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店づくり 4

 家の場所まで戻っても、相変わらずの視線で面倒だった。そのため、視界を遮る事にした。ネノが魔法を行使して、まずは光の壁を作る。光属性の魔法によって生み出されたそれは、外から人が入ってくる事を拒む。それに加えて、光属性の魔法によって、中の様子が見えないようにもしてくれた。

 周りの声が聞こえないように、そして俺達の声が外に聞こえないようにもする。そうして、ようやく店づくりを再開する事になった。

 まずは、土地を平らに整える。整えたら、土台となる部分の組み立てを始めた。木と木を組み合わせて、土台となる部分を組み立てる。ネノが書いてくれた見取り図を元に大まかに作っていく。黙々と組み合わせていく俺とネノの事をメルがぼーっと見ていたので、「立っているぐらいなら手伝え」と言ったら手伝い始めた。ただ、勝手が分からないようで「えっと、僕どうしたらいいか分からない!」とか言っていたのでネノが教えていた。

 それから床にする部分はネノが風の魔法で切って、作りだしてくれる。床板を引いて、壁の部分も整えていく。その間にメルがドアの部分を一生懸命作っていた。……何個か木を駄目にしていた。メルは不器用なのかもしれない。その間に俺とネノはせっせと一階部分を作り終えていた。

「レオ、窓、何処に着ける?」

「ええっと、じゃあ、ここと、ここか。あとはお風呂場にも作っとくべきだろう」

「うん。そして覗き防止のため、外からは見えないようにする」

「それがいいだろう」

 浴場の部分はタイルなどを敷く事にした。そのあたりのものは、以前家を組み立てた時の余り物があったのでそれを使う。

 浴場に設置する窓には、外から覗きが出来ないようにネノがしていた。浴場は男風呂と女風呂で分ける。お風呂とトイレは、魔法具にしてしまって処理を楽にしようという話になったので、あとから設置する事にした。ひとまずは、大まかな部分を作成する。

 一階を作り終えたので、次は二階の組み立てを始める。客室として四部屋作った。それぞれに窓を設置する。そしてそれと同じ工程で、三階部分も作成した。

「……レオ様もネノ様も、家作り、手際よすぎない?」

「前も作ったしな」

「うん。魔法使って、楽々」

 メルに何か言われたけれど、基本的に俺やネノって故郷が田舎なのもあって自分でなんでも作る事が多かった。誰かに頼んで作ってもらうよりも、自分の手で作った方が自分好みの良いものが出来る。

 それにやろうと思えば、俺やネノが作れないものってあまりない。そっちの方が便利だという事で、自分達でなんでも作っている。

 魔法を使いながら、一つ一つ組み立て作業をしていく。最後に屋根の設置を終えれば、大まかな形は出来た。

 メルが作ったドアを、設置して、後は内装の細かい所を作っていけばなんとかなるだろう。

「できた」

 ネノは満足そうな顔をしてにこにこしていた。こういうドヤ顔をしているネノも可愛い。

「僕、疲れた……」

「メル、そんなに動いてないだろ?」

「メル、慣れない仕事したから?」

「うん。僕、家作りとかした事ないから。それに細かい調整って苦手なんだもん」

 メルは地面に座り込んでいる。

 魔法の細かい調整がメルは苦手らしい。竜種って結構そういうの得意なのも多いって村長が言っていた気がするけど、メルはまだ子供だから苦手なのだろうか。店に設置する予定の魔法具作りに関してもメルに何かしらやってもらおうと思っていたが……、あまり調整が苦手なら他の事をやってもらった方がいいかもしれない。

 魔法具は少しでも間違うと、効能に支障をきたしてしまうものだから。

「とりあえず今日は此処までにしておくか」

「うん」

「明日から内装や、魔法具作りをしよう」

「うん。色々、作る。魔法具作りは時間かかりそう」

「家作るよりはかかるだろうな。どういう魔法具がいるかももっと考えないと。あ、そうだ、ネノ、もう障壁とか解除していいぞ」

「うん」

 ネノは俺の言葉に頷いて、障壁などを解除する。外からの声も聞こえないようにしていたから分からなかったが、障壁を解除した先にはそれなりの人数の見物人達が居た。皆、暇なのだろうか。

「家が、出来てる!?」

「え」

 そんな声が聞こえてくるが、一先ず放置して家の中へと入る事にした。詮索されても面倒だから。ネノと手を繋いで、家の中へと入る。その後ろを座り込んでいたメルが追いかけてきた。

「見物人沢山」

「皆、暇なのかな……」

「レオ様とネノ様が非常識な事ばかりするからだよ!」

 椅子に腰かけて一息ついていたら、メルにそんな突っ込みをされた。



 それからその日は、食事をして、眠りについた。

 明日は、内装や魔法具を制作していかないと。




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