テレビを治すにはどうすればいいのじゃ?
テレビが壊れたらどうすればいいか。選択肢 一 電気屋に修理を依頼する 二 叩けば治る
「そんなの決まっておるじゃろうが。叩けば治る! 古今東西のテレビは全てこうやって息を吹き返してきたという歴史がある!」
自信満々に答えを口にして、早速美少女は実践してみる。
長袖を捲り、全身の氣を手に集中させカッと目を見開くと。
「いざ! 伊集院流 テレビチョップじゃああああああッ」
バキィッ!
完璧に命中する手刀は薄型テレビに命中した途端に大きく腫れ上がる。
涙目になりながらもフッと気障な笑みを浮かべ。
「私の手をこんなにするとは、このテレビは中々の強者のようじゃ。
じゃが、これで貴様の抵抗も無に終わるのだ。何故なら私が治したのじゃからの!
フハハハハハハハハハハハハハ!」
口を豪快に開けて高笑いし、テレビのリモコンを押す。
だが映像は映らない。
二回、三回。
だが幾度スイッチを押してもテレビは何の反応も示さない。
「壊したの?」
布団の中から呟く一郎。
麗華は無言だ。
「そんなはずはない。私のテレビチョップはいかなるテレビも修復しておる。これは悪い夢なのじゃ! そうじゃ、そうに決まっているのじゃ!」
「……現実を見つめなよ」
「ええい! 君にだけは言われたくはないわ! 今に見ておれ、必ずこのテレビは蘇る!」
一〇分後。
「ダメじゃん」
「おのれ、こんな不良品などいらぬーッ!」
セーラー服の袖から明らかに収納できるはずのない巨大ハンマーを取り出し、怒りに任せて一撃。当然の結果としてテレビは跡形もなく粉砕された。
「ハァハァ……どうだ、参ったであろう。私の怪力の前ではテレビなどこんなもの――」
「ママにバレたら大変だよ。どうするの?」
「……この失態は君を学校生活に復帰させることでチャラにしてもらうのじゃ!」