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英雄のご子孫ご一行(仮)  作者: 赤月
辺境の森での日々
22/38

目と目④

 助かる事に出口までに再び邪魔が入ることなく、到着できた。


 「ショーン、まだよ。離れた茂みまで引っ張って。」


 「め゛め゛ぇ~。」


 嫌そうに鳴きながらも引っ張って行ってくれる。


 「ハティ、スコル。そのまま洞窟内部と周囲の警戒をして、なにかあったら即教えて。」


 「「ワン!!」」


 指示だけ出して、私の膝はそこで崩れた。魔力を消費しすぎた疲労感がついに気力を上回った結果だ。繭の中は確かめてないものの回収は、できたけど、羽化を止める手立てもなく、せめて蛹が柔らかったらすべてを刺していけばいいんだろうけど、あの繭の硬さを考えれば無理だし、魔眼を連発できれば貫通できるだろうけど、私の魔力はすでに限界・・。もうこのまま指をくわえて待って、キラービーが、大量に羽化すれば、この森に住むことすら無理になる。どうにかしないと・・・。


 「め゛め゛ぇ~!!」


 ショーンの緊張した鳴き声が響いた。ハティとスコルが、振り向き、こっちに来るかどうか迷っている。ショーンが入っていた茂みからゆっくりと後ずさって出てきた。繭は、もう引っ張っていないようで、茂みから全身が出てもまだ後ずさって、こちらに戻ってくる。巣に入りにきた大芋虫に遭遇した?でもショーンが走れば、すぐこちらまで逃げてこれるはずだし、糸を飛ばされる事を警戒して後ずさってきているのかも?そして、続いて数体が茂みから飛び出し、ショーンを半包囲した。

 出てきたのは、槍をもったゴブリンが5匹、そしてそのあとからピンクの髪の持ち主トルクちゃんが茂みから出てきた。


 「あれぇ~?フレイヤさんなんでこんなところにいるんですか?」


 私は、手短にトルクちゃんに事の経緯を説明したが、その間、ゴブリン達はショーンを見てよだれをたらしつづけていた。


 「・・・。ということは、あの穴が、キラービーの羽化場なのですねぇ~?」


 「うん、そうだけどあまりびっくりしないのね。」

 

 いつも通り、ちょっと間の抜けた共通語を話すトルクちゃんには、焦りや驚きの表情など一切浮かばない。真逆に私の顔には、きっと魔眼解放の疲労感と焦りしか浮かんでいないだろう。


 「びっくりは、しないですよ~。そろそろ大量羽化周期だって、長が言ってましたから~。」


 「そんな周期があるの??」

 

 「だそうですよ~。20回、グリの実ができる頃に来るらしいです~。そのたびに羽化場を探して、退治してきたそうですよ~。」


 私に説明すると羽化場の入口を確認し、他のゴブリン達に指示を出してく。そりゃ、驚かないわけだ。キラービーの大量虐殺は、ゴブリン達による活躍で防がれてきたってことなのね。人に仇成す妖魔の代表ゴブリンも人知れず、役に立っているってことか。


 「ところで、どうやってあの数の大芋虫や硬い蛹を退治するの?」


 どうやって、あれだけの数を退治するのか、蛹ならまだしも大量の大芋虫を退治するとなれば、ゴブリン達にだって相当な被害が出ると思うんだけど、自己犠牲をしてでも退治するのかな・


 「今、村に報告に走らせましたから~。長が、フレイヤちゃんに集めてもらってたツンツン草や、シジレの実を煮た薬を持ってきます~。それを燃して、煙にするとおいしい燻製ができるんですよ~。」


 そかそか、ドルグおばーさんが作ってたのは、この時の為の薬だったのね。ってえっ!?燻製?しかもおいしい?


 「えっと、魔力使いすぎて、耳がおかしくなったのかな?『おいしい』って聞こえたんだけど・・・?」


 「言いましたよ?焼いたほうがおいしいですよ~、羽化しちゃうと食べれないので、時間がたりないんですよ。」


 「・・・。へぇ~、そ、そうなの・・・。」


 大芋虫たべちゃうんだ・・・。


 「もしかして、いつももらってる燻製って?」


 「あれは、鉄羊の燻製ですよ~。」


 「めめ゛ぇ~。」


 おびえていたショーンが、鉄羊燻製ときいてさらに後ずさっていく。いや、あんたはもう燻製に加工できないってば、理屈はわかっていても本能がそうさせるてるのかな?


 「おいしいですから期待しておいてくださいね~。」


 トルクちゃんは、そういうと残っていたゴブリン達にゴブリン語だろうか私には、わからない言葉で、忙しそうに指示を出していく。なぜか、ハティとスコルまでが、指示され働いているのは、コボルトがゴブリンにこき使われる事が多いためなのか、群れを好む習性なの為なのかは、わからないけど、ゴブリンとともに暮らす事が多いコボルトのハティとスコルにとっては、ゴブリンがおいしいという芋虫も嬉しそうに食べるかもしれない。おびえまくってる草食のショーンや今私のポーチから顔を出しているノームのリタは食べないのは、わかってるからいいけど、もし勧められたら私も一口は食べないと印象悪くなっちゃうかな・・・。

 

 「あの~。フレイヤちゃん。お願いがあるんだけど~?」


 「なに?」


 「ちょっと、ノームの力を借りたいの~。」


 リタの力?装備の整備をしたいのかな?私は、ポーチから顔を出しているリタと目が合う。何度も頷いていて本人的には、力を貸すことに問題ないようだし、いいかな。でもリタって契約の時以降しゃべらないのよね。妖精の第一形態ってしゃべれないのかな?契約の時は、話すっていうより、直接通じ合うって感じだからしゃべれないくてもいいからもしかしてしゃべれないのかもしれない。今度確認してみるかな。


 「っと。本人もやる気あるみたいだしいいよぉ。どれ整備してもらったらいいの?」


 「あ、いえ、整備じゃなくてですね・・・・。」


 

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