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クリスタの洗礼を行なったこの地は、風の精霊に愛されている土地として自然も資源も豊かで有名な、祖父母の領土だ。
祖父の力と祖母の知識と手腕で統治されているこのラフォレーゼ領は、常に爽やかな風が吹いているからか、空を飛ぶ生物が生息している。
蝶や鳥はもちろん。
ペガサスや飛竜などはこのラフォレーゼ領にしかいない。
昔はペガサスや飛竜を狙う密猟者も多かったらしいが、ペガサスや飛竜の放つ僅かな悲鳴を風が祖父まで届け、祖父を密猟者の所まで飛ばし一網打尽にしてきたらしい。その為現在は密猟しようなどと言う無謀な者はいなくなった。
犯罪者からは、ラフォレーゼ領外でも風の吹く所に銀の鬼神あり。空を舞う動物には手を出すな!清らかな風の吹くラフォレーゼ領は魔物すら避けて通る。と言われているほどだ。
「あっ、お祖父様。」
マシューの声に空を見上げると、鳥達の異変に気付いたらしい祖父が銀の髪を靡かせ風に乗って空を飛んでいる。
「オレの母様、あの姿を見て銀の髪に一目惚れしたんだぜ!銀の髪がキラキラ光ってカッコイイよな!!」
ベンヴェヌードの言葉通り、空を翔ける祖父は確かに格好良い。それが若い頃となったら尚更だろう。
風に乗って空を行く祖父はクリスタ達を通り越し、そのままクリスタ達の後方の森へと降りて行った。
ドッゴォォォン!!!
祖父が降りた先から爆音が聞こえたかと思うと、暴風が巻き上がった。
その暴風は木や草を舞い上げ、鳥や動物達を吹き飛ばす。
宙を舞う動植物達を、風が優しく包み込んで地面に降ろす辺りは流石だと思う。
ドォォォオオン!!!
2度目の爆音だ。
その爆音で舞い上がったのは土埃……と、人?
何人いるのだろうか?
先程の動植物のように吹き飛んだ人間達も風が優しく包み込む。
「1人落ちてくる!」
マシューの声に落ちて来る人間を探すと、クリスタ達に向かって子供が落ちてきている。
マシューやブルーノと同じ年頃だろうか。
「あのままのスピードで落ちたら大怪我じゃ済まされないぞ。」
慌ててクリスタを見るブルーノに、クリスタはコクリと頷いた。
「ブロウアップ・ヴァン!!」
吹き上がる風が子供の落下するスピードを緩やかにしていく。
そのまま柔らかく押し上げて、ゆっくりと高度を下げるクリスタの魔法を操る能力は素晴らしい。
ゆっくり、ゆっくり、そして優しく地面へと降ろす。
慣れない魔法操作でたくさんの魔力を使ったクリスタは落ちてきた人物が無事な事を確認すると、その場に座り込んでしまった。
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