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「ヤンデレメーカーって何だ?」


「ヤンデレとは相手を愛し過ぎて病んでしまう事だよ。クリスタはそのヤンデレを量産してしまう性質だね。」


ベンヴェヌードの質問に光の精霊が答えた。


「あぁっ!マシューやヴァレリーみたいな奴を言うんだな!!わかった!!確かにクリスタはヤンデレメーカーだ!!」


ヤンデレメーカー……クリスタには不本意な呼び名を、ベンヴェヌードがマシューやヴァレリーで納得したのが納得出来ない。


「私はヤンデレメーカーなどではないわ!お兄様やヴァレリーだって………。」

「ベンヴェヌード、私は、貴方だけには…。」


お兄様やヴァレリーだってヤンデレではない!!と叫ぼうとしたクリスタの後方から、そのヴァレリーの声がした……が、誰もいない。


クリスタ達の後方は切り立った崖のはずだ。

どうやって登ったかはわからないが、ベンヴェヌードは頂上まであっさり登ってきたが、普通の人間には魔法を使ってもまず無理だろう。


「負…けま、せん!!」


崖っぷちからガッと音を立てて現れたボロボロのヴァレリーの手。


「クリスタ様を御守りするのは!この私です!!」


鬼の形相で登山……ロッククライミングをしてきただろうヴァレリーの体は傷だらけで、頭からも血が流れている。


「なっ?ヤンデレだろ?マシューだって相当だぞ。」


「ヴァレリー!!」


がっはっはっと笑うベンヴェヌードを横目に、クリスタはボロボロのヴァレリーの元へと走り寄った。


治癒(キュア)。それから洗浄(ウォッシュ)。」


クリスタの魔法がヴァレリーの傷を癒やし、汚れを落としていく。


「クリスタ様…、ありがとうございます。」


「ヴァレリーもオレみたいにアレ使ってくれば良かったのに。」


崖を自力で登ってきたヴァレリーとは違い、ベンヴェヌードは何かを使って登ってきたようだ。


「木に括り付けたゴムで飛べる人間などベンヴェヌードしかいません。あなたと一緒にしないで下さい。」


ベンヴェヌードはこの山頂まで、先程クリスタが風に乗ってアクアドール上空でふわふわ浮いていた時に使ったゴムを使って飛んできたらしい。


「そうか?マシューなら出来るぞ。」


「私のお兄様はベンヴェヌードみたいに人間離れした事はしないわ。」


クリスタにとってのマシューは、少々腹黒いが麗しくやさしい穏やかで上品な兄だ。


しかし、ベンヴェヌードにとってはそうではない。


「………。」


マシューならやる。

そう言いたいが、ベンヴェヌードの勘が言っちゃ駄目だと言っている。


「ほら。お兄様はそんな事しないし、ヤンデレでもないでしょ?」


少しばかりシスコン気味なだけ。


ベンヴェヌード他にとってのマシューは、過剰なシスコンでかなり腹黒く麗しいが厳しく激しい荒々しいヤンデレなのである。

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