表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
140/221

ツアーの開催とパーティーの準備 ⑮

「ネノ、パーティーの準備もあるししばらく街の方で宿をやるか?」

「うん。そうする」

 元々ダンジョンと街で交互で宿をやろうという話をしていたため、しばらく街で宿をすることにする。

 ただ相変わらずネノが『勇者』であるということで周りの人々が騒がしいから、その辺は煩わしいことになるかもしれないけれど。

 パーティー用の衣装のリストはもらっているけれど、どういう衣装にするか悩む。というか、ネノの衣装が一番悩む。だって俺のネノの可愛い着飾った姿を見ることが出来ると思うとどれも着て欲しいって気分になってしまう。

「レオが着てほしいなら、いつでも、着るよ?」

 ソファに腰かけて衣装のリストを見ながら悩んでいると、ネノがそんな可愛いことを言う。

 それもそれでありかもしれない。互いにだけそういう姿を見せる日を作っても楽しそうだよな。リストの中にはかなり露出が激しいものもあるので、そういうのは他の男には見せたくないなと思う。

 だってただでさえネノはとても可愛いのだ。

 俺にとって世界で一番可愛い女の子。

 普段からそうなのに、もっと可愛い姿を他に見せてしまったら絶対に邪な考えを抱く男は出てくる。

 そう考えると、どうせ《時空魔法》で幾らでも持ち運べるから大量にドレスを購入してもいいかもしれない。

「そうしてもらおうかな。いっぱいドレス買っていい?」

「レオのパーティー衣装も沢山、買う。私、見たい」

「じゃあそうするか。ちょっと散財にはなるけど」

「ん。問題なし」

「でも流石に使いすぎるのはやめた方がいいかなとは思っているから、少しは自重しよう」

「衣装購入しても問題ないお金はあるよ? あれだったら魔物倒してお金稼いでもいいかも」

 ネノは簡単にそんなことを言う。まぁ、確かにそれはそうだ。

 うん、俺はネノの可愛い姿を幾らでも見たいし、ネノも俺のパーティー衣装色々そろえておきたいらしい。色々買い込むか。

「そうだな。問題がない範囲でお金を使おう。ドレスだけじゃなくてアクセサリーとかもいるよなぁ。その辺のリストも滅茶苦茶もらっているけど。どうするか?」

 正直、ドレスのことなど俺は詳しくない。貴族たちが開催しているパーティーになんてもちろんだが、ただの平民である俺は参加したことがないし。ネノは『勇者』としてそういうパーティーに参加したことはあるわけだけど。

「レオが私に似合うの、選ぶ」

「ドレスとあうものに出来るかわかんないけどな。流行とかも知らないし。でもネノは可愛いから、どんなものでも似合うか」

「ん。問題なし。文句言う人知らない」

 ネノはそう言いながら小さく笑う。

 まぁ、『勇者』であるネノ相手にどうのこうのいう相手はいないだろう。俺には何か言ってくる人はいるかもしれないけれど。

「お揃いにする。私とレオ、仲良し、見せる」

「そうだな。それがいいなぁ。メルのも俺たちとそろえたいよな」

「それがいいと思う」

 それにしてもこうやって、どんな衣装にするかというのを話し合っているだけでも楽しい。

 貴族と関わることに関しては心配もあるけれど、それよりネノとパーティーに参加できるのは楽しみだ。

 それにしても貴族との接し方も分かってないしな。

 テディやドゥラさんとは普通に喋ったけれど、そういう接し方とは違う接し方しないとだし。

「髪型も折角だから変えてみるか?」

「レオが見たいなら」

「うん。見たい」

 ネノは髪はそこまで長くないけれど、それでも色々と髪型はいじれるはずだ。ネノにどんな髪型をしてもらおうか? そう考えるだけでもワクワクする。

「髪飾りとかも、ドレスにあうのがいいよなぁ」

 それにしても装飾品のリストももらっているけれど、結構高価なものが多い。正直宝石の価値とかにも俺は詳しいわけではないので、衣服とかアクセサリーとかでこれだけお金がかかるのかぁとそんな感覚である。

 俺とネノはパーティーにはこういう時ではないと参加しないからいいけれど、王族や貴族ってこういうパーティーに常に参加している感じのイメージ。ならばこれだけのお金をいつも使っているのか。うん、凄まじいな。平民の俺には全く分からない世界である。

「『勇者』だった時のドレスってどうしてたんだ?」

「用意されてたの着た」

「そっか。費用も国持ち?」

「うん。私、そもそもパーティー参加したくなかった。だってそんな暇あるなら、『魔王』どうにかする方が大事。そう言ってたから、向こう持ち。国が私を、パーティーに参加させたいと言っていたから」

 国としてみれば、『勇者』であるネノをパーティーに参加させたかったんだろうなと思う。

 ネノはそういうパーティーや高価なものにそんなに関心はない。だから本当に必要最低限だけ参加していたんだろうなと思う。それで沢山の参加者たちに囲まれていたんだろうな。

 今回参加する予定のパーティーでもきっとネノは沢山話しかけられるだろうな。

「そっか。そういえば今回のパーティーってダンスとかあるの?」

「あるかも」

「俺、踊れないけど」

「適当に音楽に合わせて踊ればいいだけ。それならレオ、出来る」

 貴族のパーティーって踊っているイメージだったので問いかければ、ネノにはそう言われた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 書籍化おめでとうございます 2章の終わりまで読んで溜まって来たのと待ちきれなさに久しぶりにと一気読みしました いやぁほのぼののんびりとした感じで冒険譚と言うのでも街に住み着いてのスローラ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ