日常編【夫婦】
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「あなた...お茶ですよ。あら茶柱が...。
今日もいい天気ですねぇ。覚えていますか?あなたからプロポーズされたのも、今日みたいな綺麗な空で...。あなたは何処かソワソワしていて、私との会話も上の空で、私からは話しかけれなくて、ただ空を見ていました。そしたらあなたが唐突に...。急に立ち上がって怖いくらい真面目な顔で...。今でも鮮明に覚えていますよ。ええ、今でも。あっ、お茶が冷めちゃいますね。あなたの好きな鬼灯屋のお饅頭ですよ。美味しいですか?明日娘や孫達に会えますよ。皆あなたの事が大好きでしたから。私もあなたの事、大好きですよ。」
「あれ?ハンカチはどこだっけ?
あーあ靴下も片方しかない。ハァ...まいったなぁ。アイツがいないと何も出来ないなんて。昔は俺だって一人暮らししてたし、飯だって作れた。いつの間にか,アイツに頼りきって、家の事も任せっきりで...そういえば結婚記念日もアイツの誕生日も約束破ってばかりで...。これじゃあ出ていかれても仕方ないか…。もしもし?あ...ああ久しぶりだな。元気にしてるか?俺の方は...お前がいないと、なんにも出来ない奴だって思い知らされたよ。気持ち悪いって、なんだよ、俺はな!...いや、すまん...俺の悪い癖だな。家に帰ってこないか?いや、帰って来てくれ。頼む。ああ、明日迎えに行くよ。」
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