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緑色の小鳥たちと憂い

長らくお待たせ致しました・・・。

まさかの二ヶ月ぶり・・・!

もう少し早く、次回は更新させたいです。

全てが動き出した事すら、露知らず。

私と雪さんは、異界にて、次に来るであろう、何かに警戒していた。


『ーーーーー来るぞっ』


流星が言った瞬間、辺りがまた、真っ暗に変わる。まるで最初から何も無かったかのように、一瞬で暗闇になった。辺りを見ても、私と雪さんだけが、この場に居る。


「・・・どういう事?」


てっきり、何か変わるのか、はたまた敵襲かと身構えた私達。なのに、起きたのは情景が変わっただけ。


『油断は禁物でしてよ、姫、明らかに気配が違います』


とは、普段よりも厳しい、華樹の声。


『面倒な・・・』


流星は、完全に目が据わっている。何やら怒り故にか、流星の回りがうっすら光っているようにも見える。恐らく、力が溢れているのだ。


「どうすれば・・・」


暗闇の中、未だに答えは出ない。


◇◇◇◇◇


緑姫が消えて、既に二日が過ぎた。

今は急遽、巫女姫達を例の屋敷に向かわせる為の支度のため、朝から城は上を下をの大わらわ状態であった。

勿論、星回も例外ではない。特殊な立場故に、彼女もまた、忙しく動いていた。


「・・・気配すら、掴めませんか」


同じ影の報告に、こめかみを押さえて、星回は椅子に座る。影達も、星回の役回りは知っているため、かなり心配そうに、そちらを見ていた。不眠不休で動く星回は、影のまとめ役だ。更に、強力な契約者であるため、仕事量は誰よりも多く、多気に渡る。その分、負担は大きい。それらを知る他の影達は、それ故に、星回を心配していた。


「申し訳ありません・・・、我らのみではこれが限界です、やはり、異能持ちを呼ばれた方が良いかと」


一人の影の言葉は、正しいものだ。だが、異能持ちと呼ばれる影は、数が少なく、手が空く者等いないのが現状であった。何度も何度も、あの屋敷跡は調べている。だが、霧を見た意外、特に進展がない。


「分かりました・・・今、異能持ちは動けません、我等では掴めぬとなれば、姫様方に願うしかありませんね」


どこか疲れた様子の星回が、深いため息を吐く。間違いなく、何かしらの騒動が起きるだろう。先に来る、騒動を憂い、星回は今までで一番のため息をついた。



◇◇◇◇◇



広く豪華ながら落ち着いた雰囲気の執務室にて、陛下は侍従から報告を聞いていた。


「準備はどうだ?」


急に決まったであろう姫達の準備は、予想外の波紋を広げていた。陛下は普段から忙しいが、更に忙しさに拍車をかけていた。他の者達も、普段以上に忙しさに、倒れた者まで出ている。


「はっ、大急ぎで進ませております、しかし、依然、行方不明の緑英一族の姫君は、発見されておりません・・・お探しの、先生と呼ばれる者も」


悔しそうな侍従は、確か、緑英一族の出であったか。

緑英一族は、かなり一族の繋がりが強く、また、夢渡りの門下生達も大切にする一族である。絆が強いというべきか。夢渡りと夢見は、そのほとんどが緑英一族の者が占める職場であるが、稀に、適性の問題でその職に付けない者がいる。しかし、一族の繋がりが強いかの一族は、そんな者達も大切にするからこそ、長きに渡り、繁栄してきたのだ。そこは、他の一族にとっては、真似できない部分であろう。

・・・・・切り捨てるという方法があるのだから。


「そうか・・・、やはり、力を持つ者が、やるべき、なのやもしれんな」


以前より、星回には言われていたことだ。しかし、出せる程、人数が居るわけではないため、後回しにしてしまったのは確かである。

しかし、まさか、星の言葉を、藤花姫が伝えてくるなど、誰が思うか・・・。桔梗姫まで巻き込み、今や先見の巫女が住む神殿は、大変な騒ぎとなっており、現先見様からは嫌味を言われてしまった。


「・・・しかし、一体、どうなっているのか」


確証を得ている部分が少なすぎる。星回からも、明確な報告が少なく、それ故に憶測もかなり増えてきた。


「・・・闇か」


無意識に呟いた言葉に、側近は不思議そうだが、それも当然だ。王家にしか伝わらない事もある。この中に、闇の事柄があるだけのこと。


「いや、考えても意味はないな、滞りなく行うように」


「御意」


側近が部屋を出ても、陛下の気持ちは晴れない。

当然だ、王家に伝わる闇の関連は、あまり良い物ではない。全てに、悲惨な最後があるのだ。更には、期間もある。長期に渡り、闇と共に居れた者等、存在しないのだ。


「杞憂であってくれ・・・」


恐らく、緑英一族の姫は、悲しむ事になるような、そんな予感がしたのだ。姫に関しては、申し訳ないという気持ちはある。だが、一国の王である以上は、切り捨てなければいけない事も存在する。国を傾けてはならないのだ。だからこそ、只の勘であれ、と願うしかできないのは、傲慢なのかもしれない・・・・・。

自分もまた、王としての役割にしばられた存在に、変わりはないのだから。



◇◇◇◇◇


運命は動き出した・・・


全ての者たちを巻き込んで・・・・・


未来は未だ、分からぬままにーーーーー

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