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 それからもヴィヴィアンはアリシアに大量の事務仕事をさせられた。

大量と言っても単純作業が多い。

それは本来ヴィヴィアンがやるべき仕事なのだが、ヴィヴィアンにとってはやらされた感で一杯なのだ。

ちまちまと魔力を使うだけなのだが、一日中やっていると精神的に疲れるのだ。

文句を言おうとしても、なんだかんだと言い負かされて仕事をする羽目になる。

男性たちにお願いしようとしても、アリシアに邪魔をされ、いつも自分で仕事をしなければならないのだ。

「どうしていつもこうなるよ!!」

思い通りにならないヴィヴィアンは日毎に機嫌が悪くなっていく。


相談と言って夜に男性たちを誘って愚痴を言ってみても、最近はあまり調子よくいかない。

「だけどアリシアも言ってたけどそんなに難しい仕事じゃないよね?」とか

「仕事量が多い?内容は?ああ、それなら全然多くないね」とか

「アリシアも言ってただろう?あれは学校出てる子なら誰でもできることじゃない?」

などと言われてしまう始末だ。

同様に仕事を丸投げしようとしても、何故かアリシアが登場してはうまく誘導するため丸投げできないようにされてしまうのだった。

(あ~もう!!これならユーナの時の方がよかったわ!!

そうだ!教育係をまたユーナに戻してもらおうかな?)

ヴィヴィアンは再度トビーに泣きついたのだが、アリシアがヴィヴィアンに渡した仕事内容というのが部署全員の共通連絡事項で共有化されていたため、事務仕事、しかもかなり簡単なものばかりという事がはっきりわかっており、さすがのトビーでも教育係の交代はごり押しできなかった。

「ヴィヴィアンちゃん、さすがにこの仕事内容で大変って言われちゃうと困っちゃうんだよね。

逆に派遣会社に連絡してもいいんじゃないかって上からチクチク言われててさ。

僕も困ってるんだよね。

でも、大丈夫僕がヴィヴィアンちゃんをかばってあげてるから、ね」

などとトビーから言われてしまう始末。

(ね、じゃねーよ、この役立たずのうすら禿!!)

思い通りにならなかったヴィヴィアンの機嫌は今日もすこぶる悪い。


「ヴィヴィやん~、なんか顔がすごいことになってるよ?大丈夫?」

「どういう意味ですか!!」

「顔が悪いって言ってるんだけど・・・」

「何ですって!!!」

「あ、ごめ~ん、顔が変だって意味なのよ~」

(アリシア先輩~全然フォローになってません~~~)

ユーナは心の中で突っ込んでいるが、ヴィヴィアンは更に怒りを増していく。

「あたしの可愛い顔が変ですって!!!」

「え?自分の事可愛いって思ってるんだ~、

しかもそれ自分でいっちゃうなんて~凄い自信にびっくり~、

ん~でもまあよ~く観察したら普通に可愛い分類にはなるか」

「可愛い分類ってなんですか!あたしはその辺の女達より可愛いんですよ!!

おばさんのくせにウザイのよ!!」

「まあおばさんって言われてもそうだね、くらいしか返事のしようがないんだけど」

「ギィー!!!」

「うわ、魔獣みたいな雄たけび~、まあ分類したら属性女、系統自分好き、得意技くねくね、で顔の評価Bランク?」

「はあ???ふざけてんじゃないわよ!」

「うっは~、その顔、史上最強に凶悪~、」

「キィー、ばばあのくせにウザイんだよ!!」

「うっは、おばさんからばばあに昇格した~」

「うるさいわ!!!なんで喜ぶのよ!!むかつく!!!

あたしは誰よりも可愛いんだからみんなからちやほやされるべきなの!

つまんない仕事させてないであたしの為に代わりなさいよ!

そしてもっと貢ぎなさいよ!!!!」

アリシアの挑発?にうっかり乗っかってしまったヴィヴィアンは大声で叫んでしまった。

その怒りの形相とヴィヴィアンの本性を周囲の人たちにばっちり見られ聞かれてしまった。


「うっわヴィヴィアンちゃんってあんな子だったんだ、騙されたよ」

「俺すごいショックだよ。幻滅したな」

「スゲ~顔だな」

「自分の事可愛いって言えるのすごい自信だな」

「もっと貢げって何?相談があるって言うから話聞いてあげてたのに」

「意地悪されるとか言ってたけど、単に仕事ができないだけだったんだね」

「仕事代われって何様?」

「まあよく考えたらアリシアの分類って間違ってはいないよな」

「ちょ、オマ、分類て、魔獣か?」

「魔獣なみの叫び声だったからな、そりゃそうだろう」

「てか、得意技くねくねて、ヤダ、めっちゃ笑える~」

「アリシアのやつヴィヴィちゃんを魔獣分類で仕分けしてんのか、うまいな」

なぜかヴィヴィアンの本性を知ったショックよりも、魔獣分類方式でヴィヴィアンを仕分けしたアリシアが話題になってしまった。


周囲のざわめきに我に返ったヴィヴィアンは周りを見渡すと「どうして・・・皆ひどいですぅ~」そう言いながら部屋を飛び出していった。

「あれ?ヴィヴィやんどうしたのかな?お花摘み?」

そうぼやくアリシアの肩をマーガレットが笑いながらポンポンとたたいていた。

他の女性職員たちはアリシアにグッジョブを送っていた。




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