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「君を愛してる」と脅されても、もうすぐエンディングなので全力で応援します! ~悪役令嬢ですが、ヒロインと婚約者様が結ばれるのを待ってるんですが?~  作者: ましろゆきな
第四章:神様降臨

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第十五話:神による緊急メンテナンス

 エリアスとアリスが殺る気満々で構えるが、神が手をかざすと空間に無数の「システムウィンドウ(ステータス画面)」が展開され、二人の動きを物理的・システム的に阻害する。


『野蛮な奴らだ……! まずは話を聞け!  そこのバグ(リリアーナ)! 貴様だ!!』


「ひいっ! 私!?」


 腰が抜けてエリアスに支えられたまま、リリアは青ざめた。


 神は怒りで震えながら、空中に浮かぶウィンドウを指差す。


『貴様は「シナリオを変えた」程度に思っているだろう?  断罪を避けるためにイベントを折った、と。  だが、事実は違う!  貴様が行ったのは、もっと凶悪な「キャラクターコア(人格)の改竄」だ!!』


「え……人格の、改竄……?」


 神はエリアスのステータス画面をリリアの目の前に突きつける。


『見ろ! 本来のエリアスは「光属性・秩序・博愛」だ。  だが現在はどうだ?  「闇属性・混沌・偏愛」……属性が反転しているではないか!  これはもう「王子(ヒーロー)」ではない。「魔王(ヴィラン)」のパラメータだ!』


「嘘……エリアス様は完璧な王子様で……」


 リリアは恐る恐るエリアスを見上げた。エリアスは「ふん、人聞きが悪いな」と不敵に笑っている。


(笑ってる……否定してない……!)


『次だ! あの(アリス)を見ろ!』


 アリスの画面をリリアに見せる。職業欄が「聖女」から「狂信者(バーサーカー)」にバグって赤点滅していた。


『ヒロインが「窓を割って侵入」する機能など実装していない!  貴様が「好き好き」と(ノイズ)を送り続けたせいで、  彼らは「リリア至上主義」という名のウイルスに感染したのだ!!』


 突きつけられた事実に、リリアは愕然とする。  断罪される恐怖よりも、自分のせいで「推し」が壊れてしまったことへのショックが大きすぎた。


「私が……二人を壊した……?  あんなに優しくて素敵だった原作の二人を……私が……?」


 リリアが崩れ落ちそうになったその時、エリアスとアリスがシステムウィンドウを素手でパリーン!と割る。


「……御託は終わったか?  壊れた? 違うな。『進化した』と言え」


「そうです。以前(原作)の私なんて、退屈な操り人形でした。  今の私が一番輝いています。なぜなら、リリア様を見つけたから!」


「そういうことだ。  リリア、君が変えたんじゃない。君が僕たちに『本当の命』を与えたんだ」


『……は?』


(何いい話風にまとめてんの?)神は二人のドヤ顔に苛ついた。


『理解しろ! 貴様らは私が書いたプログラムだ!  感情も、記憶も、全て0と1の羅列に過ぎない!  貴様らの「愛」など、ただの電気信号のバグなのだ!』


「そ、そうよ……。  エリアスもアリスも、架空の存在で……ごめんなさい、私が関わったせいで……」


 リリアだけは「彼らは被害者」だと思って泣きそうになった。


「……くだらない」


 エリアスは鼻で笑い、神を見下す。


「僕が『作り物』? そうかもしれないな。  (リリア)に出会う前の僕は、確かに死んでいたも同然だった」


「ええ。操り人形でしたね。  決められたセリフを吐き、決められた正義を振りかざすだけの」


「だが、今は違う。  この『リリアを犯したいほど愛おしい』という衝動。これだけは、お前()が書いたコードじゃないだろう?」


『なっ……!?』


「これは僕が勝ち取った感情だ。  リリア。君が僕を『キャラクター』から『一人の男』に変えたんだ。  ……責任、取ってくれるよね?」


 エリアスは誇らしげに微笑んでリリアの腰を強く抱きしめる。


「えっ、あ、はい……?」


 反射的に頷いてから、リリアは、責任って、結婚?と思い至る。


「私もです!」アリスもリリアに猛アピールする。


「設定なんてクソ食らえです! 私の『設定』は、今ここで私が決めます!  【名前:アリス 職業:リリア様の犬】 ……これで上書き保存完了です!!」


『書き換えるな勝手に!! 職業欄がおかしいだろ!!』


 明らかに動揺する神とリリア、全く動じないエリアスとアリスの図式ができあがったのだった。

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