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祭り 8

 祭りも最終日に差し掛かっている。

 海でネノと一緒に魔法を打ち合うのは今日行うことになっている。

 祭りの間は、ネノと一緒に見て回ったり、メルを連れて見て回ったりと、楽しく過ごすことが出来た。海鮮焼きそばは毎日売り切れていたので、俺としても満足をした。

 海鮮焼きそばを食べて、『レアノシア』の料理を好きになってくれて、来てくれたお客さんもいたから嬉しいなと思ったものだ。

 お祭りではしゃぐ可愛いネノも見ることが出来たし。

 さて、最終日の夜は魔法の打ち合いをするということもあり、夕食の時間帯は宿泊客以外には料理を提供しないことになっている。臨時休業というものである。

 ちなみにメルも俺とネノの魔法の打ち合いを見たいと言っていたので、少しなら大丈夫かと祭りの間だけ雇っているヒアーたちに任せている。

 変なことをする輩がいないとは限らないが、そのあたりはギルドマスターに話を通してあるので問題はないだろう。それに『レアノシア』に泊っているのは冒険者もいるしな。

 泊っている人がいない状況であるのなら、宿ごと《時空魔法》でしまって持ってくるのが一番良かったのだが、流石に宿泊客まで入れるわけにもいかない。

「――ねぇねぇ、レオ様、ネノ様、どんな風に魔法打ち合いするのー? 僕も混ざってもいいのかな!!」

「あー、どうだろ? 多分大丈夫だろうけど」

「そうだね。メルも一緒の方が楽しい、かも? 竜と私たちの催しならきっと、海の神様、喜ぶ」

 メルも参加するという事は言っていなかったが、まぁ、魔法の打ち合いをして海の神様に魔法をささげるというのは言ってあるので問題はないだろう。

 それにしてもメルは俺とネノと一緒に回れるのがうれしいのかにこにこしている。

 宿を開店してから、定休日と言うのも作っていなかったし、俺達三人のうち誰かは宿にいるようにはしていたから、三人でぶらぶらするのは少しだけ久しぶりだ。

 開店して初めての街だからと定休日とか特に設けていなかったからなぁと思う。次に宿を置く場所をどこにするかは決めていないが、街に長居する時は定休日を決めておかないとななどと思う。

 流石にずっと働き詰めも疲れるしな。息抜きは出来るとはいえ。

 従業員を他に雇えばいいのかもしれないが、色んな場所を移動する予定があるので、そう簡単に臨時の従業員以外も雇えないしな。そのあたりはそのうち考えよう。

「レオ様、ネノ様、魔法の打ち合いの前に何か買ったりしてもいい?? レオ様とネノ様と色々食べたい!! 遊びたい!!」

 メルは本当に元気だ。

 にこにこと笑って、心から嬉しそうな顔をしている。

 特に問題もないので、メルの言葉に了承をする。そうすれば益々メルは顔を破顔させた。

 メルが向かったのは、魔力を流して行う運試しゲームである。魔力を流せば、ランダムで的が倒れ、その的にかかれている商品が手に入るらしい。

 ……あの魔力の流れを見る限り、良い商品がそもそも当たらないようになっている気がするが、まぁ、メルは商品目当てというよりもやりたいだけのようだから問題はないだろう。

 結果として手に入ったのは、残念賞として手に入ったお菓子だった。でもメルはそれでも嬉しかったようで、笑って幾つか俺にくれる。食べるの甘味が口の中に広がった。

「楽しいね、レオ様、ネノ様。あ、あれもおいしそう!!」

 メルは周りに人が多いというのに、駆け出して気になった場所へと向かう。魔力でメルのことは探知できるから問題ないとはいえ、そのうち迷子になるのではないかと不安になるほど好奇心旺盛である。

「メル、元気」

「そうだな。よっぽど楽しいんだろうな」

「私も、楽しい。二人も最高。三人も、良し」

「そうだな。メルと一緒も楽しいよな」

 ネノの言葉に俺も頷く。

 そんな会話をしていれば、メルがイカにチーズをのせて焙ったような料理を持ってくる。美味しそうだ。チーズというのはそこそこ高級品なので、それなりの値段がする屋台のようだ。そのため、そこまでその値段から行列は出来ていなようだ。

「はい。レオ様、ネノ様!!」

「ありがと」

「もらうよ。ありがとう」

 そう口にして口に含めば、イカの旨味とチーズの旨味がマッチしていて、もっと食べたくなるような美味しさっだった。

 その気持ちになったのはネノもメルも同じだったらしく、もう一つずつ買うのであった。

 ……ちなみに俺達が美味しいと口にして食べていたからか、「『勇者』様が美味しいといっている」とその屋台が繁盛していた。やっぱりネノの影響力は凄いなと思った。



 それからしばらく祭りを見て回って、俺たちはようやく海の神様にささげる魔法の打ち合いをすることにした。

 メルは「海の神様に楽しんでもらう」と口にしてにこにこ笑っていた。メルはやる気に満ちている。

 ちなみに俺たちはネノの魔法で、海の上に浮いている状態である。

「さて、やるか」

「うん」

「僕、頑張る」

 ――そんな言葉と共に海の神様にささげる魔法の打ち合いが始められることになった。



 

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