第9話「ご主人様」
スライムより強い敵(実際ひぃが一瞬で倒した)が現れた日の夜のこと。
頭の中でジィィィィィィィィというノイズが走ったので葉月は反応する。
「ジィー、、、、ジ、、、、ギギ、、、キ、、きこ、、こえるかい?」
「!?」
突然葉月の頭の中で女の声がした。
「まさかお前また、、、、」
「そうさ今朝ぶりだね」
敵を倒して家に戻ったがすでに消えていた謎の女だ。
「私はこうしてチップを通して君と話すことができる」
「はあ、そりゃまた迷惑な」
「そう言わないでくれ。いまは君に伝えたいことがあるんだ」
この女が言うことなら大体大事なことだろうと思う葉月。
「5人の世話をするのは大変だろうから君に一人メイドを送ったよ」
「メイド?」
「あぁ、非常に優秀で完璧なメイドだよ」
「はぁ、そりゃどうも。仕事が減るならありがたい」
正直5人の世話は結構きつかった。5人分の服。5人分の食事などなどほかにもいろいろだ。
「メイドはもう君の家に着くころだろう。それと、見た目には驚かないでくれ」
「お前仕事早いな!って、見た目?」
「じゃあ、そろそろ私は、、、、」と、女が言いかけたところで、、、、
「ちょっと待ってくれ」と、葉月が止める。
「なんだい?」
「俺は5人の能力をどうにかして封印するんだよな?スライムより強い敵が出たってことはもう無効なのか?」
確かに今封印する手段が見つかっても、あの敵に人間が勝てるかわからない。
「今はだめだ。いつかくるだろうさ、、、、その時が、、、、」
曖昧に返した女の声はもう聞こえなかった。
「はぁ、いきなり切るなよ、、、、」
と、そこで、、、、ピンポーンとインターホンが鳴った。
「はいはーい」
葉月は急いで玄関に向かいドアを開けた。
「こんばんは!今日から配属になったメイドです!」
彼女はメイド服を着ていてちゃんと話していたのだが、、、、その見た目だ。年はすいと同じくらいか背も小さく、どう見ても子供だ。
「え、えっと、、、、」
「あ!私こう見えてもれっきとした成人女性です!」
エッヘン!と手を腰に当てて言うが、説得力がない。
「え~?誰か来たの~?」
そこでひぃが来る。
「は、葉月さん!そ、その人は?」
「なんや?」
「すい?なんでそんな怖い顔してんの?」
ふぅはもう寝たのかいなかった。
「あぁ、この人はお前らの面倒を見てくれる、、、、えーっと、、、、」
「如月弥生です!」
「えぇー!?すごい!メイドさんですか!」
すいが目をキラキラさせながら言う。
「そういえばすいってメイドとか好きだったよね」
どぉが言う。
「ほぉ、メイドかぁ、まぁ、これからよろしくな!」
きぃは興味なさげに「もう寝るわー」と自分の部屋に向かった。
「ふわぁ~、、、、私も眠いからねるぅ~、、、、行こ、どぉ、、、、」
「あ、うん、じゃあみんなおやすみ」
と、ひぃとどぉも部屋に向かった。
「ま、とりあえず上がって」
葉月が弥生に言う。
「はい!」
と、3人はリビングに向かう。
「如月さんってメイド歴どのくらいなんですか?」
すいの質問に、、、、
「ざっと、5、6年くらいですかね?」
「へ?」
ポカーンと口を開けているすい。
それも無理はない。彼女の年齢をまだすいは知らないからだ。
「、、、、、に、24です、、、、」
「へ!?」
と、そこで弥生が免許書を見せてきた。
「私、車持ってるんです。証明できるものはこれくらいしか、、、、」
「ほ、本当に大人なんだな、、、、俺よりも年上、、、、」
にわかに信じがたいが本当に大人らしい。
「じゃあ、次は実力だ!家事がどれほどできるのか見せてもらおうか?」
「かしこまりました!」
それから一時間後、、、、
「すごい、、、、!完璧だ、、、、!」
家事を楽々こなす彼女に葉月に驚く。
「メイドさんってすごいですね!」
嬉しそうにぴょんぴょん飛び跳ねながらすいが言う。
「まぁ、ここまでできたらな、、、、弥生、ややこしい5人だけど、、、、よろしくな」
「はい!ご主人様!」
メイドが来たというのにまた騒がしくなると思う葉月だった。