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祭り準備 3

「今回の祭りは、海の神に対する感謝を示す祭りらしい。いつも美味しい魚をありがとう、そしてこれからも無事に漁が出来るようにっていう祈願もこめてお祝いするらしいな。それもあって海産物をふんだんに使った料理が屋台では多いらしい。まぁ、此処の名物が魚だっていうのもあるだろうけど。神様に対するお祝いってことで、広場では海の神を楽しませるために踊りを披露したりするらしいな。港町らしい祭りだな」

「そうなんだ。海の神……。折角、此処でしばらくお店やるから、海の神、楽しませたいよね」

「そうだな。海の神が実際にこの祭りを見ているかどうかは分からないけれど、神に対してここでお店をやっているのでよろしくお願いしますってことで何かやるのもありだな」

 宿に戻って、俺はネノと会話を交わしていた。

 神というものは、人の世界に関わることはほとんどないとはいえ確かに実在している。時折、この世界では神の奇跡と言われるものが伝えられている。

 そもそも『勇者』であるネノの『勇者』としての力は女神ヒアネシアに与えられたものであるし、その存在を疑うはずもない。それに世界に神から信託を受けることが出来る聖職者や剣士なんて存在もいるし。神に選ばれた存在って、数は少ないけどいるにはいるからな。まぁ、俺はそういう神の奇跡というのを賜わったことはないけれど。

「海の上で魔法を打ち合ったりしてみるのもあり?」

「あー。許可が出たら空を魔法で彩ってみたりすると、海の神も喜ぶかもな。それか海に描くとか」

「それもあり。あとで、ギルドマスターに聞いてみる」

 海の神を楽しませるために何かをやれないかなーとネノと一緒に話す。それか竜の姿に戻ったメルの上から何かをしても楽しそうな気がする。

「そうするか。あと、屋台で出すものだけど、海の神の祭りだし、海産物を使った焼きそばとかどうだ?」

「美味しそう。良いと思う。私、焼きそばも好き」

 屋台で出すなら焼きそばもいいだろうと思ったので提案したのだが、ネノはお気に召してくれたらしい。海鮮焼きそばを思い浮かべたのだろうか、嬉しそうな顔をするネノは本当に可愛い。まぁ、俺のネノはいつでも可愛いんだけどな。

 こんなに可愛いネノが俺のお嫁さんって幸せだなってそんな気持ちばかりわいてくる。

「《時空魔法》で色々しまってあるから焼きそばを作るのは問題ないけど、どういう海産物を具としていれるかとかも問題だよな。あとは焼きそばを入れるためのパックとかも用意しとかないといけないし。『勇者』の宿の出す屋台だから想像よりも人が来る可能性があるしな」

「うん。いっぱい、用意する」

「宿の方の料理と、屋台の方の料理の分担どうする?」

「交互で。両方やってみたいし。何日もあるし」

「それもそうだな。屋台用の衣装も用意するか? それとも宿の衣装使うか?」

「んー、どうしよ?」

「俺としてみたら屋台仕様の特別な可愛い衣装着たネノも見て見たいなって」

「ふふ、なら、作ろう」

 ネノは可愛い衣装を着たネノを見たいと俺が言った事が嬉しいみたいで、小さく笑った。

「屋台も作らなきゃな。商業ギルドの方でも貸してくれるらしいけど、自分たちで作った方が後々も使えるし、色々改造も出来るからな」

「そうだね。大きさとかもっと確認しないと」

「あと場所だな。これも商業ギルドの方で振り分けるって話だからそっちの確認もしないと」

 いざ、屋台を出すとなると、本当に色んな準備が必要だなとネノと話していて改めて思った。こうやってネノと一緒に何かの準備をするのは楽しいことだから問題ないけど。店をやっているわけだから暇よりは忙しい方がいいしな。

 屋台の評判がよくなれば、またこの宿の評判が上がるだろうしな。

 それにしても海の神って港町全てで信仰されていたりするような神なのだろうか。俺とネノの住んでいた村って、小さな村であんまりそういうのなかったけれど、色んな神にささげる祭りがあるっていうのならば色々見て回って違いを確認してみても楽しいと思った。

「レオ、祭り、楽しみだね」

「ああ。楽しみだな」

「屋台、人気投票とかやるみたい。楽しそう。一位取れたら気分がよさそう」

 屋台はお客さんたちに順位を書いてもらったりする企画も開催されているそうだ。よかった屋台のランキング。あとは商業ギルドが集計した売り上げランキングとかもある。

 やるからには一位が取れた方が気分が良いし、俺もネノも二位よりは一位の方が好きだ。出来ないより出来る方が嬉しいし。どうせなら一位を目指したいから色々準備を進めておきたい。

 そういうので上手く行ったらネノはきっと嬉しそうに、俺が大好きな笑みを浮かべてくれるだろう。俺はネノにそういう笑みをずっと浮かべていてほしい。もちろん、俺の隣で。ネノをずっと楽しませられる俺でいたい。大好きなネノのためなら俺は幾らでも頑張れる。

 だから、気合入れて頑張ろうと俺は決意するのだった。

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