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023 オークション2

 オークションが始まった。

オークショニアが一定の間隔で吊り上げて、落札者が札を下げて降りる方式ではなく、札を上た本人が金額を言って吊り上げていく方式だった。

まずは風と火の複合魔法が付与出来る属性石。

出足が鈍い。落札想定価格の100万Gでの落札に終わった。

次の水と風の複合魔法が付与出来る属性石に人気が集中してしまったのだろう。

完全に買い控えられていた。

ギルドには悪いことをしたな。まあ俺の出品の仲介を任せたのでチャラってことで。


 次にその俺が出品した属性石。

中位の回復魔法が付与出来るという性能は絶大な魅力らしい。

小さなMP消費量で大きな結果が得られる。

誰でも回復魔法が使える魔道具なんてまさに戦略物資。

ギルドで見せたのは失敗だった。隠蔽すべきものだったよ。

そのため出品せざるを得なかった。


「1660万Gで落札です。ダン」


 最後まで競っていた一方の予算が1650万Gで限界だった。

相手に10万G上乗せされて札を下げた。

そんなに焦らなくても次も出す予定なんだけどな。

もしかしてあの人は負けて得をした?

次は安くなりそうだよね?

まあ、俺が創れるというのは隠蔽しよう。

そんなことが知れたら大国に拉致されて、属性石製造機として一生を終えることになるだろう。


 次は魔道具。便利な品もあって勉強になる。その発想は無かった。

ほとんどが単一属性の属性石の組み合わせで作られている。

中にはダンジョンドロップの魔道具も含まれていた。

これには燃料石と魔宝石の組み合わせのものがあった。

魔宝石の魔法式がどうなっているのかは興味がわく。

だが、出品物を見たら全部作れると判ってしまった。

手段や製法は違うかもしれないが、同じ効果は出せる。

生産の極さんマジ半端ない。


 次は美術品。絵画から陶器、彫刻まで。

著名な作家の作品から、やはりダンジョンや遺跡の出土品もまざっている。

芸術の価値は、そいった付加価値も含まれているのだろうけど、これも作れる。

しかも要らないものばかり。

陶器なんて実用品が作れれば問題ないと思ってしまう。

あ、今後の付き合いでお土産が必要になったら自分で遺跡の出土品をでっち上げてしまおう。


 そして奴隷コーナー。

男の戦闘奴隷は名のある将軍だったらしい。

スキルなども詳細に説明されている。

ここに出品されるのは名のある者ばかりのようだ。

将軍、騎士、女性騎士もいる。

どうやら戦争に負けて戦利品扱いになり、奴隷として売られているらしい。

北の帝国。関わり合いになりたくないものだ。


 次は美人さん達。比較のためか複数が一緒に舞台に上がっている。

設定金額がサラーナ達よりも高い。

放牧民はこの世界では下に見られてるのかな?

どう見てもサラーナ達の方が美人なのに売値が違いすぎる。

言葉が通じないのは確かにマイナスだけど、何か割り切れないものがある。

スキルはほとんどオマケ。容姿に関する説明が多い。

そしてこの世界で初めて見たエルフ、獣人!


 あれ? おかしいな。俺の札が上がっているぞ?


 エルフは美形ぞろいというが、レベルが違った。

エルフさんは森や植物系の魔法に秀でていてMPが多いらしい。

農業なら土魔法もいけるらしい。

俺の代わりに農業魔法を使ってくれると便利だな。

3500万Gから一気上げで4000万Gで落札。


 獣人さんは猫系の獣人だった。

美人枠だけど戦闘スキルがあるのか。

俺はつい最近護衛が足りなくて困ったばかりだ。

3200万Gで落札。100万Gずつ上げたらここで止まった。



 そして今日の目玉3。別枠として単独で舞台に上がる亡国の姫君。

美人だ。この世のものとは思えないほど美しい。

種族的に美形ぞろいだと言われているエルフを凌駕している。

思わず札を上げそうになるが、自重した。

これ、歯止めが効かなくなる。

属性石という金が湧く打ち出の小槌が俺にはある。

いくらでも奴隷が買えてしまうのだ。

ここで5億Gの姫君に手を出したら、それ以下の金額の奴隷に歯止めが効かなくなる。


 際限なく奴隷を増やす俺を見て悲しむサラーナの顔が目に浮かんだ。

ここでやめよう。サラーナの悲しむ顔は見たくない。

だが、調子に乗って二人をお持ち帰りしてしまった……。

いや、この二人には理由があるんだ。

自分に言い聞かせるもダメ男まっしぐらだった。

亡国の姫君は一番良い貴賓席の御仁が購入した。

誰も競らなかったので落札価格は5億Gだった。


 続けて魔物素材の競りが始まる。

ここはオークショニアによる品質説明で競られていく。

魔物素材は流通も多く、品質査定も基準がしっかりしている。

その査定内容は主催者への信用という形で担保されているのだろう。

だが、ここに出品されるのは貴重品のみ。

どこかで見たことのある毛皮とか鱗も出て来た。

ほとんどの品に興味が無いのでスルーだ。


 そして今日の超目玉。グリーンドラゴンの頭の順番が来た。

これは最後の出品ということもあり、壇上に頭が運び込まれてきた。

その圧倒的姿に会場からどよめきが上がる。

オークション開始。

200億Gの一声が上がる。

そこは、やんごとなきお方の代理人が座す特別席だった。

空気を読んだ参加者達が札を下げる。


 グリーンドラゴンの頭は即決で王家のものとなった。

でも実はインベントリにはレッドもあります。

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