皇子と小鳥
読んでくださりありがとうございますm(__)m
――ユウ!!
突然、木々達に呼び止められ、ユウは足を止めた。余りに切羽詰まった声に聞こえたのだ。
「どうしたの?」
不安になって問うが、木々達が言うのは雑然とした言葉ばかり。
まるで何かが起きているみたい。
「――――娘、ここで何をしている?」
反射的に声のした方を見ると、ユウよりも身長の高い、銀髪赤目の青年がいた。自分より年上のようだ。着ている服からして、かなりの身分の人だとわかる。
それにユウは知っている。銀髪赤目は白蛇の血筋の者だ。気を付けなければいけない。だって白蛇の者は、その目に力を秘めているらしいから。
「……迷いまして、彷徨っている所です……」
「ほう、嘘はつかなくて良いぞ、森に選ばれた娘よ」
はっとした。どうやらばれているようだ。
「我は銀嶺と申す、そなた、名はなんという?」
相手が名乗ったなら、自分も名乗るのが礼儀だろう。
「……ユウと申します」
ぼそりと呟くように言った、自分の名前。まるで他人の名前のように感じた。今までそんな事、一度も無かったのに……。
「その名は、誠にそなたの名か?」
「えっ……?」
まるで見透かされたような気がした。確かに今、自分はこの名前を疑った。
いや、前から疑っていた。ただ、それ以外を知らないから、ずっとユウだと思ってた。それだけだ。
「自分でも気付かないとは……そなた、呪がかけられておるな」
呪をかけるには、それなりに実力が伴う。それも記憶を改ざんするなんて、かなりの実力者のはずだ。
「……何故、そのような事がわかるのですか?」
震える声が自分でも情けなかった。気を許してはいけない。そのはずなのに。
「疑問に思わぬのか、それこそ愚行、おかしいではないか」
「私はユウ、それ以外あり得ません!」
悲鳴を上げて、そのままユウは逃げ出した。ユウは森に選ばれた者。だから、迷う事はない。
――ユウ、いつか貴方は知るでしょう、誠の名を、そして、真実を……
走り去ったユウには、その言葉は聞こえなかった。
ユウが感じたのは、ただ不安だけ。
―――私は一体、誰なんだろう?
どうも、毎度お騒がせ、秋月でございます(。・ω・。)
無事に捻挫も回復し、何とかなっているんですが、今度は執筆時間がピンチ…………(´ω`)
4月は何かと忙しいんですよね。ちょっと甘く見てました(・・;)
私生活に、資格検定試験に、趣味に、なんやらかんやらに。とにかく忙しい(笑)
ですので更新が再来週くらいから、遅くなります………(汗)
本当にすいません。さらに、その次の更新は不定期になり、新しい連載に変わります。こっちが定期的な更新になりますので、ご了承ください。