第8話「ちゃんとした戦い」
今、葉月家のリビングでは朝ごはんタイムだ。
葉月は昨日のトラブルの後にすぐ寝てしまったため朝起きたら「おなかすいたよぉ~はづきぃ~」と、ひぃが腹を鳴らしながら言ってきたので急いで作ったのである。
「悪いみんな!昨日の夕飯まですっぽかして寝ちまって」
「い、いえいえ、葉月さんはケガしてましたし、、、、しょうがないですよ!」
「すいもあの後そのまま一緒に葉月と寝てたくせに」
どぉがそう言った瞬間にすいは部屋の隅にある子供1人は入れるくらいの小さな物置に目に見えない速さで入っていった。
「しっかし、すごいわなぁ?一体どんな体してんねん?」
「本当に、、、、、、俺にもわからん、、、、、、」
そう、葉月が昨日負った傷がわずか1日で完全に治ってしまったのである。
「はい、、、、、、いくら私の治療があっても治るのが早すぎます、、」
物置からひょこっと顔を出したすいが言う。
その時、、、、、、、ピンポーンとインターホンが鳴った。
「はいはーい、今行きますよー」
葉月が玄関のドアを開けるとそこにいたのは、、、、、、
「お、お前、、、、」
「やぁ、久しぶりだね」
そこには、超人能力を持った5人を預けた謎の女がいた。
「あぁ、久しぶりだなぁ?俺はお前に話したいことがたくさん、、、、」
「少し待ちたまえ」
そこで女に止められる。
「葉月君」
「何で俺の名前、、、、」
「スライムを知っているかい?」
葉月の言っていることを聞かずに女は言う。
「あぁ、あのクソ弱い、、、、」
「そう、超人少女達は奴らと戦っているね?」
「あ、あぁ」
「それを君にも手伝ってほしいんだよ」
「は?」
この女はいつもいきなりだ。
「最近スライムより強い、、、、人間よりはるかに強い奴らが発見されていてね?さすがにまずいので力を強化したい」
「で、でも、俺にそんな力は、、、、」
「大丈夫、君には心臓を破壊してもらうだけさ」
「心臓?」
心臓、、、、、、とは初めて聞く単語だ。
「あぁ、最近の奴らは倒した後に出てくる心臓を壊すか、その敵によって異なる討伐回数を満たすかしないと復活するらしい、、、、、、その心臓を破壊する力が君にあると言う調査結果が出ている」
その結果がウソかホントかは分からないが、もう葉月はあの再生力によって普通じゃないことが分かっている。
「じゃ、その敵とやらはどうやって見つけるんだ?暴れられてからじゃ遅いぞ?」
「それはこれが必要だ」
女が黒いチップのようなものを葉月に渡す。
「これを頭につけると君の頭だけに直接、敵が現れるサインの音が鳴るんだよ」
「あ、ほんとだ鳴ってる」
「何!?」
確かに今、葉月の脳内にはピィィィィィィィィーーーーという音が鳴っているのだ。
「それはもう起動済みだから敵のサインだ!早く5人を連れて行け!」
「あ、あぁ!み、みんな!敵が現れたらしいぞ!」
その声でのみんなの反応は早かった。皆いっせいに走っていった。
「君も早く!君がいないとだめだ!」
女の声で葉月も走った。
それから3分後・・・・・・
「はぁ、、、、はぁ、、、、はぁ、、、、」
息を切らしながらも皆に追いつく葉月。
「ファイヤーキーック!」
ひぃの声が聞こえたかと思うと、ドォォォォォォォォォォン!!という音と共に怪物(一瞬で倒されたのでよく見えなかった)が粒子となって消えていった。
「すげぇ、、、、、、って倒すの早いな!?」
「だってぇ、はづきが来るの遅いんだもん」
それもそのはず、葉月は運動が特別得意ではないからだ。
「ほら、はよしぃ」
緑のアーマーを纏ったきぃが言う。たぶん心臓のことだろう。
「お、おう」
葉月は歩いて心臓のもとに向かう。
「ど、どうすんだこれ?」
目の前には赤色の球体が浮かんでいる。
「うぉら!!!」
とりあえず殴った、、、、すると、、、、
「!?」
パリンという音と共に球体が割れた。
凄くもろい。誰でも殴れば壊せそうなくらいもろい。
「これでいいのか、、、、、、」
それから家に戻ると女はいなかった。
「何だよあの女、、、、」
不思議に思う葉月。
「そういえば、もう昼だな、、、飯にするかみんな?」
「はい!お腹ペコペコです、、、、」
「うちもぉ~」
「私も~」
「走って腹ペコ~」
「今日も、チャーハンがいいですわ」
「さんせい!」という楽しげな声が葉月家に響く。