小鳥のこころ
すいませんm(__)m 今回もメッチャ固いです。
つ、次こそはっ!!
「えっ………………」
星回さんは、今、何と言ったんだろう?
「もう一度、申し上げます」
ふらふらしている体を、隣にいる子供の姿のフランに半分もたれるように預けて、それでも、はっきりと星回さんは言った。
………私が一番、聞きたくない、その言葉を―――――。
「貴方の中にあった、全ての術を解きました、呪いも、双子の絆も、“全て”」
「………………っ」
反論も出なかった。
ずっと、ずっと、心の中で、心の一番深い場所で……………私は、疑っていたのだから。
“ユキと私は真の双子なのか?”
馬鹿げた事だと、皆は言うかもしれない。姉妹として、私達は育ったのだから、そんな事は気にする方が可笑しい。きっと、皆はそういうだろう。疑う私が可笑しい、と。
頭の中で、私が崩壊しそうになったその時、星回さんの声が耳に響く。
「失礼ながら、姫君は知っていたのではないですか?」
「……………」
星回さんからの追い討ちのような、その質問は、答えられなかった。何を知っていたのかは、あえて彼女は聞かなかった。
沈黙、つまりそれが肯定だと分かっていても、私は答えられなかった。
私の中の全てが、壊れそうだったから…………。
「貴方は、“夢渡り一族総本家唯一の姫君”なのですから」
そういう星回さんは、限界のようで、右手で宙に何かを書いた。
「ヤト、来て下さい」
星回さんの後ろに、すっとあらわれたのは、一人の青年だった。白い髪に、金色の目の青年は、すらりとしており、無駄な筋肉等がないのだろう。服装は体にピッタリとした着物のような物を着ていた。
「フラン、姫君を部屋へ」
そういうと、星回さんはヤトと呼ばれた青年と、奥へと消えていった。
「姫さまー、お部屋にいこう?」
私は促されるまま、この薄暗い部屋を後にした。
◇◆◇◆◇
部屋へどう戻ったのかも分からない程に、私は茫然自失となっていたらしい。
気付いたら、高級そうなあのミントグリーンで統一された、最初に気付いた部屋の、座り心地の良いソファーに座っていた。
隣には心配そうに私を見る、可愛らしいフランの姿が。足が届かないのか、ブラブラとしながら座ってはいるが。
「姫さまー? 何か食べよう?」
フランが指差すテーブルの上には、パンに野菜を挟んだサンドイッチが置いてあった。いつの間に置かれたのか、全く気が付かなかった。
「ごめんね、フラン………今は食べたくない」
「でも、でも、美味しいよ?」
「うん、でも、食べたくないんだ」
そう断ると、フランがタンッと身軽に椅子から飛び降りた。
「ねえ、姫さまー? 何にそんなに不安になってるの?」
不安? 私は不安になってるの?
見ればフランの目は、真っすぐに私に向いている。きっと頭の良いフランの事。ごまかしはきかないだろう。
「………えっと、……フランは“家族”に裏切られた事はある………?」
震えそうになる声で、なんとか最後までいいきった。
正直に言えば、まだ頭は混乱している。だって私はまだ、納得出来てないから。
「んーと……、フランは、家族っていうのがよく分からないの、フランは人じゃないし………」
「えっ……………………?」
今、フランは何か聞き捨てならない事を言ったような? 何から突っ込めばいいの!?
「フラン…………?」
唖然と見ている私に、フランがニヤリと笑う。これはこの幼い少女には、あまりに似付かない大人の笑みだ。そしてフランが見た目どおりの年齢では無いことも分かった。
「フランはね、“使い魔”なんだよ、姫さま」
そう言って、フランの体が不思議な光に包まれる。
「フラン!?」
突然の事に、私は唖然としてフランの変わりゆく姿を見ていた。
しばらくして光が納まると、そこにいたのは、一人のすらりとした長身を持つ、女性が立っていた。服装はワンピースで、金の髪は腰の辺りまで伸びていて、さらさらさと風になびかせている。紅の瞳は、なにやらキラキラと輝いている。まるで、悪戯を成功させたかのような、そんな反応を見せる、女性姿のフラン。
「姫さま、主さまには秘密でお願いします」
そう言って、人差し指を口元に持っていく。
あっけにとられている私を余所に、フランは話を進めていく。
「さて、姫さま、家族との事ですが、姫さまにとっての家族とは、その程度で揺らぐものなのですか?」
思わず、固まってしまった。
………私にとっての家族ってなんなんだろ。
私の世界に居たのは、実は物凄く少ない。私、ユキ、先生………これだけしかいない。だから、私にとっての家族はこの三人だけなのだ。
「姫さま、家族に血は関係無いと思いませんか? 血の繋がりがあるとは、限りませんよね? 姫さまが大切にしている家族に、血の繋がりを求めますか?」
フランの言葉は容赦無く、私に、私の心の中に入り込んで、染み渡る。
「そう、誰も求めていないんです、なら、姫さまだって、自分が思った通りにすればいいんです、姫さまは“今”、何をしたいですか?」
私が今、したいこと? 何だろう、何がしたいんだろう?
「その様子だと、分かっていらっしゃらないようですね?」
くすくす笑いながらも、私を見る目は凄く柔らかいものだ。まるで子供を見る母親のような………。
「貴方の家族が間違ってしまったら、貴方はどうしますか?」
間違ってしまったら?
庇う?
いらないと言う?
それとも隠す?
いいえ、私はそんな事をしたいわけじゃない。
大切な家族、その人達が間違えた道を進んだら、私は、私は―――――!!
「道を正します、………家族には間違った道を進んで欲しいとは思わないから!」
私はこの日、道を選んだ。
私の、私にとって、これからを決めた、決心の日となったのだった。
どーも♪ いつもお騒がせ? 秋月でございます!
今回は早速、解説から行きたいと思います。
今回は、魔法について!
この世界には魔法があります。あの世に転成した人は、皆さん使えます。しかし、皆さんが使う魔法は、普段使うような簡単なものがほとんどなんです。
しかし! 役人の方はそれだけではダメなんです。更に高度な魔法を覚えないといけないんです。そして自分の子供意外に、伝えなければいけないんです。そう、ここは実力主義なんです。魔法に関しては、命懸けなのですよ。
さて、次回は何にしようかな?
ではではまた今度♪
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