おまけ 柊ちゃんは突き止めたい!
波々伯部くんと夕月さんを推し始めてから早1年。
あることに気づいた。
「結莉いる?」
「夕月さん? ちょっと待ってねー」
波々伯部くんに呼ばれてたよー、と夕月さんの元へ走ると、ドアをちらと見てなにかを悟った顔をする。
色恋沙汰だと思って、私が「波々伯部くんのこと、好きなの?」「もしかして付き合ってる?」とか面倒くさい女子みたいなことを言うと、夕月さんは苦笑して「そんなんちゃうよ」。
「えー、でも、好きな人いないの?」
「好きな人……、……」
ぼ、と顔が赤くなるので、私は悟る。
――好きな人いるな。
とか思ったので、波々伯部くんの元へ行った夕月さんを見守ることにした。いや、ストーカーとかじゃなくて。
とまぁ、そこまではいいけど。
屋上へ入っていった夕月さんの背中がドア越しに消えるのを見て、
「あれ、柊」
「うぉうわっ、……吉海くん」
彼はさらっと私に挨拶をして奥に消える。
数秒後、また戻ってきた。なにしてたんだ?
うぅんと唸っていると、吉海くんは怪訝そうな顔で私を見る。
と、中学の名札をつけた女の子が屋上へ入っていった。
……屋上って立入禁止なのでは。
「あ、柊ちゃん、吉海、いいところに」
ここで神が到来。
「一緒にトランプせーへん? あとひとり探して……」
……。
・・・。
…………。
「私が、みみみみんなとトランプなんて……めっ、滅相もない! 失礼します!」
大慌てで駆け出すことになったけど。
……神の時間を私に注ぐなんてこと、ありえない!
私が夕月さんの好きな人を見つけるのには、まだ少し時間がかかりそうです。
※
(柊はなにをしているんだ?)
(わからん……)
(……ん、夕月、髪に落ち葉ついてる。取るぞ)
(……、……そーいうとこやで吉海)




