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009 ゴーレム復活

 翌日。牧場仕事と畑仕事をこなした後、いよいよゴーレムの修理を始める。

まずは783号から。

燃料石を入れれば稼働するはずだが、ここで俺は一計を案じる。

牧場仕事に武器はいらないので固定武装を全撤去することにしたのだ。

右腕部に装備されていた光学兵器らしきものを外す。

目につく固定武装はそれだけ。おそらくオプションで外部兵装があるのだろう。

あとは力の抑制(セーブ)。命令してソフトウェア的な制限をかけるより、変更不可能な状態で根本的に抑制した方が安心だろう。

俺は制御装置である魔宝石の解析を試みる。

生産の極で魔道具作成や錬金術も極めているはず。

さらにシステムコンソールのサポートがある。

魔宝石は文字通り宝石に制御魔術式を書き込んだものだ。

ここまでは魔道具作成の範疇だ。


 そのソフトウェアともいえる制御魔術式がシステムコンソールから入手できた。

しかし、大賢者のJOBにも未知の魔術式でした。

俺が神様からもらったスキルは異世界言語と異種言語。

それがレベルアップして古代帝国語を理解出来るようになった。

しかし、これに魔術式の言語である魔術言語は含まれていない。

魔導の極と生産の極でカンストしたスキルに魔術言語が含まれているが、古代(・・)魔術言語は含まれていない。

これはその古代魔術言語だった。

構文を知らない言語でプログラミングは出来ない。

お手上げかと思ったのだが、ふと隣に安置されている230号が目に入った。

ゴーレムとしての基本設計は同じだが、明らかに非力な別用途の機体だ。

これはシステムコンソールが備品倉庫への案内を頼むような軽作業用機体なのだ。

武装も無いしね。


「もしかして……。230号の制御魔術式はあるか?」


 俺はシステムコンソールに問いかけた。

即座に提出された魔術式を見て俺は喝さいを送った。


「やったぞ!」


 その魔術式はモジュール化されていて783号と共通部分があった。

おそらく、この部分が基本制御モジュールだ。

783号の魔術式は230号の魔術式にオプション的にモジュールが追加されている。

つまり、これが783号と230号の仕事の差なのだろう。

となると基本制御モジュールの差異部分は、出力制御のパラメータの可能性がある。

俺は783号の基本制御モジュールへ230号のパラメータを移植してみた。

全てではなく出力パラメータだと推定できる部分を選択したつもりだ。

魔宝石への魔術式の書き換えは、生産の極に統合された魔道具作成のスキルが行ってくれた。


 燃料石を交換し外装を纏わせ、起動命令を与える。


「管理者クランドが命ずる。783号起動開始!」


 俺の命令で783号が再起動を始めた。


『システムチェック。出力パラメータエラー。出力が上がりません。

兵装エラー。内部兵装がありません。

このままでは戦闘任務に支障が出ます。修理を要請します』


「出力値はどのぐらいになる?」


『50%と推定されます』


「そのままでも稼働可能か?」


『軽作業には支障ありませんが、戦闘任務には支障が出ます』


「それでいい。783号に新たな任務を与える」


 783号が立ち上がり姿勢を正す。


「牧場での家畜の世話を命ずる」


『家畜の世話の詳細を求めます』


 さてどうするか……。


『問題ありません。映像データを送ります』


 引継ぎはシステムコンソールが俺が家畜の世話をしている映像データを783号に送ることで完了した。

俺の世話では生活魔法を使っていたのだが、問題ないのだろうか?


『783号、了解しました。牧場任務に就きます』


 これで牧場を離れても大丈夫な労働力を手に入れたぞ。

230号は簡単なメンテナンスをして燃料石を交換するだけで再起動させた。


「230号は農場勤務を命ずる」


『230号、かしこまりました。農業魔法のインストールを望みます』


 同様に俺の作業映像を見た230号が要求する。


「え? 魔法使えるの?」


『はい』


「どうすれば教えられる?」


『一度使ってもらえれば魔法式を読み取ります』


 俺は230号と畑に出ると自動拾得から『農地耕作』『農地回復』『種召喚』『広域種蒔』『促成栽培』まで魔法を使ってみせる。

朝の作業をもう一回やることになったが仕方ない。せっかく植えた作物を無駄にしてしまったが。


「どう?」


『自動拾得、種召喚は特殊すぎて無理です。

他は一般的な農業魔法ですので、小さな範囲を繰り返せば問題ありません。

しかし、魔力消費が多すぎます。1日毎の燃料石の交換が必要かと思います』


「それなら俺がやった方がいいか。途中で手を出すより流れでやった方が効率が良さそうだし」


『私はどうしたら……』


「果樹の収穫をお願いしようかな。時間停止倉庫を建てるからそこへ収穫物を入れてくれ」


『かしこましりました』


 俺は周囲を見廻し、空いている土地へ時間停止倉庫を建てた。

土魔法で壁を立ち上げ、木材で屋根を葺き、魔道具作成の付与魔法で時間停止倉庫とした。

そういや簡易トイレ並みの外観の出入口も、そろそろまともな建物にするか。

後は装甲車と戦車をニコイチにして直して、それで町へ遠征して魔物素材を売ろう。

細々としたものは町で買った方が良さそうだからね。

(作者注:クランドの認識のニコイチは厳密に言うとニコイチではありませんが、広い意味でのニュアンスで使っています)

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