表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
英雄のご子孫ご一行(仮)  作者: 赤月
辺境の森での日々
18/38

しつじとひつじと私⑤

 爺が消えてから私は、召喚主の本を開き、確認していく。

 ハティとスコルは、今まで通り、速度重視で育ってもらって、前衛をしてもらうと。

 魔眼は切り札だけど、もうじき5つ星になるから契約事項に従って、第2形態に進化してもうと。

 ショーンは、ステータス見る限りでは、防御力についで、攻撃力が高く、速度も知能もないということは、防御型前衛なのかな?

 リタは問答無用で、非戦闘型。


 こう考えると、ショーンが仕えるか使えないで、戦力が増えたかどうかわからないわね・・・。とりあえず、何度か狩ったことあるけど、鉄羊についてもう一度調べてみるかな・・。


 私は、家から一冊の本を取り出した。『妖魔辞典』といわれる一般的な妖魔の知識が網羅されている便利な辞典だ。


 「鉄羊、鉄羊っと、あった。えっと。」


 『鉄羊・第一形態 肉は硬く毛を刈れば、細い体で肉が少ない為、食用にはあまり適さない。毛は硬く。角は金属で出来ており、非常に硬い。打撃系武器の衝撃は、毛の弾力でほぼ無効化となり、高い崖から落ちてもほぼ無傷だが、刃物には弱く、毛の下の体に届くほどの長い刃物には、非常に脆い。第二形態は、『鋼羊』『羊人』』


 相手の武器を見て、選べば、阻害行動できるかな?


 「ハティ、スコル。そこらの薪もって、こっちきて、ショーンもこっちに。ちょっと訓練。開始で初めて、終了で終わりね?ハティとスコルの武器は、その薪だけね。ショーンは好きに戦ってみて。わかった?」


 「羊食べる?」


 「羊食べる?」


 「め゛ぇ~!!」


 「いや食べないから。訓練だからね。じゃ開始!!」


 ハティ、スコルは、合図と共に左右に別れる、ショーンのほぼ真横から同時に襲い掛かるのは、定番となっているが、理想すぎる呼吸で繰り出されるこの2重攻撃は、かなり有効だ。さらにハティとスコルは、速度型で育てている為、その速度を活かし瞬時にショーンに詰め寄った。


 これが普通の相手なら左右同時攻撃に対し、視界の両端という非常に見えづらい位置となり、前後に逃げるしかないわけだが、ショーンは腐っても鉄羊であり、羊の妖魔の瞳は、横長で、上下の視界は狭くても左右の視界は、異常に広い。指示できる者が、そのことを指摘して、ハティとスコルに指示を出せれば、変わった展開になっているだろうが、ハティとスコルにそこまで細かい戦況判断をすることを教えていない。教えれるほど、知能がないと判断して、教えていないのだ。ショーンうろたえることなく、手足そして首すらも自分の羊毛に引っ込めてしまった。


 まるで、形の悪い牡丹餅状態になった。気にもせず、ハティもスコルも薪を打ち込むが、毛に跳ね返され、自分の振り下ろした薪の威力分、後ろに跳ね返された。その後も打ち込むが、跳ね返されることは無くなったもののショーンにダメージが通っているようには思えなかった。ハティやスコルの力と薪というただの木の棒での打撃は、他の大型生物の攻撃とは比較は、出来ないのが問題だけど、足止め程度にはなるかもしれない。

 ここで終了宣言をしてもよかったのだが、そのままショーンの行動を見ることにする。

 さらに数度、ハティとスコルが打ち込み、噛み付いても見たが、毛が邪魔で、牙が通らず、ハティとスコルが、疲れて、動きが緩慢になったところで、ショーンが動いた。


 スコルが大きく息を吸った瞬間。突如、手足頭が生え、角を使った頭突き。加速する距離はないものの速度型で、耐久力がないのと、コボルトと鉄羊の体重差の影響でスコルは、後ろに吹っ飛ばされた。スコルは、そのまま目を回している。


 ショーンは、再びその場で、手足頭を引っ込めハティを待ちに入った。そのハティは、スコルが瞬時に気絶という事態に陥ったことへの状況に対応できず、傍目から見てもうわついていた。


 「しゅ~うりょ~。はい、そこまで!!」


 私の声で、場の空気が落ち着いた。


 ショーンは、手足頭を出して、何事もなかったようにその場で、草を食んでいる。

 ハティは、大きく息を吐き、安堵しているようだ。そこからでも薪を使ってのショーンとの戦闘は、勝てる気がしないということか。ただ、刃物を使えば、それなりに方法はある。

 リタは、小さな手のひらに小川の水を汲み、スコルのもとへと走っていく。


 今回の模擬戦闘だけで、いろいろ見えてきた。

 ①ショーンはただの棒や短いスパイクがついた棍棒をもった、コボルトやゴブリン程度ならショーンは無傷。ただ、これが大鬼(オーガ)やオークならどうなるのだろうか?ドルグおばーさんの所に言って、村一番の力持ちホブゴブリンに殴ってもらってみよう。


 ②ショーンの問題は、動かない対象を殴り続けず、放置して次の標的に向かわれると足止めにすらならないだろう。


 ③ハティとスコルにも問題点がある。今までは、問題なかったが、今の速度だけでは、オーク1匹が限界だ。コボルトであるということを考えれば、それでも十分なのだが、この森に今までいなかったオークが現れたことから、これから何が起こるのかわからない。なんらかの対策を練るしかないだろうけど、思いつかない。


 ②③は、ハッキリ言って難しい。薪が必要なくなった分、備蓄食糧にする対象を獣に特定せず、食べれるなら魔獣も狩り、経験を積んでいっそショーンを第二、ハティとスコルは第三形態に進化させるてみるってのが、いいかな。ただ、集団のオークに遭遇しないようにハティとスコルには警戒を怠らないようにさせるか、いっそドルグおばーさんのゴブリン達の魔獣狩りについてって、共同で狩るというのもいいだろう。今日中に食糧を持ってくるゴブリンに伝言を頼むかな・・。


 にしても、食糧を運んでくれるゴブリン、ちょっとおそいなぁ~。もうじき夕暮れになるのにな・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ