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祭り準備 1

「祭りの準備しないとな」

「屋台でどんな料理出すかも……」

「ああ」

 さて、商業ギルドのギルドマスターに祭りに誘われたわけだが、それに対する準備は必要だ。

 屋台を出すにあたっての人員は商業ギルドの方での員数を集めてくれるということだけれども、こちらの方で準備をしなければならないことは色々とある。

 まずは屋台でどんなものを出すのかということや、やってくる人材に対する教育も必要だろうし。

 まぁ、何にせよ、新しい事に挑戦できるのは楽しいからどうせなら一杯売り上げをあげたいと思っている。

「普段から街で屋台で出している物じゃない方がいいよな」

「うん、何がいいか考える。あと、ぶらぶらしたい」

「祭りでだよな。俺も祭りでネノとデートしたいって思ってる」

「ふふ、うん。私も。忙しくない時間、メルか商業ギルドからの人員に任せればいいし」

 ネノが美しく笑う。こんな風にネノが俺に対して笑ってくれるだけで本当に幸せな気持ちになってならない。

 好きな相手がこうして笑いかけてくれるだけでどうしようもなく幸せなのだ。

「えー、僕も一緒に行きたいよ!!」

「少しぐらいなら全て臨時要員に任せ得られるならそれでもいいが」

「でも……レオと二人っきりでも回りたい」

「ネノ……俺も。メルがいても楽しいけど、ネノとデートもしたい」

「うん」

 メルが一緒に居ても楽しいだろうけど、ネノと一緒にデートもしたいのだ。ネノも同じ気持ちでいてくれていることも嬉しい。

 思わず抱きしめれば、ネノが笑う。

「もー、また隙あらばいちゃいちゃ!! まだ宿開店している時間なんだから、もう少し自重してよ!!」

「なんだ。うらやましいならメルも恋人作ればいいだろ」

「むー。僕はまだ子供なの。それに番作るのならレオ様とネノ様みたいな関係がいいもん。そういうの中々見つからないもんでしょー?」

 メルはそんなことを言いながら俺とネノにいちゃいちゃするのは後でしたらと言われる。

 メルは長生きな種族だからな。まだ子供のメルがどんな相手と子を成すかとか気になるけれど、それが見れるほど俺たちは長生きは出来ないしな。まぁ、俺たちの子供とかが、まだメルと一緒にいるなら見るだろう。

「ねーねー、僕は祭りの間、何したらいいの?」

「メルは此処で接客だな。祭りを見たいなら俺たちが店見ている間にぶらぶらしてもらっていいが。でもメル、一人で祭り行けるか?」

「大丈夫だと思う! お金の使い方も少しわかってきたし」

 本当に大丈夫なのか、と思うがメルは自信満々に大丈夫だと言い張っている。

 街に来た当初はお金とか全くわかってなかったが、流石にここで手伝いをしている中でお金のことも理解してきている。竜の姿になることも最近は少ない。まぁ、宿で接客をするには人の姿の方がいいしな。

 たまに竜の姿になって、狩りしたりしているけど。

「ならいいか。問題とか起こさないようにな」

「うん。僕、見て回る時、ちゃんとやるよ」

「あとぶらぶらする時はこの宿の宣伝もするようにな」

「うん!!」

 メルは一緒に行きたいと最初は言っていたが、一人で祭りをぶらぶら出来ると聞いてすっかり機嫌を直したようだ。

 メルは単純だから、こういう時に別の話題にしたらすぐ機嫌よくするんだよな。

「メルへのお小遣い、どのくらい渡す?」

「あー……そういえばそうだな」

 メルはこの宿で働いてくれているが、「欲しいものあったらレオ様たちにいう」とか言って、自分でお金を持とうとはしない。お金の扱いを少しずつ覚えているものの、基本的に俺たちと一緒にしか出掛けないから必要ないみたいだが。

 でも一人で祭りをぶらぶらするならメルにお小遣いもあげておくべきだろう。

「いっぱいあげるとメル、沢山使いそう」

「だな。でもメルにあげる用の給与、結構たまっているよな」

「うん。たまってる。メルが使いたいって行ったら渡すようのもの」

 祭り楽しみとはしゃぐメルは、俺たちの話を聞いていなかった。

 っていうか祭りでどんなものが出されるかとか、人の祭りについてとかもメルは知らないだろう。俺たちも大きな街での祭りははじめてだが、メルなんて人の行う祭り自体初めてだろうし。

 祭りでは……っていうか、何処にでもぼったくりのようなものを出している場合があるから、それも注意しとかないといけない。

 あとはメルの人型の見た目がいいから変な連中が寄ってこないとは限らない。

 この街の連中はメルが『勇者』の身内って知っているから問題はないかもだが、他の街から人が多く来るわけだし。

「あと、メルに色々注意しないと」

「ああ。そうだな」

「メルへ注意することもまとめる」

 ネノはそう言いながら、呑気に笑っているメルを見つめた。




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