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青色の下で・・・静岡聖陵編  作者: オレッち
第壱章~新たな出会い~
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39話:スミちゃん

 菫が転校してきてから数日が経った。

 前話で色々あり、すっかり仲良くなったのは司と菫である。


「はぁい司〜」

「あ、スミちゃん」


 教室に来るや司に手を振りながら歩み寄り仲良く話す二人に他の生徒たちだけでなく、ちょうど教室に入ってきた俊哉も驚いていた。


「え?いつの間に?」

「んふふ♩ちょっとね〜」


 ニコッと笑いながら司の腰に手を回す菫に恥ずかしそうにする司。

 二人にキョトンとする俊哉。


「まぁ仲が良くて何よりで・・・あ、そうだスミちゃん」

「なぁに?トシ君?」

「ちょっと相談がぁ・・・まぁ俺は乗り気じゃないけど・・・」


 どこか申し訳なさそうに話す俊哉に首を傾げる菫と司。

 言おうか言うまいかモジモジとしていると、廊下から竹下と山本が入って来る。


「早く言えよトシ!」

「言えよ!」

「え〜、なんか悪いよ〜」


 文句を言いながら入って来る竹下と山本に俊哉はどこか乗り気じゃなさそうに話す。

 すると我慢できなくなった竹下が菫に話を始める。


「菫ちゃんさ!実はうちの野球部、マネージャーいないんだよね!?だからさ、もし良かったらマネージャーしてくれるとか?できないかな?」

「ん〜」

「ほらスミちゃん困ってる。別に無理して受けなくても良いからね?」

「トシは黙っとれ」


 俊哉の口を塞ぎズルズルと引きずりながら離す山本。


「ん〜・・・良いわよ♩」

「ん〜!!??」

「えぇ!?本当にぃ!?」

「ちょ、ちょっ!!良いの?!」


 菫の返答に喜ぶ竹下と驚く俊哉は山本の手を剥がし詰め寄る。


「えぇ勿論♩私、昔から野球に興味あったしね♩それに、トシ君と同じ事して見たかったしね♩」

 ウインクしながら話す菫に、俊哉も困りながらも笑顔になる。

 そして一番喜んでいたのは竹下であった。


「よっしゃ〜!!女子マネキタ〜!!」


 確かに野球部には女子マネがいない。

 中でも竹下が一番拘っており、俊哉と顔見知りという事で前日に俊哉にお願いをして今に至るというわけである。


「本当にいいの?」

「勿論♩頑張るわ♩」

「まぁ、スミちゃんが良いなら良いけど・・・」


 笑顔で答える菫に俊哉も受け入れる事にした。


「まぁ、よろしくねスミちゃん」

「こちらこそ♩はい、よろしくのハグ♩」

「ふぇ!?私ですか!?」


 俊哉ではなく菫の隣で聞いていた司にハグする菫。

 一瞬だが、来るかと構えていた俊哉は少し恥ずかしくなっていた。


(違った・・・なんか恥ずかしい)



「何構えてるんだ?俊哉」

「いや・・・何でもない」

「はぁ・・・」


 こうして新たな仲間が野球部に入る事になった。

 念願の女子マネージャーの入部は一気に他の部員に広がり歓喜に沸いたとか・・・


 学校が終わり帰宅の途につく生徒たち。

 野球部も今日の練習は休みとなっており俊哉たちは久しぶりに早く帰ることができる。


「司ちゃん帰ろうか」

「あ、はい!」

「私も一緒に帰る〜♩」


 司と菫と3人で帰路へとつくため、下駄箱へと向かいながら話をする。


「へ〜♩司はガンプラが好きなのね?」

「そうです♩昔から作ってて」

「良いわね〜趣味って大事よね〜」


 談笑しながら歩いていく3人、下駄箱で靴を履き替え校舎から出ていき正門から帰っていく中で俊哉は菫と司に話しかけた。


「そう言えば、いつの間に仲良くなったの?二人とも」


 その俊哉の言葉に二人は互いに顔を回せるとニコッと笑みを見せる。


「ん〜、内緒♩ね、司♩」

「あはは、そうですね♩」


「ん〜?」


 二人の反応に首を傾げる俊哉。

 彼の反応に二人はクスクスと笑いながら互いに顔を見合わせる。


「変なの〜」


 そう呟きながら歩く俊哉。


「でも何か、スミちゃんに久しぶりに会えて嬉しいよね」

「トシ君、私もよ♩それにお陰で司とも知り合えたしね〜♩」

「あはは・・・」


 3人で笑いながら帰路へとつき、菫は駅近くのマンションへ引っ越してきたため駅に到着したらお別れ。


「じゃあね〜♩」

『じゃあね〜♩』


 元気に手を振りながら歩いていく菫を同じように手を振り見送る俊哉と司。

 菫の姿が見えなくなり二人きりになる俊哉と司。

 急に二人になり、どこかモジモジする。


「あのさ」

「は、はい!」


 俊哉の問いかけに声を裏返りながら返事をする司。


「あ、すみません」

「あはは、大丈夫大丈夫。あのさ、ありがとね。スミちゃんと仲良くしてくれて」

「い、いえ。とても気さくで良い方ですね。スミちゃん」

「俺も初めて知った」

「初めて?」

「うん。俺小学生の時に少しだけ一緒にいたのは知ってるよね?」


 俊哉の問いかけにコクリと頷く司。


「転校してきた時はさ。ほとんど喋らなくて凄い静かな子だったんだよね。だから俺が声をかけたのが最初でさ。最初笑わないでいたんだけど、少しずつ話すようになって笑顔になってきたんだよね」

「そう、だったんですか」

「うん。やっと慣れてきた頃にご両親の仕事の関係でそのまま引っ越し。それがまさか、聖陵で再会するとはね」


 笑いながら話す俊哉が司を見ると、彼女の目にはいっぱいの涙を溜めておりギョッとする。


「え!?え!?」

「そんな話があったんですね・・・」

「あ・・・あれ?司ちゃんって、涙もろいのね」

「えへへ。すみません、だから菫さん俊哉さんと再会した時に見せた笑顔だったのかと思ったらつい・・・」


 涙を目に溜める司に俊哉は最初は驚いたが、どこか好感を感じていた。

 他の人の為に泣いてくれるのか・・・本当にこの子は優しい心を持ってるんだな。

 そう俊哉は感じていたのである。


「ほら、ハンカチ」

「あ、すみません」


 俊哉からハンカチを受け取り涙を拭く司。

 ハンカチを返すと、司と俊哉は目が合い、互いに笑ってしまう。


「さぁ帰ろうか〜」

「そうですね。では、また明日」

「うん。また明日」


 そう言い合い、二人は逆方向へ歩いて別れる。

 帰り道を歩く司は、ニコニコと笑いながら帰っていた。


(なんか、俊哉さんの優しさを改めて知ったな。スミちゃんも良い人で、それに・・・応援してくれるって・・・)


 司の恋路を応援してくれる。

 その菫の言葉に司は改めて考えると、顔を赤くしながら歩くのであった。



 次回へ続く。

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