寝かされているらしく、大きな声の持ち主の背と腕の長さでは届かないようだ。



「お母様!お母様ーっ!!」


「ふふ、騒いでは駄目よ。」



泣きじゃくるクリスタを優しく抱き上げたのは、当然と言えば当然だが詩織の母ではないく、サラサラとした金の髪の優しげな美女だった。



「お兄様の声にびっくりしてしまったのね?お兄様はクリスタが可愛くてしょうがないの。」



クリスタを抱えた美女がソファに座ると、美女と共にまだ幼い少年がクリスタの顔を覗き込んでいる。

その幼いが、美しい顔立ちをした少年の顔に見覚えがあるような気がするが、わからない。



「驚かせてごめん。」



大きな声の主はクリスタの兄、金の髪の美女は母らしい。



「ばぶ?」



クリスタの兄……、クリスタの中の詩織の魂の記憶の中の『オレ攻め』の情報を思い起こすと、兄の情報が確かにあった。



「ばーぶ!!(リアルマシュー!!)」



彼の名前はマシュー=リッチフォース。

いや、今はまだマシュー=ラフォレーゼだった。

いずれリッチフォース家に養子となる実兄で『オレ攻め』の攻略対象者の1人だ。

転生して早速攻略対象者に出会えた事に興奮し、泣いていた事も忘れてマシューに手を伸ばすが首も座らない赤ん坊の手では届かない。



「クリスタもお兄様が好きなのね?マシュー、隣にお座りなさい。」


「はい。」



母親に隣へと促されて座ったマシューの膝に置き、クリスタの首の後ろにマシューの腕を回す。まだ小さなマシューでは見ていてぎこちないが、兄が産まれたばかりの妹を確かに抱っこしている。



「ばぶばぶっ!!」



設定ではクリスタよりも3歳年上のマシューはゲームの中では18歳だった。麗しい美青年だったマシューの幼児姿は尊い!としか言いようがない。



「笑った!お母様、クリスタが笑いました!!」



マシューの尊さにニヤけたと言った方が正しいのだが、まぁ良いだろう。


母親とマシューに構われ、再び眠ってしまうまでクリスタはご機嫌に笑っていた。

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