カードゲームは部活動のうちなのか、いや、そうではない。
「狂乱の鬼神、召かぁぁぁあああん!!これで一気にカタをつける!!」
「ぐっ、せけぇ、そんなん持ってるなんて聞いてねぇ!!」
日本、ある県ある市のある高校。部室棟から、部活動には思えない声が争っている。
自分探しの旅部部室では、たったいま狂乱の鬼神が召還され、天使の宝剣を圧倒せんとしているところだ。
「あー、もう止めだ止めだ、負けましたよー部長。いいさ次は勝つから」
「負け惜しみかね?実に、負けを素直に認めん君らしい言葉と言えようか」
「あぁん?今何つったテメェコラァァ!!!!!!」
部長と呼ばれた眼鏡の女生徒は、こちらもまた眼鏡の後輩が、実は優しくなかなか手を出せないことを知っている。
知っている上での言葉であるから、彼女の態度も実にたちが悪い。
まーけーおーしーみー、と言ったのだよ、素直じゃないとも言ったかな、黙れアホ眼鏡ぇ!君も眼鏡だろうが!ぎゃーぎゃーぎゃ(以下略
いいトシこいた高校生が言い争っていると、部室の扉がガラと開いた。
「……八ッ木さん…と狐車……うるさかった…こんにちは」
文句と挨拶を同時に兼ね備えた言葉を発しつつ現れたのは、ロングヘアの清楚な女生徒。
掴みあいにまで発展していた八ッ木早矢と狐車グロリオサ
「あー、織部先輩聞いてくださいよこの人、すげー大人気ないんスから…」
ほう、と織部縫はためいきをつく。一体私は、いつまでこの部の面倒を見ないといけないんだろ…
「んでさぁ!!おりべ先輩なかなか返事しないもんだからオレ、ノート強奪したのよ。そしたらすげー睨まれてー」
「まぁ、織部先輩ちょっと男嫌いだもんね…仕方ないでしょ。ってゆうかそれ以前に、強奪したら駄目じゃん!!」
「だってー、あの人はっきりしねぇからぁー。もうちょいハキハキしてれば殺る気にならんでも…」
「あー駄目駄目!!殺すとか殺すとか、簡単に言わないの!!」
「へいへいうるせぇなぁ調居は…しょうがねえじゃん、オレに殺人衝動があるのはしょうがねえのーー!」
投げやり、もう降参、といったように天を仰ぎ両手を挙げてみせた。
「でも、伏君だって、別に友達とか大事な人を殺したいわけじゃないんでしょ?だったら、克服しようよ。あたしも協力するよ!」
伏歪の方をみやり、ね?と声をかけるのは調居実摘。
伏は、一瞬ぽかんと呆けた顔になり、すぐにかっと顔を赤くして、反論。
「――――――なーっ、何バカなこと言ってやがんだてめ!!てめーの協力なんざなくてもなぁ、オレは社会で生きてけますよーっ!!」
べ、と舌を出して、部室へまっしぐら。
調居はほうとため息をつく。なんて素直じゃないんだろう。行動の割に中身はまだ子供なんだなぁ。
平和だー、とか、やばい課題してないオー舞がー、間違えたオーマイガーとか色々考えながら、のんびり部室へ向かう。
社会から見りゃ、大した問題でもない日常、でも彼らには重くて大切な時間。
仲間と一緒にのんびり、ときには真剣に、楽しく皆で過ごしていければ、今はまだいいじゃん。
そんなお話。
一回分が長いなーと思います。まだ短い方なはずなんですけどね。
にしても、このキャラたちは動いてくれるだろうか。
期待、期待。




