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アタッカー  作者: 空白スラ
3章:孤独な青狼娘ルテ
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7,ミンダス守ります-3

 ルークははっきりと見ていた。ルテが謎の青光に包まれたと思ったら、そこにアルーンがいた事を。アルーンは五つの負の一つ。言わばこの世で最も強いと言われる守り手の一体だ。

 避難にはいくつか犠牲が出たが、幸い外に守り手はいなく外に出れた者はもう安全だ。だからこそ、アルーンの存在はルークにも恐怖だった。こいつをここで仕留めるか、ルテに戻すかどうかしなければミンダスは終わる。ルークは五つの負の一つ、メスセノと会った時の事を思い出した。こちらから危害を加えなければ基本的に五つの負は無害なのだ。ルークはそれを知っているから、アルーンには手を出すなと最初に告げてまわった。しかしアルーンは様子がおかしい。メスセノからいくつか聞いた事によれば、五つの負は全員が人間の言葉を理解し話せる。また理性を持ち、どれ程怒ろうが危害を加える者と判断しない限り襲う事はないと。だがアルーンは完全に理性を失っている。もう死んだはずの黒い狼の体を壊れたおもちゃのように弄ぶ姿は、とても正気の沙汰ではない。

 ルークはリンに近づき、そっと脈をはかってみた。脈は正常で息もしている。傷口も完全に塞がっていてルークは胸を撫で下ろした。そして呼び掛けた。

「アル……いや、ルテ。もう気は済んだだろう戻れ」

 アルーンは黒い狼をむさぼるのに夢中でルークの声が聞こえていない。ルークにも怒りが募った。

「アルーン! いい加減にしろ!」

 アルーンは振り向いた。口元は血の川になっていて、目はしっかりとルークを睨んでいた。ルークは急いでその場を離れ横に飛び込んだ。真空波が飛び散り風が貯蔵庫を舞う。アルーンは何度も爪で空を引っ掻く。ルークはそれに合わせてすんでのところでかわし続けた。しかしこのままでは無理があった。ルークは意を決して前進し、徐々に距離を埋めていった。アルーンはぴたりと攻撃を止め、前足をはってルークの攻撃を待つ。ルークはその隙に走ってアルーンの顔を真正面から殴りにかかった。アルーンはしかし吠えた。ルークは音圧で吹き飛ばされ、地面を転がる。アルーンはゆっくりとルークに近づき、口を開けてルークを飲もうとした。

 だが、アルーンの動きは止まった。リンが、ルークとアルーンの間に入った。両手を広げて首を大きく横に振るリン。アルーンは風でリンを飛ばそうとしたが、うまく避けられ頭に乗られた。

「ルテ、もう終わったんです」

 耳元でリンが優しく囁くと、貯蔵庫は青い光に包まれてルテがその中央に倒れた。

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