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アタッカー  作者: 空白スラ
3章:孤独な青狼娘ルテ
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2.モルバーグ攻めます。(前編)

 鎧や戦闘服を纏った屈強な戦士達がまるで仙人クラスのアデナスを討伐した後のように祝杯をあげる中、足を組み頬杖をついてカウンターに佇む赤い目は不機嫌そうに細く寄せられ、ルテはテーブルを指で鳴らす。すっかり汚れを落とした体は清々しいものだったが、それ以上にルテは腹をたてていた。

「どーしたんだいルテちゃん、やけにご立腹じゃねーか」

 一人の酔った戦士はルテに近寄る。その息は酒くさくて、ルテはそっぽを向き「うるさい、刻むぞ」と呟いた。だが酔った戦士はしつこく付きまとう。

「いーじゃねーか話してみろよぉ」

 途端、酒場にまるでピアノでも二階から落としたような音が二回響く。ルテがテーブルを叩き、椅子を蹴った音だ。そのまま周囲の視線など気にせず鋭い眼光を男につきつけ言う。

「消えろ。次は刻む」

 さすがの酔っぱらいもこれにはたじたじし、そそくさと酒場を去った。また、どよめきがその場を支配する。

 そんな人を寄せ付けないオーラをバリバリ出していたルテに近寄るクウ。周囲からは自殺行為だと話す声もした。

「ねえルテ、悪かったってば」

「だから、その話はもういいと」

「だってルテはまだ怒ってるじゃないか」

「いい加減にしろクウ。私は怒ってなんか__」

 ルテが声を荒げようとした時にやや軽い声が二人のすぐそばであがった。

「まあまあお二人さん、仲間どうしで喧嘩なんかしないでくれや」

 男は高そうな茶ブーツに、焦げ茶を基調とした戦闘服を身に纏う(まと)。屈強な戦士達の中ではいささかきしゃに見える体に、男のくせに背中まで伸ばした黒いロングヘアー。目は掘られたようにくっきりしていて澄んだ茶。攻め人ギルド、ミンダス支部支部長ルーク。

「喧嘩なんかしてない」

 ルテは意固地になって反論するが、ルークはそんなルテの態度も軽く受け流し、懐から出した紙を二人に見せつけて言う。

「ほら、依頼だ依頼。サン遺跡にモルバーグが出たと。喧嘩なんかしてないで二人で仲良く行ってこい」

 ルテは半ば紙をひったくるように奪い、依頼内容を確認する。

 サン遺跡はミンダスを南に下っていくとある遺跡で、そこまで大きいものではなく、大広間までの道のりも短いのでそういう意味ではルテはそこを好んでいる。しかし問題は敵に気づかれ易い事だ。遺跡は洞窟とは違い手入れが行き届いている為、暗闇からの奇襲はまず出来ない。更にモルバーグはルテの苦手とする相手だ。ルテは承諾するか迷ったが、ルテの決断の前にクウはあっさりと言ってしまった。

「わかりました。ボクとルテで行ってきます。ほら、行くよルテ」

 あまりの呆気なさに待てとは言えず、結局不機嫌のままルテは酒場を後にした。

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