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青色の下で・・・静岡聖陵編  作者: オレッち
第壱章~新たな出会い~
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2話:グラウンド

長くて眠くなりそうな聖陵の入学式が終わり各教室へと向かうと担任の教師が学校の説明や今後の流れなどを説明を始めた。

校舎の構造や医務室や職員室の説明、また自転車通学が出来ることや遠方から入学した生徒の為の寮があること等の説明がされていく。

そこで部活動の説明が入り、基本的に部活動は入部するしないは自由であるため強制はしないという事が言い伝えられ部活動入部届けが配られると教師からの説明が終わり、本日はここで解散となる。

沢山のプリント等の配布物をカバンに押し込み帰路へと着く生徒ら。


俊哉も手さげカバンを持ち、席を立ちあがると教室に二人の男子生徒が入ってきた。



「お、いたいた」


と話しながら入ってきたのは竹下と山本。

二人はB組の教室であったため隣からすぐ来たようだ。


「ちょっと付き合えよ。グラウンド見に行こう」


と切り出した竹下に俊哉は断る理由もなく三人でグランドへと向かう。

野球部が使っているグラウンドは第二グランドで校舎出てすぐにある第一グラウンドの脇から出て車一台ほどが通れる道路を挟んで向かいの方にある。

グラウンドの大きさは第一グラウンドよりも小さく正方形に区切られたモノであり決して広くは無いものの野球の試合をする分には十分ではある。

ここでは野球部やソフトボール部が使用しており、他の部活が第一グラウンドで試合をする際のストレッチやアップ等の準備をする場所にも使われている。


俊哉ら三人がそのグラウンドの前に立ちながら見ていると、三人の場所から少し離れた所に一人の生徒が同じようにグラウンドを見つめていた。


「・・・まさか」


そう呟きその生徒の方へ駆け出す俊哉。

“いやそんなまさか・・・”という思いを考えながら俊哉はその生徒の方へと小走りで寄っていく。

するとその生徒も気配に気づいたのか振り向く。


その生徒は整った顔、いわゆるイケメンといえる顔立ちをしていた。

170センチほどの身長でスラッとした体系のその生徒は振り向くと駆け寄る俊哉の顔を見るとその生徒も驚いた様に俊哉を見る。



「藤枝シニアの、望月だよね?」


「そういうお前は、静岡シニアの横山か?!」


とほぼ同時に声をかける俊哉とその望月と呼ばれた生徒。

後からついてきた竹下と山本も望月と呼ばれた生徒を見るなり俊哉と同じように驚きながら話す。



「うお!?なんでいんだよ」


望月秀樹もちづき ひできか、コイツは驚いたな」


と竹下と山本が順番に話すと望月も二人の顔を見て驚きを隠せずにはいられなかった。


「竹下に・・・えっと・・・誰だっけ?」


「おい!山本だよ!山本寛史!」


「あ・・・スマン知らん」


「おい!」


と竹下、俊哉に対してと同様に同じツッコミを入れる山本。

すると隣にいた俊哉が山本を見ながら呟く。


「あ、そういや山本って名前だっけ?」


「おい俊哉!おい!?」


と茶番を行う中、俊哉は望月秀樹と呼ばれた生徒を見ながら少し興奮気味に話す。



「ってか、なんで望月がいんの?俺てっきり明倭に行くかと思ってた」


「俺こそ横山は明倭かと・・・」


と互いに驚きを隠せずに話す俊哉と望月秀樹(以降より秀樹)

しかし、俊哉は嬉しかった。

この望月秀樹という生徒は中学時代地区予選で何度も対戦のしたことがある投手である。

彼には俊哉らのチームも結構苦しめられており好敵手である。


「理由はよくわからないけど、でも望月がいてくれれば百人力だよ」


「いや、俺もまさか横山と一緒に野球するとは思わなかったぜ・・・よろしく頼む」



とガッチリと握手を交わす俊哉と秀樹。

そしていよいよ来週には部活動が本格的に始まり、他のまだ見ぬ野球部の仲間と共に駆け出していく。





時を同じくして、駅へ向かうバスの中。

ガタンガタンと揺れるバスの席ではガッチリとした体格で身長の高い恐らくスポーツをやっているであろう聖陵の生徒が毎週月曜販売の週刊マンガ雑誌をパラパラと読んでいた。


「はぁ、これで何週目だよ・・・早く来週にならんかね」


とパタンと雑誌を閉じため息をつきながら呟く生徒。

雑誌をカバンにしまおうとすると中から部活動入部届が出てくると、その生徒は入部届の紙を見ながら再び呟いた。


「部活か・・・めんどくせぇな」


次回へ続く。


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